エアコンの“心臓部”コンプレッサーの仕組みトラブルと対処法

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エアコン

私たち人間が自分の命を大事にしているように、それぞれの機械にもその機能を動かすために必要な命、「心臓部」なるものが存在します。エアコンに使われている「コンプレッサー」という機械もその一つです。

人間にたとえれば、エアコンと室外機は「身体」であり、コンプレッサーはエアコンの「心臓」になります。このコンプレッサーというものがないと、エアコンのほぼすべての活動が停止してしまいます。まさに人間の心臓と同じですね。

本項ではそんなコンプレッサーがエアコンにとってどんな役割を果たしているのか、コンプレッサーがエアコンの構造に及ぼす仕組み。そしてコンプレッサーが故障することでどんな症状が起こるのか、その対応方法をまとめていきたいと思います。

エアコンのコンプレッサーって何?その役割

上記の通りエアコンにはコンプレッサーという部品がはいっています。コンプレッサーはエアコンの冷媒を圧縮してその空気の温度を変化させる機械です。コンプレッサーはエアコンの室外機に搭載されており、エアコンにおいて重要な役割を持っています。

エアコンのイメージ

コンプレッサーは一般的に「圧縮機」と呼ばれるものであり、冷媒ガを圧縮し、気体の温度を変化させてその温度をエアコンに利用する機械です。コンプレッサーによって圧縮された冷媒は高温、高圧の「熱」が含まれるようになり、冷房の場合は室外機、暖房の場合はエアコンへそれぞれ放出されます。

コンプレッサーがエアコンにおいて冷媒を圧縮する方法には二つのタイプが存在し、一つが、渦巻き状のパーツを組み合わせて、冷媒を巻くように圧縮させる「スクロール式」。もう一つが円形の部品を回転させることによって冷媒を圧縮させる「ロータリー式」というものがあります。

コンプレッサーと混同されがちな部品にヒートポンプがありますが、こちらはコンプレッサーによって生み出された熱や冷気を移動させるはたらきをする装置です。

また、コンプレッサーの動作は専用の制御基板によっておこなわれており、この基板もコンプレッサーを動かすために必要なものです。制御基板は人間の身体で「脳」に例えられる部品で、コンプレッサーやファンモーターに動作の命令を与える役割を持ちます。

冷房時・暖房時のエアコンのコンプレッサーの仕組み

コンプレッサーはヒートポンプの循環の中で冷媒を圧縮しています。この時冷媒は気体となりますが、気体は圧力が高くなるとそれに伴って温度も高くなる性質があります。そのため圧縮後の冷媒は高温・高圧の状態となり、この熱が暖房運転でエアコンから放出される温風となります。

また逆に、熱を失った後の冷媒は「毛細管」「膨張弁」「蒸発器」などの装置によって圧力を解かれ、再び気体へと変わります。冷媒が液体から気体へ変わるときに冷媒は、外気の空気の熱を奪います。この冷気がエアコンの冷房運転における冷風を放出しているのです。

ヒートポンプがエアコンの“心臓部”とたとえる場合、コンプレッサーはそんなヒートポンプを含めたエアコン全体の“心臓部”といえます。

エアコンのイメージ

冷房時、「熱」を室外に放出するために外気温40℃よりも冷媒を高温にする必要があります。上の図では室内のから30℃の空気を取り込み、そこから冷媒が吸収した温度が10℃の場合、室外に「熱」を放出するためにコンプレッサーが冷媒を圧縮して80℃まで高めています。

エアコンのイメージ

冷房とは反対に暖房時は、「熱」を高温から低温へ移動するため「熱」を室内に放出するには、室内の温度よりも冷媒を高温にする必要があります。図では、室外の空気から冷媒が吸収した温度が10℃の場合、室内に「熱」を放出するためにコンプレッサーが冷媒を圧縮して80℃まで高めています。

簡単に言えば、暖房時は室内に温風を送るために外の冷気の圧縮をおこない高温にし、冷房時は室内の熱を圧縮して室外機へ放出しやすくするために高温にしており、この圧縮のためにコンプレッサーが必要なのです。

エアコンの機能の一つとして“圧縮”というのが、エアコンの温風や冷風を作り出す流れの中でどれほど重要な事なのかが分かったと思います。では、次はそのコンプレッサーが故障してしまうと、どのような症状が起こってしまうのか。 原因と自身でも対処できる方法を紹介していきます。

エアコンのコンプレッサーが故障すると…

冷房・暖房が効かない

コンプレッサーは上記で言ったように冷媒ガスを圧縮し、エアコンと室外機を回る「熱」をコントロールするための機械です。これが故障などで動かなくなると、エアコン、室外機へ放出するための「熱」を運ぶ冷媒ガスを圧縮することができなくなる、または、圧縮不良により十分な高圧・高温の熱をエアコン、室外機から放出することができなくなります。

結果、エアコンを起動しても外気の気温がそのまま室内に流れるような形になり、送風は行われるものの、室内は冷えない・暖まらない状態となります。

エアコンのイメージ
エアコンのイメージ

冷房・暖房の双方とも、コンプレッサーの圧縮する機能を失った状態でエアコンを起動すると、図のように空気から冷媒ガスが「熱」を吸収しても、冷媒ガスを圧縮し高温にする手段がないため、室内や室外とほとんど変わらない温度の風が送風されることになります。

上記の症状が多いですが、他にも以下二点のような症状も起こる可能性があります。

室外機から変な音がする

コンプレッサーが故障する。または故障の前兆が近づきだすと、そのコンプレッサーを搭載した室外機から異音が聞こえる時があります。霜取り運転とは違った「ブ―ン」という音や、かん高い金属音のような「キィーン」という音を発生させる場合が多いです。

この場合、長い時間圧縮を続けたコンプレッサーの部品の消耗によって起こっている可能性が高い(劣化)ので、なるべく早めの交換または修理をおすすめいたします。 異音を放置し、コンプレッサーの修理を済ませないと、さらに致命的な故障につながってしまうので注意してください。

漏電ブレーカー(漏電を探知すると落ちるブレーカー)が落ちる

当然のことではありますが、漏電ブレーカーのスイッチが落ちる原因は漏電です。ブレーカーが落ちているあいだは漏電は止まっている状態であり、危険を感知しているためブレーカーが落ちているのです。

この段階では、まだ「エアコンのコンプレッサーの故障が原因でブレーカーが落ちた」と考えるのが難しいですが、以下の手順を踏むことで、エアコンのコンプレッサーが原因ということがわかります。

まず、“小さいブレーカーをすべて落とします”。次に“漏電ブレーカーを上げます”その後、“小さいブレーカーを一つずつ上げていってください”、この手順でエアコンのブレーカーを上げた際に漏電ブレーカーが落ちれば、漏電しているのがエアコンの回路。「コンプレッサーの故障」の可能性が非常に高いことになります。

自身にできる対処は上記の確認をしたうえでエアコンのコンセントを抜いて、漏電ブレーカーが落ちるのを防ぐことです。 この場合も専門の業者に依頼し、交換・修理を行うのが最善の方法になります。

エアコンのコンプレッサーの寿命はどれくらい?

冒頭で言ったように、コンプレッサーはエアコンの「心臓部」です。コンプレッサーの寿命は、エアコンの寿命と思っていただけて差し支えありません。

エアコンの寿命は13~15年ほどと考えられており、コンプレッサーという部品もまた、耐久性の高い部品で構成されているので8~12年ほどと、短い期間で壊れるような品ではないのでご安心ください。

ただし、どれだけ耐久性の高い部品も雑な取り扱いをすれば、それだけ多くの負担をかけてしまい平均の寿命よりも下回ってしまいます。

コンプレッサーをなるべく長持ちさせるためには、“エアコンの定期的なお手入れ”と“室外機の風通しを良くする配慮”が大切です。一見コンプレッサーと関係ないことと思われますが、エアコンのホコリによる送風の悪化や、室外機の周辺の置物により正常な空気の放出や吸収ができなくなるという二つの原因が、結果的にコンプレッサーの寿命を短くしているのです。

エアコンそのものと、コンプレッサーを長持ちさせるためにも是非定期的に見てみましょう。

業者に室外機の状態を点検してもらうのもまた選択肢の一つです。特にコンプレッサー自体にもエアコンや室外機から熱を吸収した際に、その熱に含まれたホコリなどを吸い込んでしまいコンプレッサー内にたまってしまう可能性もあります。

こちらはゴミがコンプレッサー内に入らないようにエアコンと同じくフィルターが備わっていますが、エアコン同様、フィルターではとらえられないより小さなゴミはコンプレッサー内にたまっていってしまうので、コンプレッサーの寿命を短くしてしまっている原因にもなります。

エアコンのフィルターと違って自身では洗ったり取り除いたりするのが難しいので、専門の業者に確認してもらいましょう。

エアコンのコンプレッサーの修理・交換は業者に依頼した方が良い

エアコンのコンプレッサーが動かないというときは修理が必要となります。修理は業者に頼むと部品代、施工費などをふくめてかなりの高額になってしまいます。(業者によって差異あり)

費用を抑えるためにもできるだけ自分で修理をしたいと思う方もいるでしょうが、コンプレッサーの修理はご自身では非常に困難な作業です。室外機には部品が多く、コンプレッサーの交換をして元の状態に戻すのはむずかしいかもしれません。

コンプレッサーはホームセンターやインターネットで販売されていますが、エアコンにはたくさんのタイプや規格があり、適したものを選ぶだけでもよく分からないということがあります。 業者に依頼するのは費用がかかってしまいますが、部品の修理や交換について豊富な知識のある人に任せるのが非常に安心です。

またコンプレッサーは耐用年数が長く、故障が起こってしまったというときは買い替えの時期というサインの可能性もあります。エアコンの状態もみて、修理の必要性を考えて下さい。