
アース付きコンセントはなぜ必要?特徴や役割や工事の流れも教えます


コンセントには、通常のコンセントと「アース付きコンセント」の2種類があります。
アース付きコンセントの名前は聞いたことあるけれど、どんなコンセントか分からないという人は多いのではないでしょうか。簡単に言えば、アース線を接続する端子が付いたコンセントのことです。
アース付きコンセントは、安全に家電製品を使用するのに欠かせないものです。電子レンジや洗濯機、エアコンなどさまざまな機器で用いられています。とはいえ、アース線を必要とする機器は限られているため、家の中のすべてのコンセントがアース付きコンセントというわけではありません。
アース線を繋ぐ必要のある機器を使用する場合、アース付きコンセントを新たに設置しなければならないケースがあるでしょう。
この記事では、アース付きコンセントとはなにか、その必要性や特徴、役割、工事の流れを解説します。
アース付きコンセントの特徴や役割について

アース付きコンセントとは、電源プラグの差込口の下にアース線を繋ぐ端子があるコンセントのことです。別名「接地極付コンセント」「アースターミナル付コンセント」とも呼ばれます。
通常のコンセントは、電源プラグ用に二つのピン(穴)がありますが、アース付きコンセントは二つのピンの下に半円のような穴が開いています。この穴は接地極もしくはアースターミナルと呼ばれることから、上記のような別名が付いています。
アース付きコンセントの主な役割は感電事故の防止です。
家電製品には電気が流れているため、万が一故障した際に漏電する可能性があります。電気は地面に向かって流れる性質を持つため、アース線が繋いであることにより、漏電した時の電気は地面に流れます。
アース付きコンセントのメーカーや販売店

アース付きコンセントのメーカーはパナソニック(Panasonic)や東芝が主流です。サンワサプライでは電源タップタイプのアース付きコンセントの取り扱いがあります。
アース付きコンセントは、家電量販店やホームセンター、ネットショッピングで購入することができます。通常は「アースターミナル付コンセント」という名称で販売されていますが、電源プラグの差込口とアースターミナルが2ペアずつ付いた「アースターミナル付ダブルコンセント」などの商品もあります。
アース付きコンセントの取り付け方

元からあるアース線をコンセントのアース端子に接続する作業はご自分でも可能です。アース付きコンセントの取り付け方は次の手順になります。
<1>家電製品の電源プラグを抜く
<2>レバーを押し上げてアースターミナルにアース線を差し込む
<3>レバーを元に戻す
一つのアース端子に複数のアース線もOK
1つのアース端子に複数のアース線を取り付けることは可能です。ただし、1つのアース端子に1つのアース線を基本とし、2本以上の取り付けは避けた方が無難です。
アース付きコンセントがあることで発生するメリットとは?

ここでは、アース付きコンセントを使用することで得られるメリットをご紹介します。
漏電時の感電事故の防止
家電製品の電気は本来、電源コードの中を通っています。しかし、コードの断線などで漏電すると、電気が外部に漏れ出てしまい、接触した人に電気が流れる(感電する)など重大な事故に繋がる恐れがあります。アースは人よりも電流を多く流す性質があるため、アース付きコンセントであれば、漏電時に人体への影響が少なく済みます。
静電気や電磁波の影響を軽減する
パソコンやテレビなど家電製品に長時間触れていると、電気が体に溜まりやすくなり、静電気や電磁波の影響を受けやすくなります。
静電気や電磁波は頭痛や肩こり、免疫力低下など体調不良の原因になると考えられています。アース付きコンセントを利用することで、静電気や電磁波による影響を軽減する効果が期待できます。
ノイズ対策になる
アースを接続した場所は地面と同じ電位(0V)になります。電位が均一になることで、電子機器のノイズを軽減することができます。ノイズ対策としてアース付きコンセントを使う場合、太くて短いアース線を選ぶとよいでしょう。
避雷の働きをする
雷による被害は、雷が直撃する直撃雷と電源線やケーブルを通じて機器にダメージを与える誘導雷サージの2つがあります。パソコンや電子レンジなどの家電製品においては、誘導雷サージによる被害が圧倒的に多くを占めます。
アース付きコンセントがあれば、機器に侵入する電流を大地に流すことができるため、避雷の働きをしてくれます。逆流雷サージを防ぐためには、雷サージを併用するとより安全です。
電化製品の損傷を軽減する
電化製品から発生する電磁波やノイズは、人の電磁波過敏症を誘発したり、機器本体の故障に繋がったりすることがあります。
アース付きコンセントは、そういった電磁波やノイズを大地に逃がすことができるため、電磁波過敏症を防ぐ効果や電化製品の損傷を軽減する効果が期待できます。
アースの取り付けが必要な電化製品とは?

アース付きコンセントは、万が一漏電や家電製品の故障が起きた際に感電を防止するのに必要です。
ご家庭内で次の家電製品を使用する場合は、アース付きコンセントを設置しましょう。
- 洗濯機、衣類乾燥機
- 電子レンジ、IHクッキングヒーター
- 冷蔵庫
- 食器洗い乾燥機
- エアコン
- 温水洗浄便座
- 電気温水器
- パソコン
- 自動販売機
反対に、アース線を取り付けてはいけない場所があります。以下の場所にアース付きコンセントを使用すると、火災や爆発、漏電の原因となり大変危険ですので、絶対に避けましょう。
- ガス管
- 水道管
- 避雷針
- 電話のアース線
参考記事:アース付きコンセントの交換や増設工事に対応!本体の構造や故障トラブル時の原因と解決方法を紹介!
アース線の取り付けは義務化されているか
安全を守るため、アース線の取り付けは「内線規程」で義務付けられています。特に、飲食店の厨房や生鮮食品店の作業場所など、湿気の多い場所や水気のある場所ではアース線の必要性が高いとされています。
内線規程とは、法律ではありませんが、安全に電気配線工事を行うための民間規格です。電気工作物の設計や施工、維持、兼さの技術基準について「義務」「勧告」「推奨」「紹介」「規制緩和」の5つが定められています。違反すると、工事の手直しが要求されることとなります。
2022年12月に内線規程が改正され、一部の場所や機器において、アース付きコンセントの設置が義務化されました。
<義務化されている機器、施設>
- 電気冷暖房機
- 電気冷蔵庫
- 電気食器洗い機
- 電子レンジ
- 電気洗濯機
- 電気衣類乾燥機
- 温水洗浄式便座
- 電気温水器
- 自動販売機
(住宅、住宅以外の100V、200Vのコンセント)
- 病院、診療所において医療用電気機械器具を使用する部屋
(100V、200Vのコンセント)
その他、住宅で使う200Vのコンセントも義務化されています。
<新たに義務化された施設>
- 雨線外に施設するコンセント
- 台所、厨房、洗面所及び便所に施設するコンセント
(住宅、住宅以外の100V、200Vのコンセント)
その他、住宅で使う100Vのコンセントも推奨から勧告に変更されています。
アースコンセント工事の方法と流れを解説

アース付きコンセントを使用するには、アース工事が必要です。ここでは、アース工事の方法と流れを解説していきます。
1.接地工事を行う
壁のコンセントにアース線が配線されていない場合は、屋外で接地工事を行う必要があります。アース線を伝って電気を地面に流すには、銅線を接地極に接続しなければなりません。
接地工事とは、建物から近い場所に穴を掘り、接地極(アース棒)と呼ばれる金属棒を地中に埋め込み、ハンマーで打ち込む作業です。アーステスターを使って接地抵抗値を計測し、問題なければ土を戻します。接地抵抗値が下がりにくい時は、接地抵抗低減材を使用します。
建物外部にアース線を配線し、アース棒と接続したら、屋内の作業に移ります。アース線の太さは直径1.6mm以上のものが使用され、ブレーカーの電流容量に応じて決められます。
2.既存のコンセントを取り外す
感電防止のため、ブレーカーを落としてから作業します。
コンセントのプレートをドライバーで外し、配線を取り外したら、取り付け枠やコンセント本体も取り外しましょう。既存のコンセントは保管するか、必要なければ処分します。
3.アース付きコンセントを取り付ける
電線の動線部分をビニールテープで絶縁したら、壁の穴などからアース線を通します。
室内に引き込んだアース線をアース付きコンセントに差し込みます。電線(白い中性線と黒い電圧線)もコンセントに差し込んだら、壁に取り付けましょう。取り付け枠やプレートを固定したら、取り付け作業は完了です。
念のため、アース工事が終わった後に接地抵抗値を測定してください。一般家庭で行われるD種接地工事では、100Ω以下にならなければいけません。ただし、ブレーカーに定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以内の漏電遮断器が付いている場合は500Ω以下で良いとされています。
※アース付きコンセントがなく新たに設置したい時や、アース付きコンセントの増設工事を行うには電気工事士の資格が必要です。取り付け作業をDIYで行う場合は、必ず有資格者が施工してください。
アース付きコンセントの取り付けや交換には電気工事士の資格が必要です

今回は、アース付きコンセントとはなにか、その必要性や特徴、役割、工事の流れを解説しました。
アース付きコンセントは、家電製品を安全に使用するのに必要不可欠です。内線規程では、家電製品を使う場所によってはアース線の取り付けが義務付けられていることから、必要性の高さがうかがえます。
しかし、ご自宅にアース付きコンセントがない、あるいは数が足りないといったケースもあるでしょう。延長コードを使えば複数の家電製品を接続することができますが、タコ足配線には気を付けたいところ。
アース付きコンセントは増設や通常のコンセントとの交換が可能です。ただし、アース工事は専門性の高い工事のため、電気工事士の資格が必要です。プロでなければ作業できませんので、資格のある人に頼めない場合は、専門業者に依頼しましょう。賃貸物件にお住まいの方は、管理会社に相談してアース工事をしてもらうことをおすすめします。
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参考サイト:DENKI110(電気工事)
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