ブレーカーボックスとは?役割や種類やメンテナンスについて教えます

漏電

私たちとは切っても切り離せないほど生活に必要な電気。各家庭やオフィスビルなど、電気を使う建物であれば必ず設置されているのが「ブレーカー」です。

ブレーカーは電気を安全に使うために欠かせない機器ですが、意外と詳しく知らない方も多いと思います。それもそのはず、多くの人にとって電気は「使えれば良い」というものであり、詳しく理解しようと思えば専門的な知識が必要になります。

とはいえ、全くブレーカーについての知識がなければ、いざという時に対応できません。また、災害の多い近年では万が一に備えたブレーカーの知識を持っておく方がよいでしょう。

本記事では、意外と知られていない『ブレーカーボックス』について紹介します。

目次

ブレーカーボックスとは?

『ブレーカーボックス』とは、その名前のとおり「ブレーカーが入っている箱」のことです。電気設備の一部で、電気の配線を制御し保護するための装置(ブレーカー)が収められた箱状の装置です。

ブレーカーボックスには、屋外と屋内に設置される2種類あり、プラスチック素材や鉄板で作られており、白色やベージュ色をしているものが多いです。有名メーカーではパナソニックや河村電気産業、未来工業などが販売しており、屋内用・屋外用・家庭用・自販機用など、用途はさまざまです。

また、中が見えるように一部が透明カバーになったブレーカーボックスや、鍵付きなど開け方が工夫されたタイプもあり、必要に応じて形や仕様・サイズを選ぶことができます。

ブレーカーボックスの役割とは?

ブレーカーボックスは、雨や外部から中に入っているブレーカー(分電盤)を守るのがおもな役割です。家の中に設置されているブレーカーは雨に当たることはありませんが、作業小屋や工事現場などでは雨風にさらされる可能性もあり、防雨対策のできるブレーカーボックスが重要な役割を果たします。

また、一般家庭でも電力会社の条件によっては、ケーブル(電線)の長さに規定があり、ブレーカーを屋外に設置するケースもあります。そのため、ご家庭によっては外壁をよく見ると、電気メーターの下に小型のブレーカーボックスが取り付けられていることもあるかもしれません。

また、雨以外にもブレーカーを直接壁に取り付けるとホコリや汚れ、湿気などが溜まりやすく、漏電につながりやすくなることから、屋内でもブレーカーボックスが設置されます。

「ブレーカー」と「分電盤」の役割

そもそもブレーカーや分電盤とは、どのような機器のことを指すのでしょうか。よく電気が落ちた時に「ブレーカーが落ちた」ということから、聞いたことがある方も多いと思います。

電力会社から送られてきた電気は、ブレーカーを通して各部屋にわけられたり、危険を察知して遮断されたりしています。「ブレーカー」と一言で表現されることも多いのですが、実は以下の3つの種類に分かれており、それぞれ異なる目的によって動いています。

  • アンペアブレーカー
  • 漏電ブレーカー
  • 安全ブレーカー

これら3つのブレーカーを1つにまとめているものを「分電盤」、そして、この分電盤を入れている箱のことを「ブレーカーボックス」と呼びます。(分電盤をブレーカーボックスと表現することもあります)

【アンペアブレーカー】

アンペアブレーカーは、電力会社と契約している電力量を超えた時に落ちるブレーカーのことです。分電盤の左側についていることが多く、契約アンペアに応じて「〇A」のような数値が記載されています。

【漏電ブレーカー】

漏電ブレーカーは、家や建物内のどこかで漏電が起こっている場合に電気を遮断するブレーカーです。そもそも漏電とは電線以外の場所に電気が流れてしまう現象で、場合によっては感電や火災につながることもある、危険な状態です。

しかし、電線を覆っている絶縁体の剥離や老朽化、湿気、結露など、漏電する原因はさまざまで、「漏電ブレーカーが落ちたことで調査し、漏電箇所が判明した」というケースも少なくありません。

漏電ブレーカーが落ちた時は、次に紹介する安全ブレーカーで1つずつ回路を調べるなど、しっかりと対処する必要があります。個人での特定が難しいことも多いので、必要に応じて専門業者に調査を依頼してください。

【安全ブレーカー】

安全ブレーカーは、分電盤の右側に取り付けられているブレーカーです。普段私たちが「ブレーカーが落ちた」という状況になった時、この安全ブレーカーが落ちていることが多く、「下に落ちたレバーを上げると電気が復旧する」という経験がある方も多いと思います。

安全ブレーカーは、各部屋に電気を分けるために設置されており、それぞれのレバーは各部屋との回路とつながっています。1つの部屋で使用できる最大の電気量を超えると、自動的に安全ブレーカーが落ちる仕組みになっており、エアコンやレンジ、ドライヤーなどの消費電力が大きい電化製品を1箇所で使うとブレーカーが落ちてしまいます。

ブレーカーボックスの屋内・屋外それぞれの使用例

上記で解説した「ブレーカー」と「分電盤」が入っているブレーカーボックスですが、基本的には電気の分配や過電流の遮断のために設置されます。ただ、屋内と屋外では異なる用途のために使用されることがあります。ここでは、屋内と屋外に分けて、それぞれの使用例をいくつか紹介していきます。

【屋内での使用例】

まずは、屋内での使用例をみていきましょう。

住宅用の電気配線の管理

屋内用ブレイカーボックスのイメージ

屋内用のブレーカーボックスは、異常電流や過電流から家の中の配線を保護する役割をしています。

各部屋に取り付けられた照明やコンセント、電化製品などの電力を制御するのが目的で、安全ブレーカーや漏電ブレーカーなど、ブレーカーごとに分かれている小型のブレーカーボックスもあります。また、回路の増設などにも使用されます。

商業施設用の電力管理

商業施設やオフィスビル内でも電力配線を制御し、電気系統の安全性を確保するためにブレーカーボックスが設置されます。これらの施設では多くの電気回路があることから、異常時に正確な位置を特定したり、迅速に対応するためにブレーカーボックスは欠かせません。用途や目的に合わせたブレーカーボックスが設置されます。

工業施設の電力管理

工場や製造施設内では、大量の電力を必要とする機械や設備が稼働しています。そのため、ブレーカーボックスを設置して、異常電流や過電流から電気システムを保護する必要があるのです。

【屋外の使用例】

次に、屋外でのブレーカーボックスの使用例をみていきましょう。

屋外照明の管理

屋外の照明設備や、街路灯の電力制御にブレーカーボックスが設置されます。とくに屋外は屋内よりも雨風にさらされやすいため配線の劣化が早く、適切なサイズと素材のブレーカーボックスでなければなりません。

また、屋外用には自動販売機用のブレーカーボックスなどもあります。このように、ブレーカーボックスは屋外環境でも電力供給を管理し、電気系統の安全性を確保するためにとても重要な役割をしているのです。

農業施設や畑での電力管理

農業施設や畑でポンプ、灌漑装置、動力機械などの電力供給を管理するために、屋外にブレーカーボックスを設置します。扉を開けなくても中のブレーカーとケーブルをつなぎ、そのまま防水コンセントでの電源供給が可能になるタイプや、扉に鍵がついているタイプ、漏電ブレーカー用の小型サイズなどもあります。

建設現場での電力管理

建設現場では仮設電力供給が必要になります。ブレーカーボックスは建設現場での電力管理に使用され、さまざまな電気機器や工具の電力を制御しています。「屋外電力用仮設ボックス」や「屋外電力用仮設キャビネットボックス」と呼ばれるものもあります。

ブレーカーボックスの種類

先ほど紹介したように、ブレーカーボックスには屋内用・屋外用があり、それぞれ次のように分かれています。

【屋内用ブレーカーボックス】

屋内用ブレーカーボックス

屋内での使用に適しており、住宅や商業施設の電力管理に使用されます。通常、防塵性や防水性は必要ありません。

【屋外用ブレーカーボックス】

屋外用ブレーカーボックス

屋外での使用に適しており、雨や風などの外部要因から電気配線を保護します。防塵性や防水性が求められます。

さらに、ブレーカーボックスには「主幹回路用ブレーカーボックス」と「サブパネル」の2種類に大きく分けられるため、どちらが必要かも考慮しなければなりません。

主幹回路用ブレーカーボックスは、メインの電源制御用のブレーカーが収容される箱で、住居や建物の全電力供給を制御します。一方サブパネルは、より小型のブレーカーボックスで、主幹回路用ブレーカーボックスから分岐して特定の電気回路を制御するものです。

一般的な家庭でサブパネルはあまり見かけないかもしれませんが、工事現場やその他の施設では必要に応じて使われます。また、一般家庭でも設置条件によっては部屋ごとにサブパネルを設置することもあるでしょう。

ブレーカーボックスのサイズ選び

ブレーカーボックスのサイズは、設置しなければならないブレーカーや分電盤のサイズに合わせて選びます。分電盤の選定は、回路の数(コンセントや電化製品などの電力量)などに加えて予備の回路を想定し、将来の拡張を考慮し余裕をもたせるのが一般的となっています。

ブレーカーボックスの交換について

ブレーカーボックスは、プラスチック素材などを使って作られているため、年月が経つと劣化してしまいます。劣化したブレーカーボックスは隙間から雨風が入ってくる可能性があり危険ですし、ブレーカーそのものの寿命を縮める原因にもなります。

ここでは、古いブレーカーボックスの交換方法と、プロの業者に交換すべきタイミングを紹介します。

古いブレーカーボックスの交換方法

前提として、古いブレーカーボックスを交換する際は、電気工事士の資格を持っている人がおこないましょう。古いブレーカーボックスの交換方法は、次のとおりです。

①電力供給を遮断

まず、すべての電力を落とした状態にして電力供給を遮断します。電気が流れる状態での電気工事は非常に危険ですので、必ず作業前に電力メーターからブレーカーボックスへの電力供給を切っておきましょう。

②古いブレーカーボックスの取り外す

次に、古いブレーカーボックスを取り外します。ブレーカーや配線、コネクタなど、ブレーカーボックスの中に設置されている全ての電気部品を外していきます。

③新しいブレーカーボックスの取り付け

新しいブレーカーボックスを設置し、ブレーカーや配線を元どおりに接続します。このとき、間違えて設置すると電気が通らなくなるなどのトラブルが生じる可能性があるため、各電気回路に適切に接続しましょう。

④テスト

すべてのブレーカーと電気回路をテストして、ブレーカーボックスの中で正しく動くことを確認します。また、 新しいブレーカーボックスに必要な設定やラベリングを行います。

⑤電力供給再開

すべての作業が完了して安全であることを確認したら、電力供給を再開します。テスト段階で全てのブレーカーと配線、コネクタ、コンセントをしっかりチェックしておくとスムーズに作業を終了できますので、面倒でも怠らないようにしましょう。

ブレーカーボックスの交換を依頼すべきタイミング

ブレーカーボックスの交換を検討するタイミングは、次の通りです。無資格の場合は無理にDIYしようとせず、専門業者に依頼してくださいね。電気系統の工事には資格がなければできないこともあるので、無資格でおこなうと違法になることもあるので注意が必要です。

老朽化や劣化が激しい場合

ブレーカーボックスが長く設置されている場合、古くなって劣化が進行している可能性があります。この場合は、ブレーカーボックスの交換を検討するタイミングといえるでしょう。古いボックスは素材がもろくなっていたり隙間があいていたりと、安全性が低くなっていることも多く問題を引き起こす可能性が高まります。

既存の電力量では不足している場合

電力容量が足りないことが原因でブレーカーが頻繁に落ちる場合は、契約アンペアを上げることを検討するとともに、必要に応じて新しいブレーカーボックスに交換する必要があります。大きなブレーカーボックスに交換するか、小型のブレーカーボックスを追加するかは、その時の状況によって異なるため、まずはプロの専門業者にみてもらいましょう。

電気トラブルが頻繁に起こる場合

何らかの電気トラブルが頻繁に発生する場合、まずはブレーカーを点検する必要があります。ブレーカーの不具合がブレーカーボックスからきているものであれば、交換を検討するタイミングとなります。ただし、この場合はブレーカーボックスが直接的な原因になっているのではなく、劣化などによって間接的にトラブルの原因となっていることが多いと考えられます。

また、例外的ではありますが、地域の電気規制が変更された場合は、新しい規制に沿ったブレーカーボックスへの交換が必要な可能性もあります。

ブレーカーボックスのメンテナンスについて

ブレーカーボックスを安全に使うためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。定期的なメンテナンスをおこなうことによって、配線やブレーカーなどのトラブルを事前に発見できるようになります。

その結果、漏電や感電、火災の予防につながり、安全性が保てるのです。ここでは、ブレーカーボックスのメンテナンス方法について、以下で詳しく紹介します。

定期点検

年に1回以上の頻度で、電気工事士の資格を持っている専門業者から、ブレーカーボックスの定期点検を受けることをおすすめします。点検時には、ブレーカーの動作やコネクションの状態、異常な熱・カバーの損傷・サビ・鍵がついていれば鍵の故障がないかなどを確認します。

また、業者に頼む期間以外でも、ブレーカーが正しく動作するかのテストは定期的におこなっておきましょう。知識がない場合は、業者に依頼するのが一番良いです。

埃と汚れの除去

ブレーカーボックス周辺にたまった埃や汚れは、感電や火災の原因となる可能性があるので、定期的に掃除しておきましょう。カバーなどの外側は拭き掃除などの簡単な方法で問題ありませんので、時々チェックして汚れが溜まってきたら掃除するようにしてください。

また、必要に応じて屋外のブレーカーボックスを防水カバーで覆うなどの対策をしておくと、メンテナンスが楽になります。

ブレーカー関連で困ったことがあればDENKI110にご依頼ください!

ブレーカーボックスは一度設置したあと、そのままにしていることも多いと思いますが、劣化が進んだ状態では中の装置の寿命にも影響を及ぼしかねません。そのため、必要に応じてブレーカーボックスや分電盤の交換や、電気工事のプロによる定期的なメンテナンスをおこないましょう。

DENKI110では、ブレーカー関連のトラブルやメンテナンスなど、幅広い電気工事に対応しています。電気系統の工事には資格がなければできないこともあるので、ブレーカー関連でお悩みの方は、DENKI110までお気軽にご相談ください。

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※ページ内に掲載されている料金は作成日当時のものです。状況や時期により実際の料金とは異なる場合がありますので、詳細は電話でお問い合わせください。


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