動力プランの基本料金が知りたい!月々の電気代の比較と節電のコツを解説!
新しく事業を始める場合に、電気の契約で悩むことがあります。
- 飲食店
- オフィス
- 工場
などでは、業務用の電化製品を扱うためです。
業務用の電化製品は必要な電力が大きいため、一般家庭用の【電灯プラン】よりも業務用の【動力プラン(低圧電力)】で契約した方が、電気料金が安くなるかもしれません。
- 電灯プラン:一般家庭用【単相100V・200V】
- 動力プラン(低圧電力):業務用【三相200V】
動力プランは電灯プランよりも基本料金が高いですが、電力量料金(電気料金)が安く設定されています。そのため、どちらのプランを選べば電気代を節約できるのか、という点に悩む方が多いと思います。
そこで、必要な電力量から【動力】で契約した場合の電気料金を計算してみましょう。ある程度の金額が分かれば、【電灯】か【動力】のどちらを選ぶか決めることができます。
また、どの電力会社と契約するかで料金も変わってきます。電力会社ごとに簡単にまとめてありますので、比較してみてください。
この記事では、動力プランの電気料金や節約するポイントについて解説していきます。
動力とは何?電気が供給される仕組みは?
動力とは、電気を使って機械や装置を動かすために必要なエネルギーのことです。家庭では照明や家電製品、冷暖房装置などに電気を利用し、事業所では様々な機械や設備に電気が必要です。
家庭で使用される電気が電力(電灯)と呼ばれるのに対し、業務用で使用される大きな電気を【動力】と呼びます。動力は新しく事業を始めるのに必須のものです。
電気プランにおける「動力」とは、一般的に電力会社から供給される電力のことを指します。電気プランを契約すると、家庭や事業所などの電力需要を賄うために電気が提供されます。
電気プランの動力は、電力会社が発電所で生成した電力を送電網を通じて供給される仕組みです。家庭や事業所には、電力メーターを通じて消費された電力量が計測され、それに基づいて料金が請求されます。
電気プランでは、動力の利用量や契約内容に応じて料金体系が設定されます。利用者は自身の電力需要に合わせたプランを選択し、電気料金を支払うこととなります。
動力プランは安い?
まずは、『動力プラン(低圧電力)』について簡単に解説します。
動力プランとは、電力会社と【三相200V】で契約することです。
- 基本料金は高く、電力量料金の単価は安い
- 大きな電力を使える
- 3本の線に電気を流すことで、モーターを回すことができる
基本料金とは、契約すると必ずかかる料金のことで、電気を使用しなくても支払う必要がある費用です。電力量料金とは、使った電気の量に応じてかかる料金のことです。
動力プランで契約すると、一般家庭の【単相100V・200V】では使うことができない機械や、たくさんの電化製品を同時に使えるようになります。
事業所で使用する機械の一例に、業務用エアコンやエレベーター、冷蔵庫などがありますが、これらを動かすには大きな電力が必要です。動力プランで電力量料金が安く設定されているのは、電気を多く使う人にとってメリットが大きいでしょう。
ただし、動力プランは電力会社と契約した設備しか使うことができないため、一般的な電化製品を使う場合は【単相】の契約も必要です。
また、契約した設備を変更する場合は、電力会社に連絡する必要があります。
東京電力【動力プラン 約款】
つまり、電気をたくさん使う機器のみ『動力プラン』で契約するということになります。
動力と電力の基本料金は?東京電力TEPCOの場合
それでは、『東京電力』の動力プランを例に見ていきましょう。
- 基本料金:1,081.54円 × 契約電力(kW)
- 電力量料金(1kWhあたり)夏季/27.49円・その他/25.92円
※夏季(7月1日〜9月30日)・その他(10月1日〜翌年の6月30日)
東京電力【動力プラン】より
動力プランの基本料金は、契約電力によって大きく変わりますのでご注意ください。
ちなみに、電灯プランは以下の通りです。
基本料金(1契約40A)は1,180.96円で、使った電力量によって電力量料金の単価は変わります。
- 0〜120kWhまで/30.00円
- 121kWh〜300kWhまで/36.60円
- 301kWh〜/40.96円
東京電力【スタンダードプラン】より
※各プランの電気料金などは、調査日(2023年7月19日時点)のものです。最新の情報は各電力会社のホームページでご確認ください。
このことから、使う電力量が多くなるほど【動力】で契約した方がお得になることがわかります。
九州や中部など日本全国の大手電力会社の動力プラン
動力プランは、各電力会社によって基本料金や電力量料金が違います。
下記の一覧で確認してください。
電力会社 | 基本料金 | 電力量料金 |
---|---|---|
北海道電力 | 1343.10円 | 28.93円 |
東北電力 | 1300.89円 | 夏季27.22円/他25.77円 |
東京電力 | 1081.54円 | 夏季27.49円/他25.92円 |
中部電力 | 1178.74円 | 夏季17.09円/他15.54円 |
北陸電力 | 1226.50円 | 夏季26.09円/他25.03円 |
関西電力 | 1100.84円 | 夏季14.43円/他12.95円 |
中国電力 | 1147.85円 | 夏季26.98円/他25.69円 |
四国電力 | 1183.71円 | 夏季25.98円/他24.54円 |
九州電力 | 1023.23円 | 夏季17.27円/他15.58円 |
沖縄電力 | 1392.37円 | 夏季31.99円/他30.60円 |
詳細は、各電力会社のHPで確認できます。
※各プランの電気料金などは、調査日(2023年7月19日時点)のものです。最新の情報は各電力会社のホームページでご確認ください。
新電力にも動力プランあり
『新電力』とは、電力自由化により新たに電気の小売を始めた企業のことを指します。
一般家庭向けが多いですが、中には業務用の動力プランを扱っている新電力もあります。
新電力は大手の電力会社に比べ、料金を下げている場合が多いです。
しかし、供給できる範囲が決まっていることもあるので注意しましょう。
ここでは、代表的な2社について見ていきます。
ニチガスのでガ割でんきは動力プランもお得な割引あり
『でガ割でんき』の特徴はセット割があることです。
関東エリアの動力基本料金は1,020.00円。東海エリアの動力基本料金は998.00円です。
電力量料金は使った量で単価が変わります。
【関東エリア】
- 0〜100kWhまで/夏季27.90円・他26.40円
- 100kWh〜/夏季34.90円・他33.90円
※セット割で1契約につき300円引き
【東海エリア】
- 0〜80kWhまで/夏季16.90円・他15.40円
- 80kWh〜/夏季23.90円・他22.40円
※セット割で1契約につき300円引き
さらに、ガス+家庭向け電気+業務用動力メニューのセット割(1契約ごと)に契約すると、毎月600円引きになります。
ニチガス【でガ割でんき(動力)】より
ENEOSでんき東京動力プラン
『ENEOSでんき』の特徴は、動力プランの他にもアパートなどの共用部分向けに【5Aの電灯プラン】があることです。
- 基本料金:1,012.00円
- 電力量料金:夏季/17.37円・他/15.80円
ENEOSでんき【東京動力プラン】より
※各プランの電気料金などは、調査日(2023年7月19日時点)のものです。最新の情報は各電力会社のホームページでご確認ください。
動力プラン(低圧電力)の電力量料金の計算方法
動力プラン(低圧電力)における電気代は、使用電力量(kWh)と電力量料金の単価(円/kWh)の2つを用いて計算します。
【使用電力量(kWh)】 電気を消費する量を計測した単位で、電力メーターによって記録されます。通常、使用電力量が増えると料金も増えます。
【電力料金単価(円/kWh)】 電力会社が提供する電気の1kWh当たりの料金です。電力会社によって異なる場合があります。
電力量料金の計算方法は以下のようになります。
電力量料金(円)= 使用電力量(kWh) × 電力料金単価(円/kWh)
具体的な料金体系や料金単価は、電力会社や地域によって異なります。また、一定の基本料金や契約条件がある場合もありますので、詳細な料金計算については電力会社の料金プランや契約条件を参照してください。
動力プランで節約!お得に使うコツ
ここからは、動力プランをお得に使う方法について解説していきます。
動力プランを導入しただけでなく、効率良く使うことで電気料金を節約しましょう。
電子ブレーカーで制御
電子ブレーカーは、電流を測りコンピューターで制御することにより、許容範囲いっぱいまで電気を使うことができます。
このメリットは、自分で使う最大電流さえ分かれば【動力】から【電灯】に契約を変更することで、基本料金を大幅に下げられることです。
【動力プラン】は基本料金が高いので、節約するために考えられた方法です。
新電力を活用する
新電力は、大手の電力会社よりもお得なプランやサービスなどがあります。
機械を動かしたままの工場などは節電方法に限界がありますので、契約プランを見直すことで電気代を削減できないか検討してみましょう。
こまめな電源オフで節電
この方法は、電源を切っても問題のない場合に有効です。
動力プランの基本料金は、使った電力が0の場合は半額になります。
例えば、エアコンなどは使わない時期にコンセントから電源プラグを抜いておくと良いでしょう。ただしブレーカーをオフにしないと、わずかに電気が流れてしまう可能性があるため、ブレーカーも落としておくと良いです。
ちなみに、エアコンを久しぶりに動かす時は突然稼働させると故障する可能性があります。シーズンオフが終わりエアコンを使い始める時は、電源プラグを挿して1日程度経ってから使うようにしましょう。
照明をLEDに変える
白熱電球や蛍光灯を使用している場合は、全てLED照明に変えることで節電になります。
- 消費電力が少ない
- 寿命が長い
などがLEDの特徴で、以前と比べて初期費用も下がってきたのでおすすめです。
LEDについては、別の記事で詳しく解説しています。
掃除とメンテナンス
給湯設備やエアコンなど『ヒートポンプ』を使った機器の場合、外気温と設定温度の差で必要なエネルギーが変わります。
定期的に掃除やメンテナンスをすることで、効率良く動くようになり節電に繋がります。
他の機械でも、モーターや回転部分の動きを良くすると、エネルギーの消費を抑えることができます。
機械の寿命を延ばすためにも、掃除やメンテナンスは大切です。
まとめ
ここまで、動力プランの電気料金や節約するポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
動力プランは、ただ導入するだけでなく、使い方を工夫することで電気料金が節約できます。
大きな電化製品を使う場合は、【動力プラン(低圧電力)】で契約すると電気料金を抑えることができます。新しく事業を始める時は、どんな機械を使用するか考え、必要に応じてプランを選択しましょう。
動力を使うにあたり、基本料金が安い方がよいのか、それとも電力量料金が安い方が良いのか検討する必要があります。実際の電気料金は、必要な設備からある程度計算できるので、検討してみる価値はあるでしょう。
もし、「電灯と電力のどちらを使えば良いかわからない…」とお悩みでしたら、専門業者に相談してみてください。
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