床暖房のメリットデメリットは?仕組みや寿命から見た床暖房のすべてを徹底解説
あなたは『床暖房』にどんなイメージがありますか?
- 足元が温かい
- 空気が汚れない
- 部屋を広く使える
- 初期費用が高い
- 光熱費が高い
-
このような印象をお持ちの方が多いと思います。やはりメリットが目立ちますね。
このうち、デメリットと思われる【初期費用・光熱費】は、床暖房の種類によって大きく変わります。
そのため、まずは『床暖房の種類』ごとの特徴を確認する必要があります。
その上で、自分にとって必要なのかを考えると良いでしょう。
床暖房の初期費用は高額ですから、失敗しないようにしっかり覚えてください。
この記事では、主に床暖房の導入を検討している方に向けて、以下の内容を解説しています。
- 床暖房のメリットデメリット
- 暖房器具の種類と消費電力
- 床暖房で電気代を節約する方法
床暖房の電気代が気になる方や、活用方法で悩んでいる方も参考にしてくださいね。
床暖房は必要?
床暖房を設置した方からは、さまざまな感想を聞くことがあります。
- 思っていたより光熱費がかかる
- メンテナンスが必要だと思わなかった
など、後から後悔しないためには、最初に確認しておくことが重要です。
まずは、床暖房の種類について覚えておきましょう。
電気式床暖房
電気式床暖房は、床に電熱線が入ったパネルを設置する方法です。
比較的簡単に設置できるため、初期費用を抑えることができます。
その代わりに、電気で発熱させるため電気代が高くなります。
また、壊れない限りメンテナンスは不要です。
温水式床暖房
温水式床暖房は、床下に細いパイプを設置して、温水を通して温める方法です。
配管を設置するため、電気式に比べて初期費用は高くなります。
加えて、温水式はお湯を沸かす給湯設備が必要なので、その分の費用も加算されます。
温水式の場合、寒い地域では凍らないように『不凍液』を使う必要があり、約10年で交換します。
また、給湯設備の耐用年数は10〜15年です。
暖房器具の種類と消費電力を比較
床暖房の導入を検討している方は、どれだけ電力を消費するか気になると思います。
暖房器具の種類と消費電力を比較して、「今使っている暖房器具とどちらが電力を消費する?」という疑問を解決しましょう。
暖房器具の種類 | 消費電力 |
---|---|
電気ストーブ | 約800~2,000W |
石油ファンヒーター | 約800~1,500W |
ガスファンヒーター | 使用時にはほとんど電力を消費しない(点火などで一時的に消費あり) |
石油ストーブ | 約50~150W |
ガスストーブ | 使用時にはほとんど電力を消費しない(点火などで一時的に消費あり) |
電気ヒーター付きこたつ | 約500~1,000W |
床暖房 | 中程度の使用で数百~1,000W程度(能力や運転モードによって異なる) |
こうして比較してみると、電気ストーブや石油ファンヒーターに比べて床暖房の消費電力は少ないことが分かります。ただし、床暖房の機能や使用方法によって変わるため、後述の節約方法なども参考にして、電気代を節約しましょう。
床暖房のメリット
床暖房は、他の暖房器具には無いメリットがたくさんあります。
ですから、多くの方が「できれば床暖房を入れたいなぁ…」と思っていることでしょう。
自宅で快適に過ごすことができれば、家事や仕事もはかどります。
それでは、メリットを順番に解説していきます。
頭寒足熱であたたかい
暖房器具のよくある悩みは、部屋の上は熱く下は寒いことです。
暖められた空気は上昇し天井付近に溜まります。
冷たい空気は床に留まるため、室内の上下で温度差が生まれます。
たとえ、サーキュレーターで空気をかき混ぜても足元を温かくすることは難しいです。
しかし、床暖房ならば直接足元を温めてくれるので、高齢者や女性には特におすすめです。
他の暖房器具を使った時の「顔だけ熱い…」や、「頭がボーっとする…」など、のぼせるような感覚とは違います。
ハウスダストの予防
風が出る暖房器具は、ホコリが飛散しやすく、アレルギー症状の原因になることがあります。
床暖房は風を起こさないので、ホコリを巻き上げることがありません。
そのため、『ハウスダストアレルギー』や、ぜんそくなど『呼吸器系の疾患』を持つ方にもおすすめです。
鼻水やくしゃみが出るので風邪だと思ったら、暖房器具の風によるハウスダストが原因だった…という事例はよくあります。
乾燥しない
暖房器具の温風に当たると、肌やのどが乾燥します。
肌の乾燥は肌荒れの原因に、のどの乾燥はウイルスなどに対する抵抗力を下げてしまいます。
床暖房は温風を出さないので、安心して使うことができます。
ムラなく全体が暖まる
床暖房は足元を直接温める他に、『伝導熱』により壁を温めます。
さらに、『輻射熱』が壁や天井にも伝わり部屋全体を暖かくします。
この効果により、部屋の隅でも暖かく過ごすことができます。
また、室温にムラができないのも床暖房の特徴です。
暖房器具を併用する必要がなければ、結果的に電気代を抑えることにも繋がるでしょう。
片付け不要
ストーブやこたつなどの暖房器具は、季節に合わせて出し入れする必要があり、片付ける時はきれいに掃除しなければなりません。
しかし、床暖房ならば床下に設備があるので出し入れ不要で場所もとりません。
やけど防止になる
電気や灯油を使うストーブなどは、子供やペットが間違えて触ってしまうとやけどの危険性があります。
床暖房は高温にならないので、直接触れても大丈夫です。
ただし、床暖房に長い時間同じ部分を接していると『低温やけど』の可能性があります。
これは、使い捨てカイロやこたつなどでも同じことが言えるので、温かいものに長時間触らないように注意しましょう。
寿命が長い
エアコン等の電化製品は約10年が寿命なのに対し、床暖房設備の寿命は約30年と長いです。
しかし、温水式で使う給湯設備の寿命は10〜15年になります。
この場合は給湯器を交換することで、引き続き床暖房を使うことができます。
床暖房のデメリット
床暖房には、もちろんデメリットもあります。
導入を検討している方は、しっかり確認しておきましょう。
床暖房の主なデメリットは3つあります。
- 部屋が暖まるまでの時間
- 初期費用
- ランニングコスト
それぞれ簡単に解説していきます。
すぐには暖まらない
床暖房を入れても、部屋全体が暖まるまで30分~1時間かかってしまいます。
なぜなら、床暖房は空気を直接暖めるわけではないからです。
まず床を温めて、その熱が部屋全体に伝わることで室温が上がるため、どうしても時間がかかります。
ただし、床暖房の種類によっては『タイマー予約』があり、設定した時間にスイッチを入れることもできます。
また、『電気式』より『温水式』の方が、短い時間で床を温めることができます。
初期費用が高い
床暖房の最大のデメリットが、初期費用の高さです。
床暖房を導入する時に工事が必要で、温水式の場合はさらに給湯設備を設置するので、どうしても費用が高くなってしまいます。
ストーブやこたつなどのように、購入した後すぐに使えるわけではなく、工事にも1〜3日程度かかります。
ランニングコストが高い
ランニングコストは床暖房の種類や使い方によって、大幅に変わります。
また、電気やガスの料金プランによっても大きく変わりますので、床暖房を導入する時には合わせて見直す必要があります。
電気式と温水式に分けて、簡単に解説します。
電気式床暖房
電気を流すことで発熱させるため、電気代は高くなります。
電気式は、狭い範囲か短い時間で使うと良いでしょう。
温水式床暖房
温水式は『電気』か『ガス』を使ってお湯を沸かします。
効率の良い仕組みでお湯を沸かすため、ランニングコストはそれほど高くはありません。
どちらも、光熱費をエアコンやファンヒーターと変わらない程度に抑えることは可能です。
また、温水式は沸かすお湯の量を増やすことで、広い範囲でも効率良く使うことができます。
床暖房で電気代を節約する方法
床暖房のデメリットとして、初期費用やランニングコストがかかることを挙げました。床暖房にはデメリットに勝るメリットが多くあるため、記事の途中で導入を決めた方もいるかもしれません。
床暖房を使う上で抑えられる費用は電気代です。ここでは、電気代を節約する方法をご紹介します。
タイマーの活用
タイマー機能を使って、必要な時間帯だけ床暖房を運転することで、無駄な電力消費を避けることができます。朝起きる前や帰宅前の時間帯に自動的に暖房をオンにするなど、必要な時間に適切に運転するように設定しましょう。
床暖房はONにしてから温まるまでに時間差があるため、快適に使用するには起床時間や帰宅の30分前を目安にタイマー設定しておくのがおすすめです。
適切な設定温度
床暖房の設定温度を適切に調整しましょう。設定温度が高すぎると無駄な電力消費が増えます。快適な室温を保ちながらも、無駄な熱を出さないように調整しましょう。
床暖房は9~10段階で温度設定できるようになっています。電気代節約には、ご自分が思っているよりもやや低めの温度にするのがベターです。
床暖房の設定温度を過剰に上げないためには、部屋の断熱をしっかりするのも大切です。
断熱対策
部屋の断熱をしっかり行うことで、室内の温かさを保ちやすくなります。せっかく温まった空気が外に逃げてしまったら元も子も有りません。床暖房が効率的に働くためにも、窓やドア、壁などの断熱性を向上させることが重要です。
部屋の熱は60%が窓から出ていくといわれているため、断熱カーテンなどを使用して温かさを保ちましょう。また、カーペットを敷くと、床暖房のメリットを十分に得られない可能性があるため、何も敷かないのがおすすめです。
局所的な暖房
必要なスペースに集中して床暖房を使うことで、全ての部屋で同時に暖房を行うよりも効果的に電力を利用することができます。
一般的には、床暖房は部屋の床面の70%に設置します。家具や家電を置く場所やシステムキッチンなどの設備を避けて配置するものです。長時間滞在する仕事部屋や家族が集まるリビングのみで床暖房を使うというのも一つの方法でしょう。
適宜の利用
室温が比較的高い季節や、外気温が暖かい日中などは床暖房を使用しないことも検討しましょう。必要な時に効果的に活用することが節約につながります。
電気式床暖房は電気を使うため、温水式床暖房よりも電気代が高くなりやすいです。24時間つけっぱなしにした場合、1ヵ月の電気代が約2倍高くなることもあるため、電気式床暖房を導入する場合は利用時間にも注意しましょう。
床暖房のガス代を節約する方法については、参考記事をご覧ください。
まとめ:床暖房の導入を検討している方は専門業者に相談を!
ここまで、床暖房のメリットデメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
床暖房のデメリットは、何と言っても『初期費用の高さ』です。
もちろん、業者によって価格に差はあるでしょうが、他の暖房器具に比べると高額になります。
逆に、他のデメリットについては床暖房の種類や使い方で解決することができます。
その上、床暖房には他の暖房器具にはないたくさんのメリットもあります。
床暖房なら足元から体全体をポカポカと温めてくれるので、寒い冬でも快適に過ごすことができます。
床暖房の導入を迷っているなら
まずは、床暖房をどのような目的で使いたいのかを考えましょう。
次に、自宅の環境や使い方に適した床暖房の種類を決めます。
ある程度考えがまとまった所で、専門業者に相談してみましょう。
必ず見積もりを出してくれますので、金額を確認してから導入を検討すると良いでしょう。
『DENKI110』なら【お見積もりは無料】で行いますので、ぜひお気軽にご相談ください。
※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。
DENKI110では電気工事や修理だけでなく、生活をする上での電気に関するお役立ち情報を発信しています。