エアコンから
冷たい風が出てこなくて困った時、故障を疑ってしまう前に確認したいことがあります。
冷風が出ないトラブルの原因として多いのが、「エアコンフィルターがホコリで目詰まりしている」「室外機の周辺に物があり熱が上手く排出されていない」「エアコンの冷媒ガスが漏れている」の3つです。
エアコンのフィルター掃除が行き届いており、かつ室外機周辺に問題がない場合、
エアコンのガス漏れが考えられるでしょう。エアコンのガス漏れは、エアコンの新規取り付け時や移設時の配管取り付けミスや経年劣化による接続部および配管の腐食が主な原因で起こります。
エアコンのガス漏れが起きた時は、エアコン室外機の
ガス充填を行う必要があります。今回の記事では、シャープ製エアコン「AU-A22SXY」の事例をもとに、エアコンのガスチャージ方法を解説します。
エアコンの風は出るが冷房が効かない
今回は、アパートにお住まいのお客様よりエアコンの不具合でご連絡いただきました。詳細をお聞きしたところ、
「エアコンから風は出てくるものの、全く冷えない」というご状況でした。
お電話いただいたのはちょうど暑い日だったため、お客様は「部屋が非常に熱い」とお困りのご様子でした。ひとまず、近くのコンビニで涼んでいられるとのことです。
なるべく早く来て欲しいとのことですので、担当エリアのスタッフが急いで現地に駆け付けることになりました。
現地調査にてエアコンのガス漏れを確認
エアコンの風が出るが冷房が効かないというトラブルの多くは、
ガス漏れが原因です。当日、お客様のご自宅にお伺いしたスタッフも、ガスの充填を行うことを想定し、必要工具を一式揃えていました。
まず、現地調査にてエアコンの室内機および室外機の点検を行います。フィルターに目立った汚れなどはなく、エアコンクリーニングは半年ほど前に済ませたそうです。室外機の周りに空気の循環を塞ぐものは特になく、外観上は何の問題もありません。
エアコン本体のランプ表示を確認したところ、
ガス漏れの可能性がある異常表示が出ていました。
先日、お客様がご自身で掃除を行った際、少しだけ室外機本体を動かしてしまったそうです。その時にガス漏れした可能性があると判断しました。また、
冷媒配管に霜が付着していることでもガス漏れが確認できました。
さらに、ガス漏れ検知剤でガス漏れ箇所が「室外機側の配管繋ぎ目」であることが分かりました。
今回は、
ガスチャージにて対応させていただくことになりました。
エアコン「AU-A22SXY」にガスを充填して対応
ここでは、SHARPのエアコン「AU-A22SXY」にガスチャージを行った事例を参考に、エアコンガスチャージの方法と手順をご説明します。
エアコンガスチャージの方法と手順
1.フレアナットの増し締めを行う
今回の事例では、配管を接続しているフレアナットの締め付けがもともと弱かったようです。配管の繫ぎ目からのガス漏れを防ぐため、トルクレンチを用いて
フレアナットを増し締め(きつく締め直すこと)しました。
この時、力を入れ過ぎてフレアナットを壊してしまわないように注意が必要です。
2.真空引きを行う
エアコンのガスチャージを行う前に、エアコンの中を完全に
真空状態にしなければなりません。そのために、
真空引きという作業を行います。
真空ポンプと室外機をチャージホースで繋ぎます。この時、ホースは室外機の
低圧側バルブに接続します。
バルブを開き、真空ポンプの電源を入れて
15分程度運転させます。ゲージマニホールド(圧力計)のゲージが
-0.1MPaに下がったらバルブを閉めます。
一旦真空ポンプの電源を落とし、ゲージマニホールドのゲージに変化がないか確認します。
3.ガスの充填を行う
次に、ようやくガス補充に入ります。エアコン室外機に貼られたシールで、
冷媒の種類と規定量を確認してください。今回、充填するのはR410Aです。規定量は1.28㎏ですので、スケールの目盛りを見ながら作業します。
スケールの上に冷媒ガスボンベを置き、スケールの目盛りを0にして、ボンベとゲージマニホールドを接続します。低圧側バルブを開けてガスの充填を行い、規定量になるのを確認したら、ガスチャージ完了です。
4.バルブを閉める
ゲージマニホールド⇒冷媒ガスボンベの順にバルブを閉め、室外機側サービスポート⇒冷媒ガスボンベの順にチャージホースを取り外します。
5.エアコンの動作チェックを行う
室内に戻り、
エアコンから冷風が出るか確認します。リモコンの電源ボタンを押し、冷房運転を行い、問題なく冷えることをお客様にご確認いただきました。
エアコン「AU-A22SXY」の特徴
今回、DENKI110でガスチャージを行ったエアコンは、シャープのプラズマクラスターイオンシリーズです。室内機の型番は「AY-A22SX」、室外機の型番は「AU-A22SXY」となります。
ここでは、「AU-A22SXY」の主な特徴をご紹介します。
プラズマクラスターイオンで、お部屋の空気をいつも清潔に保てる
通常よりもパワーを抑えた省エネ運転を行い、電気代節約に繋がる
プラズマクラスターイオンの作用で、1日1回お部屋の空気を浄化できる
プラズマクラスターイオンの作用で、衣類に付着した不快なにおいを軽減する
室温の上がりすぎや下がりすぎを防ぐため、設定温度を自動でコントロール
電気料金の目安や運転時間(日別、月別)を確認できる
プレクリーニング、フィルター掃除、内部清浄の3つのお掃除機能
エアコンの寿命や買い換え時期の目安は?
今回、ガスチャージを行ったエアコンは2011年製のものでした。10年以上前の機種になるため、そろそろエアコンの交換を検討されても良いかと思います。
エアコンの寿命は一般的に「約10年」といわれています。環境省が行っている「COOL CHOICE5つ星家電買換えキャンペーン」でも、冷蔵庫やエアコンなどの家電は10年を目安に省エネ性能の高い製品に買い換えることを推奨しています。
10年前の家電製品と最新の家電製品を比べると、最新の家電製品の方が
最大40%以上も省エネ性能が高いと考えられています。購入から10年経過したエアコンは積極的に買い換えを検討しましょう。
また、エアコンには各メーカーが定めた
「補修用部品の最低保有期間」というものがあり、この期間を過ぎると、修理に必要な部品が製造中止になってしまう可能性があります。大体10年程度で期間が過ぎるため、修理が不可能になった時点でエアコン本体を買い換える必要があるでしょう。
エアコンの不具合は買い換えるタイミング
エアコンを長く使用していると、さまざまな不具合が生じるリスクが高くなります。
今回の事例のように、
「エアコンから冷たい風が出ない」「冷暖房が効かない」というトラブルも非常に多いです。今回は配管の繫ぎ目の緩みによるガス漏れが原因でしたので、ガスの充填で解決できました。
しかし、不具合の原因や故障の程度によっては、修理やガスチャージよりも
エアコンを買い換えた方が安く済む場合があります。長く使用しているエアコンは、修理を行ってもすぐに故障してしまう恐れがあるため、費用がかさむ可能性があります。特に、エアコン内部にあるコンプレッサーの修理・交換は高額になります。
エアコンの不具合は、
買い換えの一つのタイミングと考えておきましょう。
参考記事『エアコンの寿命は何年?壊れる前に確認する方法を教えます!』
エアコンのガスチャージや交換工事はDENKI110にお任せください
今回は、ガス漏れが起きたエアコンのガスチャージ方法を、シャープ製エアコン「AU-A22SXY」の事例をもとにご紹介しました。
エアコンは長く使用していると、
「冷たい風が出てこない」「異音がする」「水漏れが起きる」などのトラブルが発生しやすくなります。
長持ちさせるためにも、定期的にエアコン掃除を行ったり、プロにエアコンクリーニングをしてもらったりすると良いです。
また、不具合が生じた際は
専門業者に調査してもらうことをおすすめします。
『DENKI110』でもエアコンに関するさまざまなトラブルに対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
参考サイト: DENKI110(電気工事)
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