エアコンが点滅するけど電源が入らず止まる
安中市安中にお住まいのK様
安中市安中にお住まいのK様 から、エアコンのトラブルについて、ご連絡をいただきました。「エアコンのリモコンが点滅するけど電源が入らないようだ」「リモコンの反応しなくて電源ONにてもすぐに止まってしまう」とのご申告です。
さらに、エアコンにエラーコードの「F91」が、表示されているとのことで、修理の依頼を希望されたため、すぐに伺える旨を案内して、お客様のご都合にあわせることにしました。
ご申告のエラーコードから、パナソニックのエアコンであることがわかり、メーカーのエラーコードを確認してみると「室内機・室外機」のエラーと判明しています。
おそらくエアコンのトラブルの原因について、冷媒漏れまたは冷凍サイクル系不良であろう想定できることから、修理の準備をしたうえで調査のため、ご自宅へ伺いました。お客様には、エアコンの調査と点検の費用として(税込)5,500円からとお伝えしています。
お客様の自宅のリビングにあるエアコンは、比較的新しい機種でした。
パナソニック系のエアコンは、1995年以降の製品であればエラーコードの表示が確認できるようになっています。何らかのトラブルが発生するとタイマーランプを点滅させて、異常をお知らせしてくれるのですが、必ずしも正確ではなく誤作動の可能性もあります。
お客様のご自宅で、エアコンを操作するとタイマーランプが点滅いており、リモコンで電源が、ONにならないことをあらためて確認しました。
ここで、誤作動かどうか確かめるために、いったん電源をOFFにして、さらに電源プラグを抜き、エアコンのブレーカーも落とします。この作業でエアコンを再起動させてみると、誤作動であれば、改善することもあるためです。
エアコンを再起動させてみたけれども、タイマーランプの点滅は、解消されませんでした。
そのため、お客様からご申告いただいたエラーコードを見ることにします。
パナソニック系のエアコンでは、機種によって室内ユニット本体の前面パネルを開けたところにある、もしくはリモコンの液晶画面のどちらかにエラーコードが表示されるため、トラブル状況が、わかりやすくなっています。
今回は、室内ユニット本体の前面パネルを開けて右側にあるエラーコード「F91」の表示を確認することが、できました。
ちなみに、リモコンに表示される場合は「お知らせ」ボタンを押すと「ピピピ」と音が鳴って、エラーコードも表示されます。トラブルの状態によっては「お知らせ」ボタンを押さなくても「ピピピ」と音だけ鳴ることもあります。
エアコンのエラーコードの内容から、まず室内ユニットの状態を目視して、フィルターも綺麗にクリーニングしてあったため、次に「冷媒不良」を想定して、室外機を確認して見ることにしました。
ここで、お客様からベランダのリフォームの際に室外機を少し移動させてたとご申告が、ありました。その後しばらくしてから、エアコンの効き目が悪くなったとのことです。
エアコンには「冷媒ガス」が、注入されていますが、エアコンの設置段階で注入した「冷媒ガス」は、そう簡単に漏れたりしない仕様になっています。しかし経年劣化や施工時の初期不良などで「冷媒ガス漏れ」が、発生するとエアコンが効かなくなってしまいます。
今回は、室外機を移動した経緯から考えて、そのタイミングで、エアコンの室内ユニットと室外機を繋いでいる冷媒管に、亀裂や穴が開くなどがあれば「冷媒ガス漏れ」によるトラブルではないかと考えられます。
エアコンの室外機から冷媒管を見てみると、少し無理な角度で繋がれいることから、ベランダのリフォーム時に、室外機の位置を動かしたあとが確認できました。
それでは「冷媒ガス漏れ」を調べるため、ガス検知器を取り出して、ガス漏れの箇所と数を特定する作業に取り掛かります。ガス検知器で調べたところ、冷媒管自体からのガス漏れが確認できず、冷媒管には亀裂も穴もないことがわかりましたが、やはり室外機と冷媒管を繋いでいる接続部分からの「冷媒ガス漏れ」を検知しました。
冷媒管の接続部分からの「冷媒ガス漏れ」であれば、冷媒管や室外機を取り替える必要は、ありませんが、接続部分の修理と「冷媒ガス」の注入作業が必要になります。
エアコンの室外機と冷媒管の接続には、溶接ではなく「フレアー接続」という接続方法が、用いられていました。これは、ボルトとナットのような関係性で、室内機から延長された冷媒管と室外機を「フレアーナット」で閉めて固定し接続する仕様です。
今回の「冷媒ガス漏れ」の原因は、この「フレアー接続」部分に外的要因があったとみられます。とくに大きな変形が見られるわけではなかったのですが、「フレアーナット」を交換して対処することにしました。
ベランダのリフォームで移動した室外機の設置場所と、冷媒管の角度を調整するために、室外機の位置を調整することの許可をお客様からいただき、ほんの2cmほど移動させて固定しなおしました。それから、冷媒管の「フレアーナット」を念の為、新しいものに交換して、「フレアー」の接続部分に「冷媒ガス漏れ防止剤」を塗って補強しておきます。
室外機の設置場所を修正して「フレアーナット」の交換で「冷媒ガス漏れ」の補修が終わった段階で、続いて「冷媒ガス漏れ防止剤」の注入作業に入ります。
「冷媒ガス」には種類があり、エアコンの説明書または室外機に明記されているため、適切なガスの種類とガスの容量を確かめておく必要があります。
お客様のエアコンのガスは「R32(HFC)」と特定できたため、まずはエアコン本体と配管等を真空にする「真空引き」を「マニホールド」という機器を使用して、完全に真空状態にまでもっていきます。
「冷媒ガス」の注入には、内部にガスが残っていても継ぎ足すことをせず、完全に真空にすることで、溜まっている空気や水分をも取り除いてから、新たにガスを入れ直します。
なぜなら、この一手間を作業に加えることが、今後のエアコンの寿命にもかかわってくるためです。
真空状態になったことを確認してから、エアコンの指定の量まで「冷媒ガス」を注入していけば、作業は完了です。
ここまでの、エアコンの点検から「冷媒ガス」の注入作業は、2時間弱ほとで終わり、最後にエアコンが正常に作動すること確認してから、室外機まわりを清掃して終了とさせて、いただきました。
スタッフの声
エアコンの難しい修理や冷媒ガス注入もすぐに対応します
今回は、エアコンの室外機を無理に移動させてことによって「冷媒ガス漏れ」が発生しことが原因で、エアコンの電源をいれても起動しないといった症状になっていました。
通常「冷媒ガス」は劣化しないため、自然に減っていくことはないのですが、何らかの外的要因か、接続部分の経年劣化によっては「冷媒ガス漏れ」が発生することもあります。
例えば、引っ越しのときに移動させたエアコンを取り付ける際に何らかの不手際があり、ガスが漏れてしまったことによって「冷媒ガス」の量が減る可能性があるくらいになります。
そして、外的要因と言っても、動物や昆虫が原因になることまず考えられず、他に考えられることは、初期不良か施工時の不備が、主な原因になってくるでしょう。
その場合はメーカーや施工業者の負担で、修理なり交換をしてもらえますが、しかし、業者側で不備ではないとなれば、自己負担で修理することになりますね。
エアコンの室外機は、設置後に動かすことを想定していないため、配管の接続部分に無理がかかると、今回のように「冷媒ガス漏れ」が、発生しやすくなることもあるため、室外機を移動させるようなときは、細心の注意をはらい、くれぐれも自分で移動したりしないようにしましょう。