アンペアブレーカーの契約種類を徹底解説!主開閉器契約との違いも解説
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現在、ご自宅のブレーカーはどのような契約で、何アンペアお使いかご存知でしょうか?日常生活で常に使っている電気は当たり前すぎて、気にしていないという方も多いかもしれません。
アンペアブレーカーの契約種類や適切なプランの選び方を知っておくことで、今よりも電気代が安くなる可能性もあります。本記事では、電気の契約アンペアについて、種類や確認方法、選び方などを詳しく解説します。
法人向けの「契約主開閉器」や「負荷設備契約」、そのほかの契約方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブレーカーの種類とアンペアについて
アンペアブレーカーの契約について紹介する前に、まずはブレーカー自体の理解を深めておきましょう。ブレーカーには、「アンペアブレーカー」のほかに「漏電ブレーカー」と「安全ブレーカー」があります。
これらのブレーカーには、それぞれ次のような役割があります。
- アンペアブレーカー:電力会社との契約している電力量を超えたときに遮断される装置
- 漏電ブレーカー:回路のどこかで漏電が生じているときに遮断される装置
- 安全ブレーカー:過剰電流を防ぐためやショートが起こったときに遮断される装置
今回紹介するアンペアブレーカーは、サービスブレーカーとも呼ばれており、電気が流れる量の単位である「アンペア(A)」に関係するブレーカーです。そもそもアンペアとは1秒間に流れる電子の量のことで、数値が大きいほど電気の流れが大きくなります。
そのため、アンペアブレーカーに記載されている数値が大きいほど、多くの電気が使えるということになります。なお、この3つのブレーカーが入っている箱を『分電盤』と呼びます。
アンペアブレーカー契約とは
アンペアブレーカーの契約とは、電力会社と世帯でどのくらいの電力を使うかアンペア数を決めて契約することです。アンペアブレーカーの契約では、電流が契約アンペア数を超えてしまった時に電気の供給を自動で止めるアンペアブレーカーを設けます。
契約アンペアの確認方法(東京電力版)
現在、自宅の電気は何アンペアの契約になっているかご存知でしょうか?契約アンペアは毎月の検針票や請求書、もしくは電力会社のホームページ内から確認できます。
検針票は「電気ご使用量のお知らせ」と書かれた紙で、電気使用量の記載欄の横か下に「◯A」と記載されているはずです。また、分電盤の中のアンペアブレーカーには契約アンペア数が記載されていることが多く、アンペア数によって色が変えられているため、そちらから確認することも可能です。
以下に一例として、東京電力の契約アンペア値とブレーカーの色、基本料金をまとめました。
アンペア値 | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
ブレーカー色 | 赤 | 桃 | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
基本料金/ 1契約(従量電灯B) | 295円 24銭 | 442円 86銭 | 590円 48銭 | 885円 72銭 | 1,180円 96銭 | 1,476円 20銭 | 1,771円 44銭 |
東京電力の電気プランは、「従量電灯A」もしくは「従量電灯B」が一般的な電気料金のプランとして用意されています。
あまり電気を多く使うご家庭でなければ「従量電灯A」を選ぶのが一般的で、電気の使用量が多いご家庭の場合は「従量電灯B」を選ぶことが多いようです。
検針票がなかったり、ホームページの「マイページ」などから確認できない場合は、アンペアブレーカーで契約アンペアを確認してみてください。
ただし、スマートメーターへの変更などがあれば、アンペアブレーカーに記載されているアンペア数と実際の契約プランが異なる場合があります。不明点があれば、電力会社に直接問い合わせてみるのが確実です。
最適な契約アンペアの選び方
契約アンペアは、数値が大きいほどたくさんの電気が使えることを表していますが、かといって「契約アンペア数が大きい方が良い」というわけではありません。
家庭によって使用する電力量は異なりますし、住んでいる人数や家電の数、ライフスタイルなど複数の要因によって選ぶべき契約アンペア数が変わるからです。
契約アンペアが実際の電気の使用量よりも少ない場合はブレーカーが落ちやすくなりますし、逆に使用量よりも多すぎる契約アンペアの場合は電気代が無駄に高くなってしまいます。
このように、適切に契約アンペアを選ぶことは、無駄なく快適に電気を使うためにも大切なことなのです。
そこで契約アンペアを考えるときに把握しておきたいのが、自宅にある家電製品と同時に使うタイミングです。
以下に、一般家庭で使われる家電とアンペア数の目安を挙げてみます。
- 電子レンジ:14A
- アイロン:14A
- 炊飯器:13A
- ドライヤー:12A
- 掃除機:10A
- エアコン:6.6A
- こたつ:5A
- 冷蔵庫:2.5A
- テレビ:2.1A
- 洗濯機:2A
- 照明:1A
(メーカーや商品、強度によってアンペア数は変わるので、全ての家電が上記に当てはまるとは限りません。)
上記の電化製品を使用するとき、どれを同時に使うかによって必要なアンペア数が変わります。
たとえば、電子レンジ(14A)・エアコン(6.6A)・冷蔵庫(2.5A)・テレビ(2.1A)・照明(1A)を同時に使うとなれば、合計で23.7Aとなります。
計算式:14A+6.6A+2.5A+2.1A+1A=23.7A
また、もっとも「電化製品を同時に扱うピーク時とそうでない時間帯」や、「季節」などによっても必要なアンペア数は異なるので、最大時にあわせて選ぶ必要があります。
一例ではありますが、以下に世帯人数別のアンペア数の目安を表にまとめました。
世帯人数 | アンペア数 |
1〜2人 | 20〜30A |
3人 | 40A |
4人 | 50A |
5人〜 | 60A |
オール電化など | 60A〜 |
契約アンペアを超えると自動でブレーカーが落ちて電気が止まるので、頻繁にブレーカーが落ちる場合は見直しが必要です。少し余裕をもったアンペア数を選びましょう。
契約アンペアを大きくするメリット・デメリット
契約アンペアを大きくすることには、メリットとデメリットの両方があるため、変更する前にしっかり検討しておきましょう。
メリット
契約アンペアを大きくする最大のメリットは、同時に電気をたくさん使えるようになることです。契約アンペア数が少なければ、消費電力が大きい家電を同時に使うとブレーカーが落ちてしまいます。
しかし、契約アンペアを大きくすることによって家全体で使用できる電力量が増えるので、これまでよりも余裕を持って電化製品が使えるようになります。
ここで注意したいのは契約アンペアを大きくしても、各回路に振り分けられている電力量を超えた場合はブレーカーが落ちるということです。
1つの部屋やコンセントに消費電力の多い電化製品を挿し、同時に使用するとブレーカーは落ちてしまいます。そのため、契約アンペアを変更する前に、電化製品の配置を変えてみるなどの工夫も必要です。
デメリット
契約アンペアを大きくするデメリットとなるのが、電気代が高くなることです。基本的に契約アンペアは小さいほど基本料金が安く設定されているため、大きくすると必然的に毎月の電気代が上がります。
「頻繁にブレーカーが落ちて困っている」という場合であれば、契約アンペアを大きくするべきですが、必要以上の契約アンペアは無駄になってしまうので、本当に大きくするべきかどうかをしっかり考えておくことが大切です。
主開閉器契約とは?
電力会社との契約容量には「契約主開閉器」と「負荷設備契約」の2種類あり、それぞれ契約者の状況に応じて算定方法を決めることができます。
この2つは施設などで活用される『低圧電力』に区分されるもので、経済産業省の定めでは交流600V以下・直流750V以下と定義されています。(参考:電気設備に関する技術基準を定める省令の解説)
それぞれの電力会社では、プランに「従量電灯」と「低圧電力」が設けられており、低圧電力はおもに法人向けのプランとなります。
「契約主開閉器」とは、メインブレーカーの容量によって算定される契約容量の決め方で、電気の使用規模が50kw未満などの負荷施設の同時使用が少ない場合に適用されます。
一般的な家庭に使われている契約容量のように、契約アンペアが「50A」であれば、同時に50Aまでの電気を使うことができるので、イメージしやすい算定方法かと思います。
契約主開閉器と負荷設備契約の違い
一方、「負荷設備契約」は使用する電気の量から容量を計算する方法です。施設内のすべての電気設備が常に使われていることを想定して契約容量を決めるため、「常時稼働している」という施設に向いています。
それぞれのメリット・デメリット
契約主開閉器のメリットは、使う電気の容量に応じて契約容量が決められることです。あらかじめどのくらいの電気が必要なのかを把握しておくことで、無駄なく電気代を支払うことができます。
ただし、想定より契約容量が少なければブレーカーが落ちてしまうため、機器の稼働が止まってしまう可能性もあり、容量を選ぶ際には注意が必要です。
負荷設備契約は常に機器が稼働している施設であれば無駄なく電気を使えますが、稼働していない機器が多い場合や、停止時間が長い場合などは基本料金だけが割高になるというデメリットがあります。
実量制(スマート契約)とは?
実量制は、実際に使った数値にあわせて電気代を見直せる仕組みの契約方法です。これまで法人向けで使われてきた電気料金の算定方法ですが、スマートメーターを活用することにより、一般家庭の電気料金にも導入されることになりました。
たとえば、東京電力ではスマートメーターで計測した過去1年間のうち、電気を最大量使った30分間(ピーク電力)を自動計算して、その電力量にあわせた基本料金を設定する仕組みを採用しています。
そのため、「電力量の上限」という概念がなくなり、必要な分だけ電気を使うことができるようになります。言い換えると、アンペア数を限定して契約しているわけではないので、30Aでも40Aでも使うことができるのです。
実量制(スマート契約)のメリット・デメリット
従来の契約方法では、決められた容量の電気しか使うことができませんでした。しかし、実量制が導入されたことにより、同時に使える電化製品が増えるというメリットがあります。
レンジの使用中にエアコンをつけたり、電気ケトルをつけたりと、消費電力の大きな電化製品を使っても、ブレーカーが落ちてしまうことがなくなります。
自由に電気が使えるようになることで、「思ったよりも電気代が高くなってしまった」という状況に陥る可能性も…。
家にいる時間が短い方や電化製品をあまり使わない方、契約アンペアに余力がありすぎる方は、実量制に変更すると節約につながりやすくなります。
逆に、電化製品が多い方やブレーカーを頻繁に落としてしまう方は、実量制にすると電気代が高くなってしまうかもしれません。
どちらにしても、まずはご自身の電気の使い方や現在の契約アンペアをもとに、どのくらい有効活用できているのかを確認してみましょう。
SB契約とは?
SB契約は、従来のアンペアブレーカー(サービスブレーカー)の容量に応じた契約方法のことを指します。一般的には60Aが最大値で、以降は「主開閉器契約」が採用されます。
また、近年ではデジタルで計測するスマートメーターが増えており、分電盤にアンペアブレーカーが付いていないケースも多くなっています。そのため、東京電力では契約アンペアの設定を「計器SB設定」と呼び、昔ながらの分電盤との呼び方を変えているようです。
SB契約も計器SB設定も、広く普及している契約アンペアを超えるとブレーカーが落ちる契約方法と考えて間違いありません。
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各電力会社にはさまざまな料金プランが用意されており、専門的な部分も多いため、契約に関する内容が理解できないこともあると思います。
ただ、自宅に設置されているブレーカーの契約アンペア数を知っておくことは、無駄な電気の節約につながる可能性もあるので、一度チェックしておくのがおすすめです。
また、頻繁にブレーカーが落ちる場合や、ブレーカーが落ちる原因が特定できない場合は、専門業者に調査を依頼しましょう。
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