分電盤と配電盤と制御盤の違いとは?違いと特徴を教えます

漏電

マンションや大型ビル、商業施設などで電気を使うには、「分電盤」「配電盤」「制御盤」の3つの電気設備が必要です。

一般家庭においては、分電盤の中のブレーカーが屋内のコンセントに電気を送る役割を担っていますが、住宅の分電盤で扱える電気の容量は最大100Aです。それ以上の大きな電力が必要な施設では、住宅分電盤では対応できないため、商業用の分電盤が用いられます。また、多くの電気を使う場合は、分電盤に加えて配電盤や制御盤も設置されます。

大型施設で必要な分電盤と配電盤と制御盤の違いは、非常に分かりにくく、あまり知られていません。

この記事では、分電盤・配電盤・制御盤の違いとそれぞれの特徴、役割の基礎知識をお伝えしていきます。

目次

分電盤と配電盤と制御盤の違いと特徴

マンションやビルなどに設置されている電気設備は主に3つです。分電盤と配電盤と制御盤の違いとそれぞれの特徴を解説します。また、工場などに設置されており、分電盤と混同しやすい動力盤についても併せてご説明します。

配電盤 (Distribution Board)

配電盤とは、発電所から高圧の電力供給を受け、その電気を変圧して分電盤に送る設備です。家やビルなど建物全体に電力を供給する際の最初の分岐点となります。

役割

電力会社から供給される電気は高圧になっているため、そのままの状態では電気機器に使用することができません。配電盤に供えられた変圧器が、供給された電力の電圧を100Vや200Vに変圧してから、分電盤に送っているのです。

見た目の特徴や設置場所

配電盤は大きな建物で使用されるケースがほとんどで、設備自体も比較的大型です。金属でできたロッカールームのような箱状の見た目が特徴的で、主に建物の屋上や敷地外、駐車場などの目立たない場所に設置されるのが一般的です。

分電盤 (Circuit Breaker Panel)

分電盤とは、配電盤から供給された電気を、細分化された回路や配線、電気機器に分配するための設備です。部屋の照明スイッチやコンセントに電気を送るためのもので、大型施設だけでなく一般家庭にも必ず設置してあります。

配電盤やブレーカーとの違い

分電盤と配電盤との違いは、電圧を変える機能があるかないかの点にあります。配電盤には電圧を降圧させる変圧機能がありますが、分電盤にはありません。

分電盤とブレーカーとの違いは、役割や構造にあります。分電盤はブレーカーを納めた箱型の電気設備の総称であり、ブレーカーを含めて分電盤と呼ばれることがあります。一方、ブレーカーは分電盤の中にある3種類の装置のことを指します。

役割

分電盤は建物内の異なるエリアや部屋に電力を供給するだけでなく、電気装置を保護する設備でもあります。通常、分電盤には複数の回路ブレーカーが設置されており、各ブレーカーは特定の電気回路を制御する役割を果たしています。

見た目の特徴や設置場所

分電盤は、配電盤より小さめの金属の箱状をしているのが特徴的です。一般家庭では、玄関やキッチンなど屋内に設置されていますが、ビルなどでは屋外に設置されることもあります。

分電盤の機能や構造については、次項「分電盤とキュービクルの違い」で詳しく解説します。

制御盤 (Control Panel)

制御盤とは、分電盤から送られてきた電気を、電気装置や機械を制御するための設備です。ポンプやモーター、発電機、自動化システム、工業プロセスなどを正常に運転させることや、異常を把握して装置を保護することを目的に設置されます。

役割

制御盤は特定のアプリケーションやプロセスに合わせて設計されます。例えば、施設内の温度や湿度を一定に保つために、複数の空調設備を管理する必要がある時に使われます。

そのため、電動機のスピード、温度、圧力、および他のパラメータを表示したり制御したりするためのスイッチ、リレー、センサー、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などのコンポーネントが含まれることがあります。

見た目の特徴や設置場所

大きさには大小さまざまな種類がありますが、装置や機械の本体内部あるいは工場内に設置されることが多いです。

動力盤 (Motor Control Center – MCC)

動力盤とは、配電盤から供給された電気を動力設備に送るための設備で、分電盤の一種です。主にモーターの制御と保護を担当するための機器で、産業用機械、エレベーター、ポンプ、コンベヤーなどに使用されます。


動力盤の外観は分電盤とよく似ており、金属製のボックスに各部品が収められています。モーター制御装置、サーキットブレーカ、過電流保護装置、スターターなどが組み込まれており、モーターの起動、停止、制御、および保護を行います。

【まとめ】配電盤は電力供給の最初の分岐点、分電盤は建物内で電力を細かく分けて配分するための設備、制御盤は機器やプロセスを制御するための特定のパネル、動力盤はモーター用の分電盤といった違いがあります。

分電盤とキュービクルの違い

分電盤と混同されがちな電気設備に「キュービクル」と呼ばれるものがあります。この「キュービクル」とは一体どのような設備なのでしょうか。分電盤との違いについても解説します。

分電盤 (Circuit Breaker Panel)

分電盤は、配電盤から電力の供給を受けた主幹電線から分岐し、建物内の各部屋や電気機器に電気を送り届けるための設備です。主に戸建て住宅やアパート、マンション、オフィス、工場などの建物内に設置されます。

機能

分電盤はブレーカーやヒューズを備えており、これらの制御機能を活用して電力を各回路に供給します。電気の安全性を確保するのにも必要です。

ブレーカーには3種類あり、電気の使い過ぎを制御する「アンペアブレーカー」、漏電を検知して電気を遮断する「漏電ブレーカー」、各回路の過負荷電流や短絡時に配線を保護する「安全ブレーカー」に分けられます。

構造

通常、分電盤は屋内に設置されるもので、壁面に取り付けられるようになっています。箱状の構造をもっており、開閉式タイプや露出タイプがありますが、いずれもブレーカーやスイッチに外部からアクセス可能になっています。

ブレーカーの種類や分電盤を交換するタイミングについては、こちらの記事をご覧ください。

キュービクル (Cubicle)

キュービクルは、高電圧および中電圧の電力システムにおいて使用されるもので、別名「キュービクル式高圧受変電設備」と呼ばれています。文字通り、電力会社から供給された高圧の電気を変圧する設備を収めたものです。

主変電所、電力供給施設、産業用プラント、発電所などの設備において、電力制御および分配に使用されます。

電気設備を収めた箱状のものという点では分電盤と共通していますが、分電盤が低電圧を扱うのに対して、キュービクルは高電圧を扱うという違いがあります。また、キュービクルは配電盤の構造の一種と捉えられています。キュービクルと配電盤の違いとは、呼び名の違いで設備、機材などに大きな違いはないと言われています。

機能

キュービクルは高電圧および中電圧の機器を収容しており、遮断、分岐、接続、制御、監視、保護の機能を備えています。高電圧の配電機器や変圧器を取り扱うため、電圧を制御し、適切に配電する必要があります。

構造

キュービクルは、ロッカールームのような箱型の構造を持ち、内部に高電圧のスイッチギアや変圧器、配線用遮断器、電圧計・電流計などを収納しています。

キュービクルはある程度のスペースがないと設置できないため、通常は屋外に設置されます。屋内に設置するには、専用のスペースを設けなければなりません。また、高電圧を扱う設備ですので、適切な絶縁と保護が施されている必要があります。

【まとめ】分電盤は低電圧用で建物内の電力分配を担当するものです。一方、キュービクルは高電圧用で主に電力供給施設や産業設備で使用され、高電圧の制御と分配を行うものです。どちらも電力供給の安全性と効率性を確保するために不可欠な設備であることは共通しています。

分電盤・配電盤・制御盤の設置や修理は専門業者に依頼しましょう

今回は、分電盤と配電盤と制御盤の違いと特徴について解説しました。3つの電気設備は、文字列も似ており混同してしまいがちですが、機能や構造を比較してみると、明確な違いがあります。

大型施設や店舗、ビル、工場などの建物で多くの電力を必要とする電気機器を使う場合は、いずれの電気設備も欠かせない存在です。高圧の電気を扱うケースもあるため、分電盤や配電盤、制御盤の設置や修理が必要な時は、電気工事の専門業者に依頼するようにしてください。

一般家庭をはじめどの建物にも必要となるのが分電盤です。分電盤にはブレーカーが収納されており、部屋の照明を点けるのにも、エアコンやテレビ、パソコンを使うのにも不可欠です。分電盤には、過電流や短絡、漏電などから火災が発生しないよう配線や機器を保護し、安全に電気を使うための機能が備わっています。

DENKI110では、分電盤やブレーカーの修理・漏電調査を行っております。ブレーカーの交換や電線の引き直しなどの専門的な作業にも対応可能です。分電盤以外にも、さまざまな電気工事に対応していますので、お困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。


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