コンセントの修理には資格が必要?DIYできる場所やその方法も解説
「古いコンセントを修理したいのだけど、特別な資格がない…」という方は多いと思います。コンセント修理にあたり、多くの方が「資格が必要かどうか」という疑問を抱くことでしょう。
結論から言うと、コンセントの修理には「電気工事士」の資格が必要です。コンセントの裏側には配線(電線)が複雑に繋がっており、配線工事には専門知識が必要です。感電などの危険も伴うため、資格のない人が作業してはいけないのです。
しかし、コンセントの一部分であれば、自分で修理できる場合もあります。
この記事では、コンセントの修理と資格について、資格が必要な理由やDIYできる場所、交換方法などを解説します。
コンセントの修理には資格が必要?
冒頭でもお伝えしたように、コンセントの修理には基本的に資格が必要です。しかし、コンセントの特定の部分であれば自分で修理できる場合もあります。コンセントの修理で資格が必要な場合と必要でない場合との違いは何でしょうか。
資格が必要なコンセント修理
コンセント本体の交換や新規取り付け、増設など、壁の中の配線に触れるものは電気工事士の資格が必要です。
配線には電気が流れており、取り扱いを誤ると感電や火災などに繋がる恐れがあります。そのため、電気工事士の資格を持った人でなければ配線工事が行えないことが法律で定められています。屋内配線やコンセントの修理・交換などは、第二種電気工事士の資格が必要です。
万が一、資格のない人が配線工事を行った場合、「3万円以下の罰金、または3ヵ月以下の懲役」が科せられる可能性があります。
【DIY】資格が不要なコンセント修理
コンセント内部の配線に触れない範囲であれば、電気工事士の資格がなくても修理できます。例えば、コンセントカバー(コンセントの表側にある保護プレート)の交換やコンセントプラグ(家電製品のコードの先端部分)などです。これらを修理する際、屋内配線に触れる作業は伴わないため、DIYでも可能です。
コンセント・コンセントカバー・プラグの交換方法
それでは、コンセントやコンセントカバー、コンセントプラグの実際の交換方法をみていきましょう。コンセント交換には資格が必要ですので、資格のない方は参考までにご覧ください。
コンセントの交換手順
まずは、コンセント本体を交換する方法と手順をご紹介します。
1.安全確認
交換するコンセントのブレーカーをオフにして、電気が流れていないことを確認します。スイッチ付きコンセントの場合は、電源を切ってOFFの状態にしてください。
2.ネジを緩める
コンセントプレートがネジで固定されている場合は、ネジを緩めます。ネジのない種類は、プレートとプレートの間にマイナスドライバーを差し込み、持ち上げるようにして外せます。
コンセントプレートを取り外すと、コンセント本体が露出するので、上下二ヶ所のネジを緩めて外し、外枠→本体の順に取り外します。
3.配線を外す
コンセント本体の裏にあるネジを緩め、電線を引き抜きます。そして、金属製の連用取付枠とコンセント本体とを分離させます。取り付け時に配線が分からなくならないよう、どの配線がどの端子に接続されているか、写真を撮っておくと便利です。
4.新しいコンセントを取り付ける
コンセント商品の多くは、本体と取付枠、プレートの3つの部品で構成されています。新しいコンセントを取り付け、電線を正しく配線してください。
一般的には、本体裏側に「W」という文字表記があり、その穴に白い電線を差し込むようになっています。「W」の表記がない方に黒い電線を差し込みます。
通常、金属製のコンセントボックスには接地線も接続されます。接地線とは、アース線とも呼ばれる黄色と緑色の線で、万一漏電した時に電気を地面(アース)に流す役割をもつものです。
5.設置の確認
すべてが正しく接続されたか確認し、コンセントを固定します。
6.電源を戻す
ブレーカーを元に戻して電源を入れ、家電製品を接続するなどして動作確認を行います。家電製品が問題なく使用できるようでしたら、コンセントが正常な動作が確認できます。
コンセントカバーの交換
こちらはDIYでも可能な作業となります。ご自分でコンセントカバーの交換を行う場合は、次の手順を参考にしてください。
1.ブレーカーを落とす
感電防止のため、ブレーカーを落としてから作業することをおすすめします。
2.カバーを取り外す
古いコンセントカバーを取り外すために、固定しているネジを外します。ネジを緩め、古いカバーを外すだけなので難しい作業ではありません。ネジがないタイプのカバーは、マイナスドライバーを差し込んで持ち上げるようにすれば外れます。
3.新しいカバーを取り付ける
新しいコンセントカバーを取り付け、ネジを締めます。注意深く取り付け、均等に締め付けるようにします。
コンセントプラグの交換
コンセントプラグの交換にも資格は必要ないため、DIYで可能です。
ただし、作業を進めるためには、いくつかの工具や専門的知識が必要です。
- 新しいコンセントプラグ
- ドライバー
- 電工ペンチ
- 半田ごて(あると便利)
上記は最低限必要なものですので、コンセントプラグ交換の際は事前に準備しておきましょう。
1.プラグを確認
古いプラグが損傷している場合は、新しいものに交換する必要があります。プラグを購入する際は、新しいプラグが既存のコンセントに合致することを確認してください。
コンセントプラグはコンセント(プラグ受け)とペアになっており、ペアでないものは使用できません。
例えば、日本の一般家庭で用いられる単相100Vのコンセントは、ブレードとプラグ受けが縦に2本並んだ形状になっています。
一般家庭のコンセントでも、エアコン用コンセントは他のコンセントと形状が異なる場合が多いです。100V15Aであれば他のコンセントと同じ形状ですが、100V20Aや200Vの場合はプラグ形状が違うため、ペアになったプラグ受けが必要です。また、アース線付きのプラグに交換する場合、接地極付きのコンセントが必要です。 |
2.配線の確認
プラグの裏にある配線を確認し、正しく接続されていることを確認します。配線の状態を後で確認できるよう、写真を撮っておくと便利です。
3.電源コードの被覆を切り取る
コンセントプラグの交換に当たり、配線に問題がある場合は電源コードごとカットします。カットする箇所は、プラグから2~3㎝程度の位置です。
くっついたコードを1本ずつに割き、ビニール被覆を切り取ります。使用する電工ペンチは、コードの太さに合致する必要があるため注意が必要です。
コードをカットする必要がない場合は、古いプラグを取り外してください。
4.新しいプラグに交換
銅線をねじってまとめ、新しいプラグに配線を接続します。通常、プラグの端子には「L」(ライブ)、 「N」(ニュートラル)、および「E」(地線)の頭文字があります。ネジを外して銅線を巻き付け、ネジを元のように固定します。プラグのカバーを元に戻したら、交換作業は完了です。
5.動作確認
配線がしっかりと接続されているか確認し、新しいプラグが正常に動作するか試します。
コンセントの交換が推奨される状態や症状
コンセントやコンセントプラグの交換は、いつどのような時に行えばよいのでしょうか。ここでは、コンセントの交換が推奨されるコンセントの状態や症状をご説明します。
損傷や劣化がみられる
劣化したコンセントは火災の原因となる可能性があります。コンセントが損傷していたり、プラグを挿入する部分が劣化している場合、交換を検討してください。
特に、コンセントが焦げた場合は早急に交換するようにしましょう。たとえ小さな焦げ跡であっても、電線が損傷しているケースなども考えられます。火災を未然に防ぐため、電気工事業者に相談をし、適切に対処してください。
プラグが緩んでいる
プラグを差し込んだ際にゆるんだり、保持されない場合、コンセントが劣化している可能性があります。コンセントやプラグは摩耗ですり減り、ゆるくなることがあるため、長年使用しているものや使用頻度の高いものは緩みが顕著な傾向にあります。
コンセントが暖かい
コンセントが素手で触れないほど暖かい場合、過度な電力が発生している可能性があり、危険な状態となっている可能性があります。まずは家電製品の使用をやめ、コンセントに触れないようにしてください。電線が断線している恐れもあるため、電気工事業者に点検を依頼するのがおすすめです。
頻繁にトリップする
同じ回路が頻繁にブレーカーをトリップさせる場合、コンセントや配線に問題がある可能性があります。使用する電力を減らしても頻繁にブレーカーがトリップする場合は、修理も視野に入れて電気工事業者に点検を依頼するのがおすすめです。
ブレーカーはなぜトリップする? 回路ごとのブレーカーは配線用遮断器と呼ばれ、その回路に過剰な電流が流れた時にトリップする仕組みになっています。1つのコンセントに流せる電気は15Aと決まっているため、超過電流が流れるとトリップするのです。電気の使い過ぎが原因であれば、使う家電を減らすことでトリップを防げます。 |
古い建物や機器を更新する
古い建物や機器の場合、コンセントが古くなり、現代の電気負荷に対応できない可能性があります。建物や機器を更新する際には、コンセントの交換を検討しましょう。一般的に、コンセントの寿命は10年程度といわれます。ですから、本体の取替え時期も10年が目安です。
コンセント工事にかかる費用相場
修理や交換などコンセント工事を電気工事業者に依頼するにあたり、「料金がいくらかかるか心配…」という人は多いと思います。コンセント工事の内容にもよりますが、業者に依頼する場合は交換する部材の費用に加え、工事費用や出張費がかかることがあります。
コンセント修理(交換)の工事費用
コンセントプレートのみの交換であれば、配線工事の必要がないため、本体交換に比べて費用は安めです。しかし、コンセント本体を交換する場合は配線工事の料金がかかるため、費用はその分高額になります。また、コンセント増設となると、壁に穴を開ける作業が必要になるため、さらに費用が高くなります。
コンセント1ヵ所あたりの工事費用を比較してみました。
サービス内容 | 費用相場 |
---|---|
プレート交換 | 2,000~3,000円 |
コンセント本体の交換 | 5,000~10,000円 |
コンセント増設 | 20,000円 |
配線の交換、延長 | 5,000~15,000円 |
上記の費用相場はあくまでも目安です。実際の料金は施工する会社によって異なるため、工事を依頼する前に見積りを提示してもらいましょう。業者の中には無料で見積りをしてくれるところもあります。
コンセント部材費用と出張費
予算を出す時は、コンセント修理(交換)の工事費用に加え、部材費用と出張費も考慮しなければなりません。コンセント本体の価格は、商品にもよりますが、数百円から数千円です。出張費に関しては、依頼する会社によって大幅に差が生じることがありますが、一般的な相場は10,000~15,000円程度になります。
コンセント修理は資格のある電気工事士に依頼しましょう
コンセント工事は一見簡単そうに見えるかもしれませんが、感電や火災などの危険を伴う作業で、配線の知識などが必要です。
電気工事士の資格を持つ人でないと配線工事ができないことが法律で定められています。コンセントの修理や交換をご自分で行おうとせず、必ず資格のある電気工事士に依頼してください。
また、電気工事業者に依頼する際は、業者によって費用が大幅に異なることがあるため、複数の業者から見積りを取るようにしましょう。そのうえで、価格が適正で信頼できる業者を選ぶことが大切です。
DENKI110では、コンセントの修理を得意とする有資格者が依頼主さまのご自宅に駆け付け、スピーディーに対応させていただきます。コンセント工事をはじめとする電気工事でご用の方は、お気軽にご相談ください。
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