日常生活で何度もブレーカーが落ちてしまう場合、
電気の使用量に対して、契約アンペア数が足りていないのかもしれません。家庭で使える電気の量は契約アンペア数によって決まっており、頻繁にブレーカーが落ちるということは、電気の使用量がオーバーしているということになります。
家電への影響が少なからずあることを踏まえても、快適に電気を使うためには、
適切なアンペア数の契約が必要になります。現在のアンペア数から変更する場合、ブレーカーの交換が必要になる可能性があります。
今回は、ブレーカーが頻繁に落ちる対処法として、契約アンペア数の変更およびアンペアブレーカーの交換について解説していきます。
アンペアブレーカーについて
まずは、アンペアブレーカーの基礎知識について解説していきます。アンペアブレーカーと消費電力の関係性を知っておきましょう。
契約アンペアによって使える電力が決まっている
毎日私たちが家庭で使っている電気は、電力会社から送られてきています。毎月使える電力(電気の量)は、電力会社と契約している「アンペア数」によって決まっています。
アンペア(〇〇A)とは、電流を表す単位のことで、
一般家庭であれば30A〜60Aあたりの契約が多いとされています。この契約アンペアを超えて電気を使用すると電力供給が過剰になるため、家庭に設置されたブレーカーが自動的に落ちる仕組みになっています。
ブレーカーが落ちると?
ブレーカーが落ちることで故障する電化製品はあまりありませんが、パソコンやテレビレコーダーなどは、データが飛んでしまったり、本体が影響を受けることもあります。また、電子レンジなどの電磁調理器は、温めている間に突然電気が遮断されると故障することもあります。これらのリスクを抑えるためにも、適切な契約アンペア数で契約したいものです。
契約アンペア数の確認方法
多くの場合、
分電盤(ブレーカーが収まっている箱)の中や、毎月送られてくる検針票に契約アンペア数が記載されているので、自宅の契約アンペアを把握していない人は、一度チェックしてみてください。
契約アンペア数が多いとどうなるか
契約アンペア数が多いと、その分電化製品を同時にたくさん動かせるようになります。
しかし、それに伴って電気料金が高くなります。
東京電力などでは、契約アンペア数に応じて電気料金のプランが決まり、プランごとに毎月の固定費用(基本料金)が設定されています。この料金システムは基本料金制と呼ばれるもので、基本料金は電気を使っても使わなくても支払わなければなりません。
そのため、
電気をあまり使わない家庭で、契約アンペア数を多くしていると無駄な出費になっていることもあります。電気は目に見えないものなので、契約アンペアと日常で使っている電気の容量を正しく知っておくことが大切です。
契約アンペア数はどれくらいがいい?
結論から言うと、一人暮らしなど電気使用量が多くないなら20A~30A、家族や家電が多く電気使用量が多い家庭なら40A~60Aがおすすめです。より具体的な決め方は次の項でご説明します。
契約アンペア数を決める前に確認すべきこと
契約アンペア数は、「大体これくらいでいいんじゃない?」と大まかに決めるのではなく、いくつかの確認事項を経て決めた方が良いです。契約アンペア数が少なすぎるとブレーカーが落ちますし、多すぎると基本料金が上がって余計な出費が増えることになります。ここでは、契約アンペア数を決める前に確認すべきことをチェックしていきます。
電化製品と機器の数と種類
使用する電化製品や機器の数と種類は、必要な電力量に影響を与えます。多くの大型電化製品(エアコン、電子レンジ、電気ストーブなど)を使用する場合、アンペア数を増やす必要があるかもしれません。昨今は暑い時期や寒い時期が極端に長い傾向にあるため、
エアコンを常時運転させることを考慮して考えると良いでしょう。
主な家電製品のアンペア数の目安
- エアコン・・・冷房5.8A、暖房6.6A(立ち上がり時は14A、20A)
- 電気カーペット・・・半面4A、全面8A
- 冷蔵庫(450L)・・・2.5A
- 電子レンジ(30L)・・・15A
- IHクッキングヒーター・・・20~30A(最大58A)
家電製品の中でも、常時運転するエアコンや電子レンジ、IHクッキングヒーターのアンペア数は大きいため、使用する場合は必ず考慮しなければなりません。
電気の同時使用量
一度に多くの電化製品や機器を同時に使用することがある場合、同時使用量を考慮してアンペア数を選ぶ必要があります。たとえば、家庭でエアコン、洗濯機、電子レンジを同時に使用することがあるかどうかを考えます。3種類の家電製品を同時に使用する場合は、
それぞれの必要アンペア数を足して契約アンペア数の参考にすると良いです。エアコンの最大アンペア数20A+電子レンジ15A+洗濯乾燥機13A=48ですから、この場合は50Aで契約する必要があります。
建物のサイズ
建物の広さや部屋の数もアンペア数の決定に影響します。広い建物や多くの部屋を冷暖房する場合、アンペア数を増やすことが必要かもしれません。一般的な住宅(戸建てやアパート、マンション)に比べると、オフィスや飲食店、商業施設のサイズは大きいため、
契約アンペア数も比例して大きくなることが予想されます。お客さんや取引先の人が来訪することも考えると、ブレーカーが落ちてしまっては困るため、家庭の契約アンペア数を決める時よりも慎重に決めなければならないでしょう。
消費アンペアとピークの消費電力を計算する方法
より正確な方法で契約アンペア数を決めるには、消費アンペアとピークの消費電力から必要なアンペア数を算出するのがベターです。ここでは、消費アンペアとピークの消費電力を計算する方法を解説します。
電化製品のリスト作成
使用するすべての電化製品と機器をリストアップします。各電化製品の名前と消費電力(ワット数)を記録します。消費電力は通常、各電化製品や機器に貼られたラベルに記載されています。
消費アンペアの計算
各電化製品の消費電力(ワット数)を合計します。
消費電力(ワット数)を電圧(通常は100Vまたは200V)で割り、消費アンペア数を計算します。
例えば、合計消費電力が2,400ワットで、電圧が100Vの場合、消費アンペア数は2,400 / 100 = 24アンペアです。
ピークの消費電力の計算
使用するすべての電化製品や機器を同時に使用することを想定し、最大の負荷(ワット数)を特定します。契約アンペア数は、
もっとも多くの電力を必要とする時間帯(ピーク時)に対応できなければならないのです。【消費アンペアの計算】を参考にして、ピークの消費電力を計算しましょう。これが最大電力(ピーク負荷)となります。
アンペア数の選択
計算した消費アンペア数とピークの消費電力をもとに、電力会社と相談し、適切なアンペア数を選択します。ここでも、やはりピークの消費電力がアンペア数を超えないようにすることが重要です。
契約アンペア数に応じたプラン内容や基本料金は電力会社によって異なります。お住まいの地域の電力会社のホームページで確認するか、直接お問い合わせいただくようにお願いします。
ブレーカーの交換がしたい
ブレーカーの交換を考えているという方々は、ブレーカーに実際にトラブルが起こっていて交換するかどうか検討しているという状態だと思います。そのために施工に一体いくらかかるのか、どこの業者に頼めば良いのかを比較しますよね。どこに依頼すれば安心してお願い出来て安く済むのかを皆考えてこの記事に行きついているハズです。
しかしながら、ブレーカーに起こっているトラブルの中には迷わず早急に業者に依頼しなければならない
緊急性の伴う症状も存在します。
では、緊急性の伴うブレーカーの不調や故障には一体どのようなパターンがあるのでしょうか。
【危険度別】ブレーカーの交換が必要なケース一覧と対処方法
ブレーカー |
状況 |
シチュエーション |
原因 |
【危険度】対処方法 |
分電盤の問題 |
アンペアブレーカー |
部屋中停電している |
ブレーカーを上げたら戻った・上げてもすぐ落ちた |
電気の使い過ぎ |
【低】家電の使用を控えてもう一度ブレーカーを復旧しましょう。
頻繫に落ちるようであれば契約アンペアを見直しましょう。 |
アンペアブレーカー |
部屋中停電している |
ブレーカーは上がったまま、近隣も停電している |
電力会社の停電 |
【高】震災などの自然災害の後のケースが多く、家に誰もいないケースがあります。
電力会社が復旧したら無人の家で通電火災が起きて大規模な事故にも繋がります。
対処方法は電気ストーブなどの熱を扱う製品をコンセントから抜いておく事です。 |
漏電ブレーカー |
部屋中停電している |
上げても落ちる、焦げ臭い、焦げている・異音がする。電気代が異常に上がったなど |
漏電、(欠相) |
【高】出火や感電の危険があります。早急に電気修理業者に漏電の調査を依頼しましょう。 |
安全ブレーカー |
部屋の一部の電気が使えない |
ブレーカーを上げたら戻った・上げてもすぐ落ちた |
電気の使い過ぎ |
【低】家電の使用を控えてもう一度ブレーカーを復旧しましょう。 |
安全ブレーカー |
屋外や浴槽、屋根裏などの一部の電気が使えない |
ブレーカーを上げてもすぐ落る |
漏電 |
【高】出火や感電の危険があります。 |
ここからは、ブレーカーを交換する際の注意事項について解説します。
【注意】アンペアブレーカーの交換
家庭にあった契約アンペア数を確認して、変更した方がよいと判断した場合、電力会社に変更依頼の連絡をします。とはいえ、連絡するだけでアンペア数が変更されるわけではありません。
契約アンペア数を変更するためには、変更後のアンペア数にあわせたブレーカーに交換する必要があります。ブレーカーの交換は、電力会社が無料でおこなってくれることもありますが、設備のための工事などは別途費用がかかります。
また、集合住宅や賃貸の場合は、管理会社や大家さんへの確認も必要になります。電力会社に連絡する前に、許可をもらっておきましょう。
そのほか、契約アンペア数を変更する前の注意点については、以下の関連記事を参考にしてください。
電気のアンペア変更がしたい!変える前に確認すべき注意点を解説!
【注意】漏電ブレーカーの交換
漏電ブレーカーの不調が疑われる場合は漏電ブレーカーの交換も必要ですが、まずは、早急な漏電調査が必要になります。漏電は放置したら家電や電化製品の故障だけではなく、
最悪の場合はショート(出火)にも繋がります。
※漏電に関して詳しく知りたい方はこちら
【漏電とは?】 症状、原因の調べ方、解決方法を説明
以下からのお電話でもご相談可能です。まずは、ご気軽に弊社にご相談ください。見積もりからでも承っております。
漏電ブレーカーの交換費用が知りたい方はこちら
【注意】安全ブレーカーの交換
契約アンペア以外にも安全ブレーカーという各部屋の分岐回路にも電気容量があります。電気の使い過ぎでブレーカーが落ちている場合は一度に使用する家電の数を減らせば問題を解決する事ができます。
安全ブレーカーの復旧方法は以下の記事をご覧ください。
ブレーカーの安全に行う上げ方とは?原因の探り方や手順を徹底解説!
安全ブレーカーの交換の費用が知りたい方はこちら
ですが、以下の回路に関しては雨漏りにさらされやすいので漏電しやすいため建物によっては漏電遮断機を安全ブレーカーにも設けている可能性もあります。※一戸建てに多いです。
- 浴室
- 屋根裏、屋上
- 【専用】屋外コンセント
- 【専用】EVコンセント、ガレージ
状況の回路が使えない、ブレーカーが落ちるなどの問題がある場合は安全ブレーカーが漏電している可能性が高いです。一度電気修理業者に漏電の調査を依頼しましょう。
【DIY】ブレーカーを自分で交換することはできる?
結論から申し上げますとブレーカーの
交換や修理には電気工事士の資格が必要です。従って、国家資格がないとブレーカーをDIYすることはできません。ですので、ブレーカーを交換したい場合は電気修理業者に依頼することになります。では、ブレーカーの交換には一体いくらの費用がかかるのでしょうか。
ブレーカーの種類について知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
分電盤やブレーカーってどういう仕組みなの?中身の構造とその役割を図で解説!
【費用】ブレーカーの交換にはいくらかかる?
以下は数多くの電気工事実績のある電気の110番の自社の目安料金になります。あくまでも目安ですので、実際に必ずしもこの価格でご案内するとは限りませんということをご理解の上、ご参照ください。
対応業者 |
ブレーカー |
交換するアンペア数 |
施工費 |
製品代金 |
電力会社 |
アンペアブレーカー |
15A |
電話一本で無料工事 |
無料 |
20A |
電話一本で無料工事 |
無料 |
30A |
電話一本で無料工事(※料金が発生する可能性があります。) |
※料金が発生する可能性があります。 |
40A |
約4000円~6000円 |
50A |
60A |
電気修理業者 |
漏電ブレーカー |
15A |
工事費用10000円~15000円 |
3000円~ |
20A |
30A(2線) |
6000円~ |
30A |
10000円~ |
40A |
50A |
60A |
電気修理業者 |
安全ブレーカー |
15A |
工事費用10000円~15000円 |
1500円~ |
20A(3線) |
※施工費+製品代金が総合でかかる料金になります。
分電盤の交換をお考えの方は以下の記事をご覧ください。
分電盤の交換をしたい!方法から費用までまとめて解説!
ブレーカーの交換費用まとめ
次に、アンペアブレーカーを交換する際の費用について解説します。
1.ブレーカーの交換の相場
アンペアブレーカーを交換する際の一般的な費用相場は、約3,000円〜6,000円です。ただし、これはアンペアブレーカーのみを交換した場合の費用で、その他のブレーカーも同時に交換する場合は、別途費用がかかります。
各ブレーカーの本体価格の相場を以下にまとめました。
- アンペアブレーカー・・3,000円〜6,000円
- 安全ブレーカー・・1,000円~2,000円
- 漏電ブレーカー・・3,000円~10,000円
また、分電盤(ブレーカーの裏側に設置されている、電気を各部屋に分けるもの)を交換する場合は、20,000円〜40,000円が相場となっています。
2.作業費もかかってくる
家庭とつながっている電線や、設置されている分電盤がそのまま使える場合は、工事費用はほとんどかかりません。しかし、ブレーカーを交換する必要がある場合、交換費用とは別に作業費用や処分費用がかかることもあります。
業者や設置状況によって詳しい金額は異なりますが、
およそ30,000円〜100,000円ほどかかることもあります。たとえば、電柱からの引込み線の交換や回路の新設などをおこなった場合の相場は、10万円前後となります。
また、業者によって基本的な金額は異なるため、一度、電気工事業者に連絡して確認してみるとよいでしょう。
アンペアを変更するなら一度相談しよう
契約アンペア数を変更する際、ブレーカーなどの設備工事が必要な場合は、一度見積もりを出してもらいましょう。どのような工事が必要で、いくらくらいかかるのかは家庭によって異なります。
どのような状況なのかは実際にみてみないとわからないため、まずは電気工事業者に相談してみましょう。
契約アンペアを増やしたいときはまず相談を!
「アンペアブレーカーが頻繫に落ちる」という方は、この記事でご紹介したように、まずは消費アンペア数を算出してみてください。
現在の契約アンペア数よりも消費アンペア数が上回る場合、アンペア変更の必要性が高いと言えます。
契約アンペア変更にあたって設備工事が必要になると、環境によっては別途費用がかかってきます。電気の知識があまりない場合、どのような状態で費用はいくらかかるのか判断できないと思います。
また、工事費用は業者によって異なるため、必要な工事の調査と費用を出すために、まずは見積もりをだしましょう
。DENKI110では、アンペアブレーカーの交換もおこなっています。ご依頼から迅速に駆けつけますので、お気軽にご相談ください。
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