ブレーカーがトリップするってどういうこと?原因から仕組みまで徹底解説!

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ブレーカが自動で電力を遮断し、落ちることをトリップといいます。英語で書くと「trip」となり「旅行」などの他に「つまずき」「過失」といった意味もあります。「トリップすることで電力がブレーカでつまずき、遮断される」といった意味合いから、そう呼ばれるのかもしれません。

ブレーカがトリップしたとき、多くの場合は電気の使い過ぎが原因でしょう。住宅の分電盤に配置されるブレーカは3種類あり、それぞれに過電流保護の機能があります。想定より大きな電流が流れると、ブレーカがトリップして自動で電力を遮断しますが、なぜ遮断する必要があるのでしょうか?

今回は、ブレーカがトリップするとき、その原因や仕組みを解説させていただきます。

目次

ブレーカのトリップとは

住宅の分電盤には、アンペアブレーカ、漏電ブレーカ、安全ブレーカの3種類が配置されています。(アンペアブレーカに関しては、省略されることもあります。)

ブレーカのトリップとは

アンペアブレーカと安全ブレーカには「60A」「20A」などの記載があり、その電流値を超えると電力は遮断されます。この2つのブレーカがトリップするとき、その多くは過電流保護を目的としています。漏電ブレーカに関しては、漏電過電流保護の他にも落雷などでトリップするケースもあるようです。

ブレーカの動作原理

過電流保護の動作原理を確認しておきましょう。一般的な熱動式(バイメタル方式)の他にも、電磁式、熱動電磁式などがあります。

ブレーカの動作原理

パナソニック公式ページより:

まず、バイメタルとは、熱膨張する割合の異なる2種類の金属を貼り合わせた、板状の金属のことです。温度が上がると膨張係数の小さい金属のほうへと湾曲する性質を利用しています。

ブレーカに大きな電流が流れると、バイメタルが加熱され湾曲することで、ラッチ(かけ金)が外れ、ブレーカの接点が離れる仕組みです。このとき、ハンドル部がONの位置で固定されていても、自動で遮断する「トップフリー機能」が多くのブレーカに搭載されています。また、単相3線式のブレーカにおいても、1極に異常が発生すればすべての接点が解放される「共通引外し」の機能が搭載されているブレーカも多いです。

漏電したときの漏電ブレーカの動作原理も確認しましょう。

漏電したときの漏電ブレーカの動作原理

コカネット公式ブログより:

図のように、自動販売機に電力が供給されています。漏電がなく正常に電力が供給されていれば、漏電ブレーカ(遮断機)を通過する電流値は「行き」「帰り」ともに同じ値になります。ここで漏電が発生し、漏電電流がアースから大地へ放出されると、漏電ブレーカの零相変流器を流れる「行き」と「帰り」の電流値が異なる状態になります。電流値の値に差ができると、そこに磁界が発生して設定値を超えると、電力が遮断される仕組みです。

ブレーカトリップの原因

動作原理でも解説した、電気の使い過ぎ、漏電の他にも、落雷による影響や、ブレーカ自体が故障している場合もあります。

電気の使い過ぎ

住宅で電気を使いすぎたときは、アンペアブレーカ、もしくは安全ブレーカがトリップします。

アンペアブレーカがトリップするのは、電力会社との契約アンペア数を超えて、電気を使ってしまったからです。電気の使い方を工夫して、消費電力の大きい家電製品の併用をなくす必要があります。例えば、電子レンジと洗濯乾燥機は別回路であっても同時に使用しない、などです。頻繁にこのブレーカがトリップするなら契約自体を見直し、アンペア数の変更を検討してみましょう。電力会社によっては、アンペア数を設定しない契約方法もあります。

安全ブレーカがトリップするなら、部屋ごと、もしくはエリアごとでの電気の使いすぎです。安全ブレーカは20Aが一般的ですが、15Aが配置されている場合もあります。その値を超えて電気を使いすぎないようにしましょう。例えば、キッチンにおいて電子レンジ(15A)と炊飯器(10A)を同時に使えば25Aとなり、安全ブレーカがトリップします。電子レンジの使用中は、ほかの家電製品を使用しないなどの配慮が必要です。もしくは、電気工事を実施して回路を1つ増設すれば、ストレスなく使用することができるでしょう。

漏電

漏電すると、漏電ブレーカがトリップします。先ほどの動作原理の仕組みで漏電は感知されますが、もし対象の家電製品がアースに接地されていない場合は、瞬時に感知できないかもしれません。人に漏電電流が流れることで漏電が感知されるケースもありますが、感電してしまうので危険です。漏電により漏電ブレーカがトリップするためには、アースに接地されている必要があるのです。

ブレーカ自体の故障

長い期間使用することで、ブレーカの内部にホコリがたまり、接点に導通不良が起こる場合もあります。導通不良なので電力が供給されずに、トリップと似たような状態になることも多いでしょう。ブレーカ自体の交換を検討しましょう。

落雷による影響

落雷のイメージ写真

落雷による影響で、漏電ブレーカがトリップすることもあります。電柱などに雷が落ちると、一時的に雷サージと呼ばれる、異常な過電圧や過電流が発生することがあります。この雷サージが住宅に侵入することで、漏電ブレーカの検出回路が反応しトリップするケースがあります。また、ブレーカーがトリップするだけではなく、雷の電圧が電線やテレビアンテナなどを通して屋内に流れ込み、家電やパソコンに誤作動や故障する可能性があります。影響を受ける可能性がある家電は以下の通りです。

  • パソコン
  • Blu-ray・DVDプレーヤー
  • インターホン
  • 固定電話機
  • ネットワークに繋がっている家電(IoT家電

この中でも複数のケーブルが接続されている通信機器は不具合などの起きる可能性が高くなります。予防策としてはケーブルやコンセントを抜いたり避雷器の取り付けなどを検討しましょう。避雷器が設置されていれば、雷サージはアースへ流されるので、分電盤や家電を保護することができます。
※雷が鳴り始めた際には、家電などの電源には触らないようにして下さい。感電の恐れがあります。

避雷器(SPD)とは

雷などの大きな電圧からパソコンなどの電力系統を守るための装置です。回路は地面に繋がっており放電させる仕組みとなっています。ビルや電柱など、あらゆるところに設置されており私たちの生活を守ってくれています。

トリップさせる訳とは?

配線やコンセントを保護する

電気の使い過ぎでトリップするのは、配線やコンセントを守るためでもあります。安全ブレーカに接続されるケーブルやコンセントには、ブレーカと同等、もしくはそれ以上の許容電流値が設定されています。もし、その許容電流値の値を超えて使用すると、発熱して火災に発展する恐れがあります。そんな災害を防ぐために、許容値内での使用を目的として安全ブレーカが配置されているのです。

漏電や故障した家電製品を切り離す

ブレーカー

また、トリップすることで問題のある箇所を瞬時に切り離すことができます。例えば、家電製品に異常が発生し内部でショートした場合、大きな電流が流れることで安全ブレーカがトリップし瞬時に電力を遮断します。トリップすることで、配線が熱で溶けて損傷を受けてしまったり、それによる発火を防ぐことにもつながります。

漏電の場合は、漏電ブレーカがトリップすることで、漏電の発生を知らせて被害を最小限に抑えることができます。感電や火災を未然に防いでくれるので、このブレーカがトリップしていたら、必ず漏電箇所を特定するようにしましょう。

トリップした場合の復旧方法

続いて実際にブレーカーがトリップしてしまった場合の対処方法を解説していきます。ブレーカーには、種類がありそれぞれ復旧方法も異なりますので下記の解説を参照にご確認ください。

アンペアブレーカー(サービスブレーカー)

電力会社との決められたアンペア数の電流を流すブレーカーです。このブレーカーがトリップしている場合は、電気機器の使いすぎによる過電流が原因と思われます。

アンペアブレイカーはスイッチを上げるだけで戻りますが、そのまま戻すとまたブレーカーが落ちてしまう可能性があります。その為、先程まで使用していた電気製品のスイッチをオフにしたりコンセントを抜くなどしてからアンペアブレイカーを戻しましょう。

頻繁にこのブレイカーが落ちてしまう場合は、契約アンペア数が合っていないかもしれません。アンペア数の上げ方については、「電気のアンペア変更がしたい!変える前に確認すべき注意点を解説!」でも紹介していますのであわせてご覧ください。

・安全ブレーカーも落ちている場合
この場合は原因も対処法も基本的に同じです。使用していた電気製品のスイッチをオフにしたりコンセントを抜くなどしてからアンペアブレイカーを戻しましょう。

・漏電ブレイカーも落ちている場合
漏電ブレーカーが落ちていると家のどこかで漏電している可能性があります。安全ブレーカーを全てOFFにしてから、アンペアブレーカー、漏電ブレーカーの順番で戻してください。また、漏電箇所の確認は下記の漏電ブレイカーの項目をご確認下さい。

漏電ブレーカー

漏電事故を防ぐために付けられているブレーカーです。電気器具や配線関係に漏電が起きると異常を感知して自動的にブレーカーが落とす大切な役割を担っています。

このブレーカーがトリップしていると家のどこかで漏電している可能性があります。また、漏電は火事や事故になる可能性がある為、慎重に対応しましょう。下記の手順で漏電箇所を特定しましょう。

1,すべてのブレーカーをOFFにする
※安全ブレーカーをOFFにする際に元々OFFになっている場合もある為メモやスマートフォンのカメラで撮影するなどして分かるようにしておきましょう。
2,アンペアブレーカー、漏電ブレーカーの順番でONにする
3,安全ブレーカーのスイッチを一つずつONにしていく

問題なく安全ブレーカーが戻ればいいのですが、この作業中に漏電ブレーカーがトリップした場合、その安全ブレーカーを使用している部屋で漏電しています。漏電が発生している安全ブレーカーはOFFにしてそれ以外の安全ブレーカーONにしましょう。

漏電をご自分で修理するのは大変危険な為、専門業者に依頼することをおすすめします。

・安全ブレーカーも落ちている場合
漏電に加え、契約しているアンペア数を超えた電力を使用している可能性があります。上記の漏電箇所の確認方法を実施して下さい。

安全ブレーカー

分電盤から各部屋に電気を送る為のブレーカーです。このブレーカーがトリップした場合、部屋のどこかで各部屋に設定された電力を超えて使用している可能性があります。

安全ブレイカーもスイッチを上げるだけで戻りますが、そのまま戻すとまたブレーカーが落ちてしまう可能性があります。その為、対象の部屋で使用していた電気製品のスイッチをオフにしたりコンセントを抜くなどしてから安全ブレイカーを戻しましょう。

それぞれのブレーカーの詳しい上げ方や役割は「ブレーカーの安全に行う上げ方とは?原因の探り方や手順を徹底解説!」をご確認ください。

原因不明のトリップは、業者に相談しよう

ブレーカがトリップしたとき、上記以外の場合やその原因がわからない場合は、すみやかに専門の業者さんに相談するようにしましょう。電気の使い過ぎであるケースが多いですがその他にも、以下の場合も考えられます。

・家電製品が故障している
・漏電している場合
・分電盤や各ブレーカーの不具合または故障

とくに、漏電ブレーカは落ちている場合は、電気の使い過ぎとは状況が異なります。電気が使えないのは困るからといって、安易にブレーカを復旧させても再びブレーカが落ちてしまうでしょう。感電や火災につながる危険な状態にあることを認識して、慎重に行動する必要があります。ご自身で、漏電箇所を特定できないようなら、信頼のできる業者さんに点検を依頼してください。

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※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。


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