河村電器のブレーカー事例を紹介!プロの交換や点検の作業を解説!

漏電

河村電器産業は、分電盤やブレーカーで有名なメーカーです。河村電器のブレーカーを交換したいという人は多いでしょう。

「エアコンを増設した」「使用する家電製品の数が増えた」という時は、電力会社との契約アンペアの変更を検討する必要があります。契約アンペアの変更を行う際は、アンペアブレーカーの交換とともに、漏電ブレーカーの交換が必要な場合があります。

アンペアブレーカーを30Aのものにしても、漏電ブレーカーが20Aだったら、20Aまでしか電気が使用できないのです。ですから、アンペア数を増やす場合は、漏電ブレーカーが変更後のアンペア数に対応しているかどうかを確認しましょう。

この記事では、契約アンペア数の変更に伴う河村電器のブレーカーの交換工事事例をご紹介します。プロの交換や点検作業、ブレーカーの漏電についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

漏電ブレーカーを20Aから30Aに交換したい

今回のお客様は、契約アンペア数の変更に伴い、20Aの漏電ブレーカーを30Aの漏電ブレーカーに交換してほしいという内容でご依頼くださいました。

お客さまは賃貸マンションにお住まいでしたが、管理会社の許可はすでに取ってあるとのこと。一度に使う家電製品が多くブレーカーが落ちやすいため、なるべく早く対応してほしいとのご希望でした。

お客様のご不便を早急に解消させていただくべく、お問い合わせをいただいた当日中に、電気工事士の資格をもったスタッフがお客様のご自宅にお伺いしました。

現場にてブレーカーの構造等を確認

現場に到着したスタッフが、さっそくご依頼いただいたブレーカーを拝見しました。

分電盤の左手に「主幹用漏電ブレーカー」と書かれたものがあります。これが、今回の工事で交換となる漏電ブレーカーです。漏電ブレーカーは、文字通り建物の電気回路の中で漏電が起こっているかを調べる装置です。実際に漏電が起きているのに作動しないようでは、感電や家事の危険性に気づけません。契約アンペア数を変更する際以外に、ブレーカーが老朽化していたり、今までにないような異常を少しでも感じたら、業者に依頼して点検してもらうのが安心です。

さて、中央にはいくつかのスイッチがありますが、これは各回路に繋がる安全ブレーカーです。また、分電盤の右手には「サーキットブレーカー」というものがありましたが、こちらは電気温水器用の配線用遮断器です。これらのブレーカーは今回の工事には特に関係がありません。

従来は漏電ブレーカーの横にアンペアブレーカーが設置されていましたが、スマートメーター(アンペアブレーカー内蔵の電気メーター)が導入されたご家庭には必要なくなりました。

ブレーカーの構造等に問題はありませんので、予定通り交換作業を始めました。

松下電工の「BJ320325K1」を河村電器の「ZLGS63-50TL-30」に交換取り付け

今回の工事では、松下電工株式会社(現パナソニック)の漏電ブレーカー「BJ320325K1」を、河村電器産業株式会社の漏電ブレーカー「ZLGS63-50TL-30」に交換する作業を行いました。

ここでは、漏電ブレーカーを交換取り付けする方法と手順を解説していきます。

古い漏電ブレーカーを新しいものに交換する作業内容

1.配線を取り外す

はじめに、感電防止のため電気絶縁手袋を装着し、分電盤のカバーを開けてすべてのブレーカーを落とします。そして、漏電ブレーカーを取り外すため、漏電ブレーカーに繋がっている配線をドライバーで外していきます。

今回は、契約アンペアを30Aにするとのことでしたので、配線の張り替えなどは必要ありませんでした。

というのも、もともと設置されている漏電ブレーカーが単相3線式対応のもので、3本の配線があります。単相3線式であれば、40A以上の契約にも対応できるのです。また、エアコンなど200V電圧の家電製品が使用できるメリットもあります。

2.古い漏電ブレーカーを取り外す

赤と黒(電圧線)と白(中性線)3本の配線を外したら、既存の漏電ブレーカーを取り外します。

不要となった漏電ブレーカーはスタッフが責任をもって廃棄させていただきました。

3.新しい漏電ブレーカーを取り付ける

河村電器の漏電ブレーカー「ZLGS63-50TL-30」を手元に用意し、ドライバーで配線を接続し、分電盤に取り付けていきます。

配線に間違いがないこと、ブレーカーがしっかり固定されていることを確認し、分電盤のカバーを元に戻します。

4.動作チェックを行う

すべてのブレーカーをONにし、問題なく電気が供給されていることを確認します。お客様にも家電製品の動作チェックをしていただいたところ、全く異常がありませんでした。

同時にいくつかの家電製品を稼働させてもブレーカーが落ちることはありません。お客様に「生活が便利になりそうです」とお喜びいただき、作業は完了となりました。

河村電器の「ZLGS63-50TL-30」の特徴と性能

  • 家庭用分電盤主幹用漏電ブレーカー/単相3線専用
  • 定格電流50A/定格感度電流30mA/定格電圧AC100V/200V
  • 単3中性線欠相保護付
  • 外形寸法縦100×横75×奥行60×ハンドル高さ78㎜
  • 端子カバー2個(組込式封印プレート)、タッピングネジ2本付属

河村電器のブレーカー事例をご紹介します!

ここでは、河村電器のブレーカー【AB 3P30TLA-30GW】の交換事例をご紹介します。

漏電ブレーカーが下がり停電した

岡山市のお客様から、漏電ブレーカーが下がってしまい家中の電気が点かないので何とかしてほしいと連絡をいただきお伺いしました。

お家まで訪ねて調査をした結果、どの回路でも漏電は見られず、漏電ブレーカーの故障であることが分かりました。漏電ブレーカーは15年以上使用しており、今まで交換や修理もしてこなかったそうです。

漏電ブレーカーが経年劣化により寿命を迎えたことをお伝えすると、最初は修理で検討していたようですが、交換してほしいと依頼を受けました。

それまでに使われていたのは日東工業株式会社の漏電ブレーカー「GBN33」で、製造年月日を見てみると、82年1月28日と記されています。ブレーカーの寿命は長くて15年程度とされていますが、実に40年近くも使用されていたことになります。

漏電ブレーカーの交換作業では、全く同じメーカーの同じ型番に交換するケースもありますし、別メーカーで型番も違う製品に交換することも可能です。今回は、 河村電器産業の漏電ブレーカー「AB 3P30TLA-30GW」に交換させていただきました。

河村電器のブレーカー「AB 3P30TLA-30GW」は、1982年に定められたJIS互換性形で、OC付き(過負荷・短絡保護機能付き)の製品です。

定格使用電圧はAC 100/200V、定格電流が20A、定格感度電流30mAとなっています。漏電動作時間は0.1秒以内と高速で、重量は0.22㎏と軽量です。

ブレーカーの異音が気になる

神奈川県海老名市のお客様から、「ブレーカーから変な音がして気になるので調査してほしい」とのご依頼がありました。音の原因がなにかを調査するため、お客様のご自宅に訪問しました。今回調査したブレーカー【AB 3P30TLA-30GW】は河村電器産業のものです。JIS互換性形なので、適応するブレーカーが多いのが特徴です。

お客様のご自宅にて異音を確認しました。測定調査をしたところ、異音は漏電ブレーカーからの発信だとわかりました。測定上の異常は特に認められず、古いブレーカーであったことから、老朽化が原因と考えられます。お客様には、その旨をお伝えしました。

こちらの事例では、異音以外にブレーカーの異常は見られなかったため、このまま使い続けても問題はないと判断できました。お客様にご相談したところ、現状問題がなければこのままで良いとのことでした。そのため、交換はせずに調査のみで対応は完了しています。

ただし、お客様には「また何か異常を感じたら、すぐにお知らせください」と伝えました。そして、絶対にご自身で対処しようとしたりしないようにお願いした次第です。

契約アンペア数を増やすメリット・デメリットとは?

今回は、契約アンペア数20Aから30Aへの変更に伴う漏電ブレーカーの工事事例をご紹介しました。ここでは、契約アンペア数を増やすことで生じるメリットやデメリットを比較していきます。

契約アンペア数を増やすメリット

契約アンペアを増やすと、一度に使用できる電力(家電製品)が増えるというメリットがあります。今回の事例では、20Aから30Aに変更したため、10A分多くの電力を使用できるようになります。

例えば、20Aの場合、14アンペアのIHクッキングヒーターと11アンペアの電気ケトルは同時に使用できません。使用したとしても、過電流が流れたということで、ブレーカーが落ちてしまうでしょう。

しかし、30Aの場合は同時に使用でき、さらに3アンペアの洗濯機も稼働させられます。

家族が増えるなどで使用する家電製品が増える時は、契約アンペア数を増やすことをおすすめします。

契約アンペア数を増やすデメリット

契約アンペア数を増やすと、月々の電気料金が高くなる可能性があります。東京電力の場合ですと、電気料金の基本料金は契約アンペア数によって変わります。

  • 10A⇒286円
  • 15A⇒429円
  • 20A⇒572円
  • 30A⇒858円
  • 40A⇒1,144円

そのため、必要以上に契約アンペア数を増やすのは不経済と言えるでしょう。

また、アンペア数によっては、交換費用が高くなることがあります。

古い建物ですと、2本の配線のみの単相2線式になっていることが多いです。30Aの契約であれば、単相2線式でも問題はありませんが、40A以上の契約の場合もしくは200Vの家電製品を使用する場合は単相3線式に張替える必要があります。

配線の張り替えには手間がかかるため、業者によっては追加で工事費を徴収するところがあるのです。

参考記事『ブレーカーの増設方法が知りたい!注意すべき点や費用について解説!』

ブレーカーの漏電が起こる原因と対処方法を教えます

漏電は頻繁におこる現象ではないので、あまり気にかけていないかもしれませんが、感電や家事を引き起こす可能性もありとても危険です。ブレーカーの漏電はなぜ起こるのか?原因と対処方法をご紹介します。

配線の劣化や破損

家庭の中では、電化製品とコンセントをつなぐケーブルが目に見えていますが、見えない箇所にも配線が張り巡らされています。

通常、家電のケーブルや配線には電気を通さない「絶縁体」を使用することで漏電を防いでいます。この「絶縁体」が、経年劣化や破損によって剝がれてしまったり傷ができたりすると漏電が起こってしまうのです。

また、ケーブル類は水に濡れることでも劣化を招くので、湿気が多い場所で家電を取り扱う、濡れた手でコンセントやケーブルに触れることは避けて下さい。

配線の故障によるショートや漏電

コードの絶縁体が剥がれ、裸の銅線同士が接触すると大きな電流が流れてしまい、電線の過熱から発火、火事へと繋がることもあります。また、電源プラグにたまったホコリに湿気や水分が付着すると、コンセント中に電流が流れ込み、ショートを引き起こして発火に繋がるケースもあります。これは「トラッキング現象」と呼ばれています。

家電の配置によっては、電源ケーブルが捻じれてしまったり、ケーブルの上に荷物や別の家電が置かれることがあります。この状態はケーブルを破損することに繋がりやすく、絶縁体が剥がれてショートを引き起こす恐れがあります。ケーブルの上には物を置かない、踏まないを徹底しましょう。「トラッキング現象」の予防には、電源プラグにホコリがたまらない様に小まめに掃除をすることが効果的です。

参考記事『ブレーカーが落ちる原因って何?対処法をまとめて解説します!』

ブレーカーの寿命はどのくらい?

事例でご紹介したように、ブレーカーの異音は寿命が原因で起こることがありますが、ブレーカーの寿命は一体どれくらいかをご存じでしょうか。ブレーカーの寿命や、劣化を防ぐポイントを解説します。

10年前後の場合が多い

ブレーカーの寿命は10年ほどとされていますが、日本の製品は質が良いので10年経ったらすぐに故障してしまうというわけではありません。しかし、使用状況や環境によっては10年前後で交換しなければ危険なほどに、劣化している場合もあります。

ブレーカーの劣化、そして故障は漏電や火災に繋がる可能性があるため大変危険です。人命や大きなケガに関わる場合も考えられるので、慎重に対応してください。

安全のためにも、ブレーカーは故障する前に新しいものに交換するのがおすすめです。設置してから10年前後経ったら、使用しているブレーカーに寿命が来ていないかを一度業者に点検してもらいましょう。その時点で寿命がきそうだと判断されたときには、新しいものへの交換を検討してください。

設置場所によっては劣化が早い

ブレーカーは繊細な機械であるため、設置場所によっても劣化の進み具合は大きく変わってきます。直射日光が当たるような場所や高温になりやすい場所、ホコリやゴミが溜まりやすい場所、ブレーカーの周りを遮蔽物が囲っている場所などは劣化が早まってしまいます。そのため、ブレーカーは涼しい場所や清潔な場所に設置するのが適切です。

工夫次第で劣化を防げる

適切な場所に設置する以外に、ブレーカーを頻繁に開閉しないことも大事です。ブレーカーは必要なとき以外は触らないようにしましょう。大抵のブレーカーは大人でも手を伸ばさなくては届かない位置に設置してありますが、少し低い位置にブレーカーが設置されている、あるいはお子さまが台に乗って届いてしまう場合には危険なので気を付けたいものです。

お子さまのみでなく、室内で飼っている犬や猫などのペットが触ってしまわないように十分注意してください。

漏電ブレーカーには、テストボタンという漏電が発生した際の動作確認用のボタンがありますが、このボタンも使用しすぎないようにしてください。必要なときのみに使うボタンです。押し過ぎは劣化につながる可能性があることを知っておきましょう。

ケースバイケースですが、お子様が面白がって何度も押してしまうこともあります。そんな場合は、よく言い聞かせてやめさせて下さい。

また、ホコリやゴミを溜めるのもよくないです。ホコリが気になったときにはハンディモップを使って掃除し、汚れがついた場合には乾いた布で拭きましょう。感電の恐れがあるため、濡れた布巾などは使用しないように注意してください。

こういった小さな工夫次第で、ブレーカーの劣化を防ぐことができます。

異常を感じたら業者を呼ぶ

今回のブレーカー事例のように、異音がするなどの異常を感じたら、業者を呼んで点検してもらいましょう。

特に「ブレーカーがよく落ちるようになった」、「焦げ臭い匂いがする」、「変形やひび割れが確認できる」、「聞いたことがないような嫌な音がする」といった、自分でもわかる異常が確認できた場合には、劣化や故障の可能性も高いので、早めの処置が必要です。漏電や火災を引き起こす前に点検を依頼してください。

ブレーカーは電気工事士の資格がないと修理できません。むやみに触ると大変危険ですので、自分で直してみようとはしないでください。点検費用はおよそ7,000円~なので、それほど高値ではありません。修理代を節約しようとして、ご自身で直そうとするのは危険なのでやめましょう。

インターネットや知り合いの評判から、信頼できる技術者や会社を探し、点検をお願いするのも一つの方法です。「ブレーカーの点検」で検索してみてください。

参考記事『分電盤やブレーカーってどういう仕組みなの?中身の構造とその役割を図で解説!』

ブレーカーの修理や交換のご相談はDENKI110まで!

今回は、電力会社との契約アンペア数の変更に伴い、松下電工株式会社(現パナソニック)の漏電ブレーカー「BJ320325K1」を、河村電器産業株式会社の漏電ブレーカー「ZLGS63-50TL-30」に交換した事例をご紹介しました。併せて、河村電器のブレーカー事例や一般的なブレーカーの寿命などについても解説しております。

ブレーカーの取替えは、契約アンペア数を変更する時だけでなく、何らかのトラブルや故障が起きた時にも行うことがあります。お客様からのご相談内容にもありましたが、「ブレーカーが頻繁に落ちる」「停電した」「異音がする」という時は、漏電やブレーカー、家電製品の故障が原因のこともあるのです。

漏電ブレーカーは、普段の生活であまり気にすることもなく、変化や劣化に気付きにくいものです。故障になって初めて気づくケースも多く見受けられます。

不具合を放置しておくと、火災事故に繋がる恐れがあるため、気になる時は専門業者に点検を依頼してください。

分電盤やブレーカーの寿命は10~15年程度といわれています。古い分電盤やブレーカーは交換して安全に使用しましょう。

ブレーカーの修理や交換はDENKI110までお気軽にお申し付けください。

参考サイト: DENKI110(電気工事)

※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。


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