【エアコン冷媒ガスの種類】家庭用エアコンの使用冷媒ガスの種類を調べる方法やフロンガスの成分について解説

作業費6,000円~対応中!
エアコンの故障と修理方法

エアコンには、ルームエアコンや業務用エアコンなどがありますが、そのすべてに「冷媒ガス」というものが入っています。
冷媒ガスは、エアコンが冷房、暖房機能を発揮するうえで欠かすことできない、とても重要なものです。

今回は、そんな冷媒ガスがエアコンの中で一体どのような役割を果たしているのか、そして、冷媒ガスにはどんな種類があるのかについて、ご紹介していきます。

エアコンの冷暖房機能と冷媒ガスの関係

エアコンが冷風を作り出す仕組みの図

そもそも、冷媒ガスがエアコン内でどのような役割を担っているか、ご存じでしょうか。

冷媒ガスは、家庭用、業務用問わず全てのエアコンに入っています。
エアコンが冷房機能などで冷たい風を送風するには、部屋から取り込んだ温かい空気を冷たくする必要があります。
その際冷媒ガスは、室外機内にある減圧器で減圧され、低温の液体となり配管内を循環している冷媒ガスが、室内機内部にある熱交換器を冷やすと同時に、取り込まれた空気から熱を吸収します。
ここで、冷たくなった空気が室内機のファンで送風され、冷風としてエアコン使用者のもとへ届けられます。

熱を吸収した冷媒ガスは、次に室外機の圧縮器へと運ばれて、圧力をかけられることにより高温の気体となります。
その後は、室外機内にある熱交換器にて冷却され液化し、減圧器にて元の低温の液体に戻ります。

こうしたサイクルを、冷房運転中エアコンは延々と繰り返して、冷媒ガスはエアコンの設備内を循環しています。
エアコンが冷風を作り出すために、冷媒ガスがいかに重要なものかがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、暖房機能使用時には、この一連のサイクルを真逆にして暖かい空気を作り出しています。

それでは、続いて冷媒ガスの種類やその特徴について、解説していきます。

冷媒ガスの種類とその特徴

漫画

それでは、冷媒ガスとして使用されているものにはどんな種類があるのでしょうか。

冷媒ガスは、主に以下の3種類に分類されます。

  • CFC(クロロフルオロカーボン)
  • HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)
  • HFC(ハイドロフルオロカーボン)

またこの種類内でも、ガスを構成する組成の違いで、冷媒番号というものが割り振られており、さらに細かく種類分けされています。

冷媒ガスに用いられる物質は、一般的に「フロン」という名前で知られています。
このフロンとは、主に炭素や水素、また、塩素やフッ素といったハロゲン(第17族元素)を多く含む化合物の総称です。

ここからは、各種類の詳細や特徴を解説していきます。

1. CFC(クロロフルオロカーボン)について

CFC 簡易説明画像

このCFC(クロロフルオロカーボン)には、冷媒番号R-11、R-12、R-502などのガスが分類されています。

このうち、R-11(トリクロロフルオロメタン)は、かつては冷凍機やエアコンなどの冷媒として幅広く使用されていました。
しかし、このCFCに分類される化合物は、地球温暖化係数(温室効果ガスの温暖化への影響の度合いを、二酸化炭素を1とした場合の相対値。以下GWP)がとても高いということや、オゾン層破壊効果も高いという点から、現在ではさまざまな国で製造禁止とされています。
日本でも、オゾン層保護法により、規制対象である「特定フロン」とされ、1995年には製造が終了になっています。

現在、もちろんエアコンの冷媒としては使用されていないので、このCFCに関しては冷媒ガスの歴史を知るうえでの予備知識として、ご確認ください。

2. HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)について

HCFC 簡易説明画像

このHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)には、冷媒番号R-22、R-123などのガスが分類されています。

これらのHCFC類は、上記のCFC類が規制されることにより、それに取って代わる物質、「代替フロン」として産業生産、利用されました。
HCFCが代替フロンとして利用された理由として、オゾン層破壊係数(ODP)の低いことにあります。

オゾン層破壊係数(ODP)とは、CFC類のR-11がオゾン層に与える破壊の影響を1とした場合の相対値です。
このODPが、HCFC類であるR-22(クロロジフルオロメタン)の場合0.055となっています。そのため、CFC類が製造禁止になってからは、ほとんどの冷凍機やエアコン用冷媒としてR-22が使用されました。

しかし現在では、ODPは0であることが当たり前のことになってきているので、0.055という数値でもその環境負荷は大きいとされています。
また、R-22のGWPに関しては1810であり、CFCに比べて低いものの、その数値は大きいと言えるでしょう。

エアコン用冷媒ガス R-22 画像

こうした理由から、HCFC類のフロンに関しても、1996年からの生産規制に加えて、2020年にはついに生産終了になります。

現在生産されているエアコンの冷媒として、R-22などが使用されることはありません。
しかし、15年以上前のエアコン、冷蔵庫などを使用している場合は、冷媒ガスとしてR-22が使用されている可能性があります。
R-22が使用されているからといって、生産終了に伴い特に罰則や使用規制があるわけではありません。

ですが、R-22使用の機器の場合、現行の機器に比べて2倍近くの電力が必要になりますので、余計な電気代がかかっているかもしれません。
また、この先に機器に故障や冷媒ガスの漏れなどが起こった場合、R-22冷媒の入手が困難になっていますので、通常よりも修理費用が高額になってしまったり、修理期間が長引いたりすることが考えられます。

もしも、保有しているエアコンなどにR-22が使用されている場合は、この機会に機器の買い替えや、冷媒ガスの入れ替えを検討することをオススメします。

3. HFC(ハイドロフルオロカーボン)について

HFC 簡易説明画像

このHFC(ハイドロフルオロカーボン)には、冷媒番号R-32、R-410A、R-407C、R-134a、R-152a、R-454bなどのガスが分類されており、現在ではほとんどのエアコンや冷凍機などにR-32、R-410aが使用されています。

このHFCが現在幅広く使用されるわけや、上記の2つと違う点として、それぞれの構成分子に塩素を含まないことがあります。
そのため、塩素が原因のオゾン層破壊への影響がありませんので、ODPは全て0となっています。

ここまでの内容だけだと、HFC類は次世代のフロンに思えますが、もちろん良い点だけではありません。
HFCを代表し、現在最もシェアを誇っているR-32(ジフルオロメタン)は、上記のCFC類やHCFC類の冷媒ガスに比べてGWPの値も675程度であるなど、次世代の新冷媒として注目されています。
しかし、それでもGWPの基準となっている二酸化炭素の675倍であるため、未だに環境に対する懸念が払拭できていません。
また、R-32には微燃性があります。上記のフロン類のほとんどが不燃性であることを考慮すると、R-32はこうした点にも気を付けなければならないため、取り扱いが少々面倒と言えるでしょう。

エアコン用冷媒ガス R-32 画像

それでもHFC類のフロンが、現在のトップシェアであり、環境負荷が最も小さいことは間違いありません。
将来的にはこのHFC類の冷媒ガスも、環境保護やその他のリスクの観点から、製造や使用を禁止されるかもしれません。そのために、GWPやODPといった環境にまつわるものから、不燃性であり毒性もないなど全ての問題をクリアできるようなフロン、またそれを利用した冷媒の開発が急務となっています。

その他の冷媒ガス

前述の通り、エアコン用冷媒ガス業界でのR-32の普及率は、とても高いと言えます。

しかし、全てのエアコンにR-32が使用されているわけではありません。
同じエアコンでも、パッケージエアコン(業務用エアコン)などには、また別の冷媒ガスが使用されている場合もあります。

R-32以外に、HFCにはどんな冷媒ガスがあるのか、いくつかご紹介していきます。

R-410A

R-410Aガスの充填作業画像

現在では、R-32の台頭で年々減少傾向にあるそうですが、このR-410Aも次世代の代替フロンとして注目されていました。

R-32と違い、不燃性で、省コストで高出力なエアコンを実現可能にできるなど、R-32より多くの利点があると思われていました。
しかし、R-32と違う点として、R-410Aは複数の冷媒が混ざりあった混合冷媒だということがあります。
この混合冷媒の難点として、冷媒漏れなどが起こった場合、混合率が変わってしまうので、再充填の際には一度残った冷媒を全て抜き取らなければならないということが挙げられます。

その点R-32の場合は、単一の成分からなる冷媒なので、そのようなトラブルが起きても追加補充で済むという利点があります。
また、R-410Aの致命的なデメリットとして、GWPが2090もあることです。これはHCFC類のR-22よりも高い数値であり、R-32がこの1/3以下の数値なのを考えると、R-410からR-32へ移行せざるを得ないでしょう。

R-32と同じHFC類であるはずのR-410AのGWPが、なぜこれほど高いかというと、混合している成分に原因があります。
R-410Aは、実はR-32とR-125という冷媒が混ざって構成されています。構成している半分のR-32のGWPはそこまで高くはないですが、もう半分のR-125のGWPは、3700とかなり高いものになっています。

こうした理由から、GWPが高くなってしまっています。
R-410Aを今現在使用している分には何の問題もありませんが、将来的にはこのR-410Aも、環境保護などの観点から、製造や使用が禁止になるかもしれません。

R-407C

このR-407Cは、普及率の低さからあまり見かけることはありませんが、その機能としては、R-22と非常に似ているため、幅広い用途で使用できる冷媒ガスです。

主な用途としては、エアコン全般、そして冷氷を生成するチラー(冷却水循環装置)などが挙げられます。

そしてR-407Cも混合冷媒であり、R-32、R-125、R-134aなどの冷媒が混ざって構成されています。
そのため、上記のR-410Aよりは低いものの、GWPは1770と決して数値自体が低いとは言えません。

R-407Cも、将来的には使用などが規制されるかもしれません。

エアコンの使用冷媒確認方法

室内機に記載された使用冷媒ガスの画像

ここまで、エアコンやその他の機器の冷媒ガスにはどんな種類があるのか、どんな特徴があるのかご紹介してきました。

最後に、自宅などのエアコンに、どの種類の冷媒ガスが使用されているのか、確認する方法についてご紹介します。

家庭用エアコンの場合、使用冷媒ガスなどについては、大体のものが室外機の側面や、室内機の底部などに貼ってある銘板シールに記載されているはずです。
ほとんどの場合、上記の画像のように記載されているものですが、稀に使用冷媒に関して記載がないことがあるかもしれません。
そういった際は、エアコンのメーカーに問い合わせるか、仕様書などを確認するようにしましょう。

自分が普段使っているエアコンに、どの種類の冷媒ガスが使われているのか確認しておくことで、もしもの時にきっと役立つはずです。
また確認した際に、使用冷媒がR-22だった場合などは、前述の通り冷媒ガスの入れ替えや、エアコン自体の買い替えを検討しましょう。