落ちるブレーカーはアンペア計算で電気容量を見直そう!
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自宅でIHクッキングヒーターや電子レンジ、エアコンなどの家電を使ってブレーカーが落ちたことはございませんか。
ブレーカーが落ちてしまう原因としては電力会社と契約しているアンペア数よりも多くの電力を使ってしまうことがあげられます。
電力の使い過ぎでよくブレーカーが落ちてしまう場合は家電の電気使用量とブレーカーの電気容量について理解したうえで、節電したり契約アンペアを見直したりする必要があります。
当記事ではブレーカーが落ちるトラブルの解決を題材に、家電のアンペア数の計算方法と電気容量の確認方法を解説していきます。
電気容量とは?アンペアとワット、ボルトの関係性
アンペア・ワット・ボルトは電力を表す単位で家電のアンペア数や電気容量を計算するために必要になります。
アンペア・ワット・ボルトの関係性 | |||
---|---|---|---|
単位 | 関係性と役割 | ||
アンペア | A | 電流 | 流れる電流の大きさ |
ワット | W | 消費電力 | 家電の動作に必要な電力 |
ボルト | V | 電圧 | かかる電気の圧力 |
電力の関係性は上記の通りです。それではアンペア・ワット・ボルトの変換方法を簡単に紹介いたします。
アンペア・ワット・ボルトの計算式 |
---|
アンペア(A)= ワット(W)÷ ボルト(V) |
ボルト(V)= ワット(W)÷ アンペア(A) |
ワット(W)= アンペア(A)× ボルト(V) |
計算式はアンペア・ワット・ボルトであらわすことができます。それでは、実践的に見ていきましょう。
家電製品のカタログには、消費電力(ワット)の記載がありますので探しましょう。
消費電力(ワット)がわかればアンペア数を計算することができます。
アンペア数(A)=消費電力(W)÷電圧(V)
電圧(V)に関しては、100Vもしくは200Vです。日本の住宅のコンセントは一般的に100Vですが、パワーを必要とするIHクッキングヒーターやエアコンには、200V仕様の製品もあります。
最近の傾向では、消費電力(W)の数値がカタログに記載されていないこともあります。冷蔵庫やテレビなどは、1年間の使用量を想定した値である、年間消費電力量(kWh)で記載されている場合が多いです。その場合は、東京電力の「わが家のアンペアチェック」を確認して、目安の値を参考にしましょう。
家電製品のアンペア数を計算する方法
実際のカタログから、アンペア数を計算してみましょう。まずは、エアコンからです。
消費電力(W)から電気容量(A)を算出
上記のようなカタログ値のダイキンエアコンを例にとってみましょう。暖房時と冷房時の消費電力が記載されているので、数値の大きいほうを採用します。8畳用のエアコン(S25YTES)の消費電力は、冷房時のほうが大きいので710Wとします。100V仕様のエアコンなので、アンペア数は、710(W)÷100=7.1A、となります。10畳用のエアコン(S28YTES)では、暖房時のほうが消費電力が大きいので、860(W)÷100=8.6A、と計算できます。
以上でワットとボルトからアンペアに変換ができました。※カタログのカッコ内()の数値は、最小と最大の消費電力です。また、通常運転時に近い定格運転時の値を採用します。
次に、冷蔵庫です。AQUA(アクア)という家電メーカーのカタログを例にとります。
上記のように冷蔵庫のカタログには、消費電力の記載はなく、年間消費電力量の値のみが記載されています。下記紹介ありますが、この値から消費電力値を算出することはできません。なので、参考値として「450L程度の冷蔵庫の消費電力は2.5A」という値を目安にしましょう。ちなみに冷蔵庫は、容量が大きくなると消費電力は少なくなり、容量が小さくなると消費電力が大きくなる傾向があります。100L程度の容量が小さめの冷蔵庫は、目安の2.5Aよりも大きめの値としても良いでしょう。
東京電力が提示してくれている、家電製品の種類別によるアンペア数の目安は、エアコン6.6A、冷蔵庫2.5A、電子レンジ15A、液晶テレビ2.1A、炊飯器13A、掃除機10A、IHクッキングヒーター30A、アイロン14A、食器洗い乾燥機13A、ドライヤー12A、洗濯乾燥機13A、となっています。
kw、Wh、kwhからアンペア計算する方法
kwのアンペア計算
1kwはk(キロ)1Wの1000倍の力であることを意味していますので1000Wに直すことができます。
従って、消費電力(W)を電圧(100V)でわればアンペアを計算することができます。
例:炊飯器(0.5kw)は500Wであるため。500(W)÷100=5Aとなります。
Wh、kwhのアンペア計算
まず、1whは1ワットアワーと読み、1wあたりに1時間消費する電力量であることを意味しています。
ここでポイントになるのが電力(W)は1秒に消費する電力であるということ。そして、電力量(Wh)は1時間に消費した電力量であるということです。
電力は使う力で電力量は力を時間分使った量ですから、電力(W)=電力量(Wh)ではないことがわかります。1秒あたりに消費する電力量は電力(W)で表すことができず、電力量(J)を用います。
したがって、Whとkwhからアンペアの計算はしません。Whとkwhは電気料金を計算する際に使う基本単位であるとおさえておきましょう。
家電に応じたブレーカーのアンペア選定早見表
契約アンペア数は、同時に使う可能性のある家電製品の、アンペア数の合計値を参考に選定します。一人暮らしの経験がある、この記事の筆者のケースを表にまとめてみました。
常時使用時 | 家電製品 | 消費電力 | アンペア数 | 電線の太さ | 必要な子ブレーカー(A) |
---|---|---|---|---|---|
エアコン | 700W | 7A | 1.6mm~ | 15A~ | |
※エアコン(200v) | 1000W~ | 10A | 2.0mm推奨 | 20A推奨 | |
冷蔵庫 | 250W | 2.5A | 1.6mm~ | 15A~ | |
テレビ | 100W | 1A | 1.6mm~ | 15A~ | |
LED照明 | 100W | 1A | 1.6mm~ | 15A~ | |
パソコン | 100W | 1A | 1.6mm~ | 15A~ | |
電子レンジ | 1300W | 13A | 2.0mm推奨 | 20A推奨 | |
炊飯器 | 500W | 5A | 1.6mm~ | 15A~ | |
洗濯機 | 400W | 4A | 1.6mm~ | 15A~ | |
充電式の掃除機 | 0W | 0A | ※(充電時)1.6mm~ | ※(充電時)15A~ | |
合計(※を除く) | 3450W | 34.5A |
上記の通り、主要な家電製品のアンペア数の合計は、34.5Aとなりました。常時使用する家電製品のアンペア数の合計は12.5Aであり、同時に使用する可能性があるのは、電子レンジ(13A)と炊飯器(5A)なので、12.5A+13A+5A=30.5Aとなります。この場合、契約アンペア数を「30A」としても、頻繁にブレーカが落ちることはなさそうです。
30Aのブレーカーを選定した場合は、電子レンジを使うときは、ほかの家電製品との併用は、避けたほうがブレーカーが落ちるリスクが下がります。
ブレーカー電気容量の確認方法
ここまでアンペア・ワット・ボルトの変換について確認してきましたが、実際に自分が契約している電気容量がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ブレーカーの電気容量の確認方法は次の通りです。
- ①電力会社から郵送される検針票を確認する
- ②電力会社のマイページで契約内容を確認する
- ③分電盤を開けてアンペア数、色を確認する
東京電力で契約できるアンペア数を色で表すと
ブレーカーの色 | 赤 | ピンク | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
契約アンペア数 | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
上記のようになります。
アンペアブレーカーの選定で落ちるブレーカーの電気容量を見直そう
通常、エアコン1台と電子レンジ1台を同時に使うと、それだけで20Aとなります。この2つの家電製品を使用するのが前提となる場合、契約アンペア数は「30A」以上の選定が必要になるでしょう。さらに、住人の人数が増えて、同時に使用するエアコンの台数も増えたのなら、より大きな契約アンペア数が必要です。エアコン2台を同時に稼働しながら電子レンジ1台を使う(約27A)可能性があるなら、契約アンペア数は「40A」以上で選定したほうが良いでしょう。
子ブレーカーの選定で落ちるブレーカーの電気容量を見直そう
ブレーカーが落ちる原因として起こるブレーカーの容量不足はアンペアブレーカーだけではありません。
例えばキッチンの子ブレーカーの許容電流が20Aだった場合、同じ回路内で炊飯器(8A)と湯沸かしポット(7A)、電子レンジ(15A)を合わせると20Aを大きくオーバーした30Aになるため、一緒に使うことができません。
契約アンペアは40Aなので過電流保護装置は作動しませんが、子ブレーカーの方の過電流保護装置によって子ブレーカーが落ちてしまいます。
子ブレーカーがよく落ちるといった場合もアンペアブレーカーと同様に消費電力の大きい家電の使用を控えたり同時に動かす家電の数を減らしたりする事で対処することができます。
それでも解決せずに頻繫に子ブレーカーが落ちてしまうという方は子ブレーカーの分岐回路数を見直す必要があります。
この場合は電気修理業者に相談して家電の専用回路を選定する事で子ブレーカーがよく落ちるという問題は解決することができます。
DENKI110ではブレーカーの増設をはじめとしたコンセント回路の引き直しや増設工事に関する相談、工事を承っております。どうぞご気軽にご相談ください。
20Aと30Aは一人暮らしの契約アンペアの目安
一人暮らし向けの物件は、契約アンペア数は20Aか30Aが多いです。一人暮らしなら、ファミリー世帯と異なり、一度に複数の家電製品を使う場面もあまりありません。また、仕事や学校など、家を空けている時間もファミリー世帯よりも増えがちです。そのため、人によっては20Aでも十分というケースもあります。
とはいえ、寒い日にエアコンを入れながら調理をしたり、ドライヤーをかけたりといった一時的に多くの電力を使う場面もあります。そのようなときにブレーカーが落ちると焦りますし、家電が壊れるトラブルが起きる可能性もゼロではありません。そこで、安心して家電を使えるよう30Aで契約しておく方が望ましいでしょう。
契約アンペア数を判断できないときは、業者に相談しよう
ご自宅の契約アンペア数は、住んでいる住人の人数でも、おおよその判断はできます。1人もしくは2人暮らしなら30A、3人以上で家電製品が少ないなら40A、3人以上で家電製品が多いなら50A、2世帯住宅など大家族なら60A、といた具合です。オール家電の住宅であれば、それ以上のアンペア数が必要な場合もあります。
エアコンを1台追加する程度なら、専用のブレーカーとコンセントを追加するだけで問題のない場合もあります。使い方を工夫することで、運用することも可能でしょう。ですが、IHクッキングヒーターなど、さらに消費電力の大きい家電製品を導入する場合は、専用の回路を設けると同時に、アンペアブレーカーの見直しも必要です。ご自身で判断できない場合は、専門の業者さんに相談するようにしましょう。
『DENKI110』では、契約アンペア数の変更に伴う作業にも迅速に対応しております。資格を持った作業員が担当しますので、お気軽にご相談くださいませ。
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