アース付きコンセント【National WTF1532K から パナソニック WTF113238W の交換】事例を解説!

コンセント

住宅で使用する一般的なコンセントは、壁面に埋め込まれる形になるので、通常は邪魔になることはないでしょう。コンセントに挿しっぱなしになることが多い、冷蔵庫などの電源プラグも、首の折れたL型を採用することで、邪魔にならないように工夫されています。

それだけ配慮されていても、不注意で物がぶつかってしまえば、その衝撃によりコンセントが破損することもあるでしょう。そんなときは、コンセント自体を交換する必要がありますが、実はコンセントに電線を接続する作業は、資格がないとできないことになっているのです。

今回は、実際に、破損してしまったコンセントを交換した事例を交えながら、当日の作業内容をわかりやすく解説させていただきます。

目次

アース付きコンセントに穴が空いてしまったので修理したい

「コンセントを破損させてしまったので直してほしい。なるべく安く済ませたい」というご依頼を、東京都府中市のお客様からいただきました。アース付きのコンセントということで、冷蔵庫や洗濯機用のコンセントを不注意で破損させてしまった、というケースのようです。

現地に到着し、お客様にお話を伺うと「冷蔵庫の後ろにあるコンセントが割れて、穴が空いた。電源プラグが挿さった状態で冷蔵庫を押してしまい、圧がかかったコンセントが破損した」ということでした。コンセントはアースターミナル付きのダブルコンセントで、その状態を確認するとアースターミナルの部分が割れている状態でした。「マンションの管理会社に相談したら、修繕費用は15000円と言われた」とのことでしたので、簡単にお見積もりをさせていただき、お客様にも納得していただけました。状況も把握できたので、早速作業を開始します。

既設コンセント「National WTF1532K」には割れがあるだけで、電力はしっかり供給されており、ショートした後もありませんでした。分電盤を確認させていただき、「台所」と記載のある安全ブレーカをOFFにして、コンセントを交換します。

アース付きコンセント【National WTF1532K から パナソニック WTF113238W】に交換完了

パナソニック製のアース付きコンセント「WTF113238W」を用意してきたので、交換します。既設コンセントには、台所の他のコンセントに電源を送るケーブルも接続されていたので、そのケーブルも忘れずに接続しておきます。交換後、分電盤で落としたブレーカをONにして、テスターにて100Vが供給されているのを確認しました。これで、作業は完了です。

アース付きコンセントの役割

アース付きのコンセントが配置されるのは、水回りが多いです。冷蔵庫や電子レンジは、器に入れられた液体を扱うこともあるので、アースに接地されているのが望ましいです。洗濯機やシャワートイレは水を直接扱います。さらに、エアコンも結露水などが内部で発生するので、水を直接扱う家電製品だといえます。ともに、アースに接地されるのが望ましい家電製品です。

漏電による感電を防ぐ

万一、漏れ出した水に電流が流れて漏電となったときに、アースに接地されていれば、その被害を最小限に抑えることができます。漏れ出た電流がアースに流れて、放電することで電力を消費すると、漏電ブレーカが損失分の漏電電流を検知して電力を遮断します。アースに接地されていないと、漏電の感知が遅れたり、人が感電することで漏電を感知することになり、危険だといえます。

静電気による事故を防ぐ

家電製品が動作することで静電気を帯びた場合も、アースにつながれていればその静電気はアースに流れて放出されます。帯電した静電気をなくすことができるので、「バチッ」と放電することもなくなり、ガスに引火するような事故も防ぐことができます。

落雷による家電のトラブルを防ぐ

住宅の分電盤がアースに接地されている場合、避雷器を追加することで落雷によるトラブルを防ぐことができます。

雷が落ちると、雷サージと呼ばれる、異常な過電圧や過電流が発生します。電柱の電線を経由して住宅に侵入した雷サージは、屋内配線を通って家電製品にまで到達し、故障させてしまうことも多いです。分電盤に避雷器を配置することで、侵入してきた雷サージをアースに逃がすことができ、雷サージから家電製品を守ることができます。

アース付きコンセントの交換作業について

一般の住宅では、地中に接地されたアースは分電盤に接続されます。各部屋のコンセントのアースも分電盤に集められ、分電盤のアースに接続されることで、アースに接地されます。古い住宅では、コンセントごとに個別で接地工事が実施されているケースもありますが、現在では、分電盤からアースに接地するのが一般的です。

コンセントの交換の手順

①分電盤で対象の安全ブレーカをOFFにします。

②コンセントのカバーを外します。ビス止めされているタイプと、ツメでとめられているタイプがあります。ツメでとめられているタイプは、マイナスドライバーを差し込んで、軽くひねると外しやすいです。

③コンセントを取り外します。通常は、壁内にボックスが設置されており、そのボックスにビス止めされています。

パナソニック公式ページより、石膏ボード用C型はさみ金具 WN3992KP:https://panasonic.jp/tap/p-db/WN3992KP.html

写真のような、はさみ金物で固定されている場合もあります。壁の厚さにより使用されるビスの長さも変わります。

④接続された電線を外します。外し穴にマイナスドライバーを差し込むことで、電線を抜くことができます。通常は、黒、白の2本が接続されており、パナソニック製のコンセントには「W」の表記があり、差し込み穴に白電線が挿さっています。アース付きのコンセントは、アースのマークが記載された差し込み穴に、赤もしくは緑電線が挿さっています。

⑤新しいコンセントに電線を接続します。アースと白電線は、アースのマークと「W」と表記のある穴に挿し込みます。残った穴に黒電線を挿し込みます。ケーブルが2本配線されている場合は、ほかのコンセントへの渡り配線が含まれています。忘れずに接続しましょう。

⑥コンセントを戻して、カバーを付けます。安全ブレーカをONにして復旧し、テスターで100Vが供給されているのを確認しましょう。作業完了です。

関連記事『アース付きコンセントの交換や増設工事に対応!本体の構造や故障トラブル時の原因と解決方法を紹介!も併せてご参照ください。

交換における注意点

コンセントを交換するだけなら、使用する工具はドライバー程度なので、ご自身での作業も可能でしょう。ただ、コンセントに電線を接続する作業は、電気工事士の資格がないとできないことになっています。接続が不十分であったり、間違えたりすることで感電や火災などの事故につながった場合は、法的に罰せられるケースがあるかもしれません。ご自身での作業に不安を感じる場合は、信頼のできる業者さんに相談するようにしましょう。

アース付きコンセント交換は業者へ依頼しよう

コンセントの実物をみると、簡単な構造でもあり「これを交換するだけなら自分にもできる」と思うかもしれません。もちろん、交換作業自体は簡単かもしれませんが、実際にコンセントをはずしてみると、ケーブルが2本配線されていたり、はさみ金物を使って固定されている場合もあります。思わぬ事態に戸惑い、作業が進まないことも考えられます。

感電や火災にもつながりかねない電気に関する作業は、資格を持った専門の業者さんに依頼するようにしましょう。

『DENKI110』では、コンセントの交換にも迅速に対応しております。資格を持った作業員が担当しますので、お気軽にご相談ください。

※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。


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