漏電遮断器とは?漏電の原因や解決方法も合わせて解説!

漏電

漏電遮断器とは、漏電が起きた時に感電事故や火災を防止するため、電気の回路を遮断する装置です。漏電遮断器が動作した時は、建物内で漏電が起きている可能性があります。

漏電と一言でいっても、コンセントが原因の漏電、家電製品が原因の漏電、雨漏りが原因の漏電とさまざまな原因が考えられます。漏電を放置すると、感電や火災などのトラブルが発生する恐れがあり、大変危険です。漏電遮断器が動作して漏電が疑われる場合、漏電の原因を特定し、必要に応じて機器やコンセントの修理交換を行わなければなりません。

そうはいっても、漏電遮断器は普段あまり聞き馴染みのないものですし、仕組みや原理がよく分からない人も多いと思います。いざという時のためにも、漏電遮断器について基礎知識を持っておくと良いです。

この記事では、次の内容について解説します。

  • 漏電遮断器とは何か
  • 漏電遮断器の原理やブレーカーとの違い
  • 漏電箇所の特定方法
  • 漏電する原因

自分でできる範囲で漏電の原因を特定したい方や、解決方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

目次

漏電遮断器とは何?ブレーカーとの違いは?

※分電盤

漏電遮断器とは、漏電による火災や感電などの危険を防止する役割を持つ装置です。本来の電気回路を外れて流れる漏洩電流(漏れ電流)を検知し、自動的に電路を遮断する仕組みになっています。

漏電遮断機は人や物の感電や火災などを防ぐために重要な役割を果たしています。

ここでは、漏電遮断器とはどんな装置か、その原理や動作するタイミング、ブレーカーとの違いについて解説します。

漏電遮断器の原理とは?

漏電遮断器は、漏電と呼ばれる電気の漏れを検知して電源を遮断する装置です。

漏電遮断器の原理は、差動変流器(零相変流器)と呼ばれる機構に基づいています。差動変流器は電流の差分を検知し、漏電の有無を判断するものです。電気回路が正常な場合、行き帰りの電流は同じであり、差分はほとんどありません。しかし、漏電が発生すると、漏れた電流が地面や人体を経由して戻り線に流れ込み、行き帰りの電流に差が生じます。

差動変流器は行きの電流と戻ってくる電流の電流差を検知し、一定の基準値(通常は30mA)を超える場合、漏電を検知して電源を遮断します。漏電遮断器は電気回路に直列に接続されており、常に電流の差分を監視しています。これにより、漏電が起きた際に人体に危害を及ぼすことや火災を引き起こすリスクを軽減しているのです。

漏電遮断器が作動するのはどんな時?

※漏電遮断器

漏電遮断器には差動変流器(零相変流器)という機器が内蔵されており、一つの電路内の行きと帰りの電流値が計測されています。

電化製品の故障や配線不良などで漏電が生じると、電流値に差ができます。この時、漏電遮断器の原理に基づき、漏電遮断器が作動するのです。万が一、漏電が発生した場合、漏電遮断器が素早く反応し電源を遮断してくれるため、安全な電気使用ができます。

漏電遮断器が作動する漏洩電流のことを「定格感度電流」といいます。一般家庭に設置されている漏電遮断器の定格感度電流は30mA、動作時間は高速形で0.1秒以内、時延型で0.1~2秒以内です。感度電流表示は漏電遮断器本体に記載があります。

漏電遮断器とブレーカーの違いは?

漏電遮断器は「漏電ブレーカー」とも呼ばれますが、配線用遮断器(ブレーカー)とは異なります。ブレーカーは、過電流を防ぐための安全装置であり、漏電遮断器は漏電を遮断するものです。

ブレーカーには次の2種類があります。

  • 主幹ブレーカー
  • 安全ブレーカー

主幹ブレーカーは、電力会社との契約アンペア数を超えないように遮断するためのものです。一方、安全ブレーカーは、各部屋に電気を送る小さな電路を保護するためのものです。

いずれも、電流遮断機能を備えていますが、漏電遮断器のような漏電遮断機能は持っていません。漏電遮断器の中には、ショートや過負荷による過電流保護機能を持ったものもあります。

漏電遮断器が落ちたらどうする?漏電箇所の特定方法は?

漏電ブレーカーのスイッチが「切」になる、あるいは漏電表示装置が飛び出している時、漏電遮断器が落ちた状態です。万が一、漏電遮断器が落ちたらどのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、対処法と合わせて漏電箇所の特定方法をご紹介します。

漏電遮断器が落ちた時の対処法

1.分電盤の場所を確認する

漏電遮断器が落ちると、家全体が停電します。地震や台風、豪雨などの自然災害以外の理由で停電した時は、漏電遮断器が落ちている可能性が高いです。まずは、家の中の分電盤の場所を確認しましょう。一般的に、ブレーカーが取り付けてある場所は、玄関やキッチン、洗面所です。

2.電気機器の電源を落とす

漏電遮断器が落ちているのを確認したら、安全のためすべての電気機器の電源を落とし、コンセントを抜きましょう。手が水に濡れていると感電しやすいため、ブレーカーや電気機器に触れる時は、手の水分を拭き取り、ゴム手袋をしておくと安心です。

3.漏電修理業者に点検してもらう

漏電表示装置(黄色のボタン)が飛び出ていれば、漏電と判断できます。

漏電箇所の特定が済んだら、漏電している箇所の電気は使用しないようにします。そして、速やかに漏電修理業者に連絡し、点検・修理をしてもらいましょう。

漏電箇所の特定方法

1.ブレーカーを全て「切」にする

漏電遮断器の右側にある安全ブレーカーのスイッチを全て「切」にします。漏電遮断器のスイッチが中間で止まっている場合は一番下まで下げます。

2.漏電遮断器のスイッチを入れる

主幹ブレーカーが「入」になっていることを確認したら、飛び出た漏電遮断装置を押し込み、漏電遮断器のスイッチを上まで上げます。

3.安全ブレーカーを一つずつ「入」にする

安全ブレーカーのスイッチを一つずつ「入」にしていきます。この時、漏電ブレーカーが落ちたら、その箇所の回路が漏電しています。

もし、問題なく全ての安全ブレーカーを「入」にできたら、一時的な漏電が考えられます。

関連記事:ブレーカーが落ちた時はどう対処する?解決の手順を徹底解説します!

漏電が発生する原因とは?

漏電遮断器は漏電が発生することで落ちますが、そもそもなぜ漏電が発生するのでしょうか。ここでは、漏電が起きる原因をご説明します。

水に濡れる

家電製品や電源プラグ、コンセントが水に濡れると漏電しやすくなります。

生活の上で使用する水には不純物が含まれており、電気を通しやすいため、水を介して漏れ電流が発生することがあるのです。水回りで家電製品を使用する時は、水濡れに注意しましょう。

また、家電製品が水に濡れることで内部の部品が腐食し、漏電の原因になることがあります。

電化製品の劣化

長く使用している電化製品は、本体と同様にコード類の絶縁体も劣化しています。

絶縁体とは、電気を通しにくくする物質のことで、電化製品のコンセントには必ず使われています。電線が絶縁体で覆われていれば、コンセントに触れても人が感電する心配がありません。しかし、絶縁体が劣化して中の電線が剥き出しになると、電気が本来の回路から漏れて流れてしまいます。すると、漏電遮断器が漏電を検知してブレーカーが動作します。

絶縁体の劣化は外観では分からないケースが多いため、頻繁に漏電遮断器が落ちる場合、電化製品やコード類の劣化を疑ってください。必要に応じてコンセントを交換するか、電化製品を修理しましょう。

家電製品の故障

家電製品内部にはさまざまな部品があり、1つでも不具合が生じると故障することがあります。そうなると、家電製品自体から漏電することもあり、家電製品に触れると感電の恐れがあり大変危険です。

また、故障した家電製品をそのまま使用し続けると、発火などの危険もあるため、ただちに使用を中止してください。特に、湿気の多い場所や塩害を受けやすい地域では、金属部品の腐食が進みやすいため注意が必要です。専門業者に依頼して修理してもらうか、電化製品の買い替えも検討しましょう。

電気コードやプラグの破損

電気コードやプラグが破損したり、コードが断線している場合、剥き出しになった銅線から漏電する恐れがあります。コンセントの抜き差しで破損することもありますが、子供やペットが齧ることで断線するケースもあるため、コード保護カバーなどを利用すると良いです。

コンセントの劣化やほこり

コンセントがゆるくなっていると、電源プラグとの間に隙間ができやすいです。コンセントの隙間にホコリが詰まり、そこに湿気が加わって漏電することがあります。コンセントの埃が原因で火花が出ることをトラッキング現象といい、火災に発展する恐れもあるため日ごろから注意が必要です。

関連記事:ブレーカーが落ちる原因って何?対処法をまとめて解説します!

漏電遮断器やブレーカーのトラブルはDENKI110にお任せください

今回は、漏電遮断器とは何か、漏電する原因や解決方法を併せて解説しました。

漏電は感電事故や火災の原因になるため、放置しておくのは大変危険です。万が一漏電が発生した時は、専門業者に依頼して調査してもらいましょう。

しかし、漏電遮断器自体が故障してしまうと、漏電が発生していても気づくことができません。

漏電遮断器が故障していないかどうか、「テストボタン」を使えば確認することができます。テストボタンは、漏電表示ボタンの下にある灰色、もしくは緑色、赤色のボタンです。
使い方は簡単。漏電遮断器のスイッチが「入」の状態でボタンを押すだけ。ご自分で定期的に確認してみてください。

漏電遮断器が作動しない時は、ブレーカーの故障が疑われるため、交換が必要です。ブレーカーの交換は電気工事士の資格がないとできない作業ですので、DIYで行うのは避けてください。

漏電遮断器やブレーカーのトラブルを解決するには、専門知識や電気的な技術を必要とします。お困りのお客様は、電気工事のプロである『DENKI110』にご相談ください。

参考サイト:DENKI110(電気工事)

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