漏電ブレーカー【富士電機 DG53NA から 河村電器 ZLGS63-40TL-30 の交換】事例解説!

漏電

現代の生活に無くてはならない電気は、常に供給されていることもあり、正常に使えるのが当然のことと思われがちです。もちろん、いざというときのための安全装置として、住宅にはブレーカが配置されています。ブレーカが落ちることで、電気の使い過ぎを実感することも多いでしょう。ただ、漏電を感知する漏電ブレーカが落ちた場合は、「漏電を解消しないと電気が使えない」という状況も考えられます。

そんなときのために今回は、漏電ブレーカのトラブルについて、港区の飲食店で実際にあった事例を、解説を含めて紹介させていただきます。

目次

ブレーカが落ちやすいので直したい

「ブレーカが安定せず、落ちやすいので直してほしい」というご依頼を、港区の飲食店様からいただきました。漏電による不具合の可能性が高いようです。

平日の昼間でしたが、現地に到着するとブレーカが落とされており、照明がつかないので真っ暗な状態でした。オーナーさんの話では「ブレーカを上げても、すぐに落ちる」とのことで、やはり店舗のどこかで漏電しているようです。漏電ブレーカをONにしても、再び漏電を感知してブレーカが落ちてしまいます。早速、調査を開始しましょう。

まずは絶縁抵抗計にて、絶縁抵抗を測定します。メインブレーカをOFFにして、絶縁抵抗計の黒リードを分電盤内のアースへ接続、赤リードを測定する電路側にあてて測定ボタンを押します。100V系なので使用レンジは125V合否判定値は0.1MΩですが、測定結果は30MΩと問題ありませんでした。さらに、それぞれの安全ブレーカをOFFにして負荷側の絶縁抵抗を測定します。測定結果は、一番低いものでも2MΩあり、とくに問題ないようです。

飲食店では、ケーブルをネズミにかじられるケースが多く、今回もシンク下のケーブルにかじられた跡を発見したので、ビニールテープで補修して調査終了となりました。再び漏電となったときは、絶縁抵抗値が2MΩだった安全ブレーカを切るように、とオーナーさんに伝えておきます。

後日、再びブレーカが落ちるという連絡をいただいたので、古くなっていた漏電ブレーカの交換の検討をおすすめしました。

漏電ブレーカー【富士電機 DG53NA から 河村電器 ZLGS63-40TL-30】を交換して対応!

既存の漏電ブレーカは「富士電機 DG53NA」で、刻印された製造ロット表示から、15年以上が経過した古いブレーカであることがわかりました。既設ブレーカと同じ40Aの「河村電器 ZLGS63-40TL-30」が届いて交換作業も完了しました。交換後、ブレーカが落ちることはなくなったようです。

漏電ブレーカは、自身に流れる「行き」と「帰り」の電流値が同じかどうか、漏れ出る電流がないかを常に見張っています。電流値に差ができると、漏電ブレーカ内部の零相変流器に磁界が発生し、漏電信号となります。その信号を電子回路で判断し遮断する必要があるなら電磁装置を駆動して遮断機部を開きます。このように精密機器でもある漏電ブレーカは、経年劣化も生じやすいといえるでしょう。長い期間使用しているブレーカでは、誤動作でトリップするケースもあるようです。漏電ブレーカ本体にある、テストボタンで簡単に確認できるので、定期的にチェックするのも良いでしょう。

今回は絶縁抵抗値も一番低い値で2MΩと問題のない数値でしたが、合否判定値の0.1MΩ付近の数値であった場合は注意が必要です。絶縁抵抗値は、温度や湿度、ケーブルの経年劣化により変動することもあるので、0.1MΩ付近の数値の場合はすでに劣化した状態であると判断したほうが良いでしょう。屋内配線の引き直しや、コンセントの交換も検討しましょう。

漏電ブレーカを交換するタイミングとは?

ブレーカの寿命が過ぎた

日本電機工業会では、「使用開始から15年が経過している漏電ブレーカ、安全ブレーカについては、更新を推奨する」としています。参考資料こちらです。漏電ブレーカがトリップしたとき、絶縁抵抗値や漏電電流が基準値内の場合は、ブレーカの寿命が原因かもしれません。

ブレーカの不具合が多い

パナソニック公式ページより:https://www2.panasonic.biz/ls/basics/electric/breakers/basic-functions/

ブレーカは構造上、ラッチ(かけ金)が引っかかることでハンドルをONの状態に固定しています。これも経年劣化によるケースが多いですが、ラッチや引き外し装置が損傷することで正常にハンドルが操作できないこともあるようです。トリップした状態からONできないなど、通常の操作ができないときは、交換を検討しましょう。

契約のアンペア数を変えたい

契約アンペア数を変更したいときは、アンペアブレーカの変更が必要ですが、同時に漏電ブレーカーの容量も見直す必要があります。

東京電力公式ページより:https://pgservice1.tepco.co.jp/2020/08/21/blackout-2/

上のイラストのように30Aの漏電ブレーカは、赤線側、黒線側ともに30Aで合計60Aを流すことができます。通常は、分電盤で電気の偏りがないように安全ブレーカを配置しますが、契約アンペア数が40Aの場合は、アンペアブレーカより先に漏電ブレーカがトリップすることも考えられます。その場合は、漏電ブレーカを交換する必要があるでしょう。

ブレーカの交換には資格が必要

電気工事法により「定められた軽微な工事以外は、資格のある者でなければ電気工事の作業をしてはいけない」とあります。軽微な工事とは、例えば、電源プラグに電線を接続する作業や、ブレーカの2次側に機械装置などのコードを接続する作業のことです。

ブレーカを交換する際は、1次側の接続作業も必要となるので、やはり資格が必要な作業だといえます。ブレーカの交換作業は、確実に電気が遮断されていると確認できる状況で行わなければなりません。

漏電している可能性がある場合は、業者に相談しよう

アンペアブレーカや、安全ブレーカが落ちている場合は、電気の使いすぎが原因であることが多いので、ご自身での対処も可能でしょう。ただ、今回のように漏電ブレーカが頻繁に落ちてしまうような場合は、注意が必要です。

店舗の運営上、やむを得ずトリップした漏電ブレーカをONにしてしまいましたが、本来は漏電箇所を特定せずに漏電ブレーカを再びONとするのは危険だといえます。今回は、漏電ブレーカ自体の不具合でしたが、実際に漏電していた場合は感電や、火災にまで発展する可能性があります。漏電ブレーカがトリップしていたら、すみやかに信頼のできる業者さんに相談してください。

『DENKI110』では、ブレーカの交換作業にも迅速に対応しております。資格を持った作業員が担当しますので、お気軽にご相談ください。

※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。


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