エアコンの交換は自分で行えば工事費用が安く済みますが、そもそも、
電気工事士の資格がなければ作業できません。壁に本体を取り付けるだけでなく、配線を接続したりコンセントを取り換えたりするなどの
電気工事を伴うからです。
専門工具や高度な知識が必要になるため、結局のところ専門業者に依頼するのがもっとも安価でリスクが低いといえます。
「プロのエアコン工事ってどんなことをするの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そんな疑問を解消すべく、この記事では、実際の施工事例をもとに、
エアコン交換工事の作業内容をご説明します。
ルームエアコンの調子が悪いため修理か交換を希望
今回のお客様は、
日立のルームエアコン「RAS-R22Z」をご使用になられていました。
エアコンの調子が悪く、
冷房の風量が弱いことや異音が気になることなどから、点検してほしいとのことです。できれば使い続けたいが、修理不可もしくは修理費用がかかるようであれば、交換も検討していると詳しいご希望をお伝えいただきました。
無料見積りで料金を見てから考えたいとのことでしたので、まずはお客様のご自宅にお伺いし、状況を確認することになりました。
点検にて既存のエアコンの経年劣化を確認
現地で既存のエアコンを拝見したところ、全体的に経年劣化が見られました。
冷房の効きが悪いのは、おそらく
配管の腐食による冷媒ガスの漏れが原因です。スタッフがガス圧を計測したところ、通常より数値が低いことが確認できました。また、冷房運転を行っている最中に、室外機の配管に霜がついていることを確認。霜がつくというのも、ガス漏れのサインの一つです。
室外機のカタカタという異音は、
コンプレッサーの故障によるものと考えられます。コンプレッサーは冷媒の温度を調節するのに必要な機械ですが、高額な交換費用がかかります。
点検の結果を踏まえ、お客様に
エアコン本体の交換をご提案しました。見積りを提示後、ご承諾をいただきましたので、後日交換取り付けを実施しました。
エアコンを「RAS-R22Z」から「AC-22NFT」に交換取付
エアコン交換の工事日当日、必要な工具と新品のエアコンを用意してお客様のご自宅を訪問しました。今回は、日立の「RAS-R22Z」からシャープ「AC-22NFT」への交換の施工事例をご紹介します。
エアコンを交換取り付けする方法と手順
1.既存のエアコンの冷媒回収
エアコンを取り外す際は、地球環境保護の観点から、必ず既存のエアコンの冷媒回収作業(ポンプダウン)を行ってください。
ポンプダウンの手順は次の通りです。
5分程度強制冷房運転を行う⇒室外機の側面カバーを外して六角ナットを2ヵ所外す⇒細い配管のバルブを時計回りに回して閉める⇒太い配管のバルブを時計回りに回して閉める⇒エアコンの運転を停止する⇒コンセントを抜く
2.既存の室外機の撤去
配管パイプに接続されているナットを2ヵ所とも外し、プシュっという音がしたらポンプダウンに成功しています。続いて、電源コードの切断です。
黒・白・赤の順で灰色の部分をニッパでカットします。
室外機を固定している台座を外したら、室外機を撤去します。
3.既存の室内機の取り外し
室外機を持ち上げるようにして据付金具から取り外し、
配管パイプやドレンホースを切断します。据付金具のネジをドライバーで外したら、据付金具も取り外します。
4.新しい据付金具と室内機の取り付け
水準器を当てながら、壁に据付金具を水平に取り付けていきます。この時、
ネジを5本以上使用してしっかりと固定することが大切です。壁が石膏ボードの場合は、ボードアンカーを使用します。
既存の配管穴を利用し、貫通スリーブやウィールキャップを取り付けたら、室内機本体を取り付けます。その際、VVFケーブルを使用してユニット間配線を行い、
ドレンホースや補助パイプとまとめて配管穴に通します。
5.配管の取り付け
配管の取り付けを行います。配管の腐食がみられたため、今回は再利用せずに新規で取り付けました。
配管の取り付けは、室内機の裏側に繋がる2本の配管を室外機側面に接続する作業になります。
配管4m以内であれば標準工事の範囲内ですので、追加料金は発生しません。(※室内機と室外機の距離が離れている場合は延長が必要となり、工事料金が少し高くなります。)
配管を接続した後は、
化粧テープで配管を保護します。化粧カバーを取り付ける場合は、追加料金がかかります。
6.真空引きによるエアパージ
室外機を地面に設置したら、真空ポンプを使用して、室外機に冷媒ガスを流し、配管内の空気や水分を追い出す「エアパージ」を行います。
作業手順は以下の通りです。
- 太い配管のサービスキャップを外し、サービスポートにゲージマニホールドのチャージホースを接続する。
- 低圧側バルブを全開にし、真空引きを15分程度行う。
- 連成計が-0.1MPaになったら、低圧側バルブを全閉にし、真空ポンプを停止する。
- 細い配管と太い配管の弁キャップを外し、細い配管の弁棒を六角レンチで反時計回りに回し、冷媒漏れの確認をする。
- チャージホースを外し、配管のバルブを2ヵ所とも全開にする。
- 配管の弁キャップとサービスキャップをトルクレンチで取り付ける。
7.室外機のユニット間配線とアース工事
VVFケーブルを使用してユニット間配線を行い、室外機と室内機のアース工事を行います。アース工事は電気工事士の資格がなければ作業できません。
8.AC-22NFTの試運転
交換前
交換後
新たに設置したエアコン「AC-22NFT」の試運転を行います。15分以上運転を行い、冷たい風が出てくることを確認します。お客様にもお立会いいただき、工事完了です。
シャープエアコン「AC-22NFT」の機能と人気ポイント
- プラズマクラスター7000のNFTシリーズのルームエアコン
- プラスとマイナスのイオンで空気をきれいにする、プラズマクラスター送風運転
- プラズマクラスターイオンでカビの増殖を抑える、内部清浄運転
- 環境にやさしい新冷媒R32を採用
エアコンが動かない原因や改善方法をご紹介!
エアコンを長期間使用していると、「エアコンの効きが悪い」「室外機が動いていない」などのトラブルが発生することがあります。ここでは、エアコンが動かなくなる原因や改善方法をご紹介します。
コンプレッサーやファンの故障
エアコンから
「ブーン」「カラカラ」などの異音がする時は、冷媒を圧縮するコンプレッサーや風を送り出すファン、通電に関する基板が故障している可能性があります。
コンプレッサーやファン、基板は修理や交換が可能ですが、工事費用が高く、買い替えた方が安いケースがほとんどです。不具合を発見するためにも、定期的に試運転を行いましょう。
エアコンの一般的な寿命は約10年です。ほとんどのエアコンは、メーカーが定める「設計上の標準使用期間」も10年となっています。そのため、購入から10年を目安に交換を検討しましょう。
エアコンに汚れやゴミが詰まっている
エアコンから水漏れする場合、室内機のフィルターや室外機のドレンホースに汚れやゴミが詰まっている可能性があります。
フィルター掃除は2週間に1回と高い頻度で行うことが推奨されていますが、内部の汚れを取り除くにはプロによるエアコンクリーニングが必要です。
汚れやゴミが原因であれば、掃除を行うことで改善できるでしょう。
冷媒ガス不足
エアコンから冷風が出てこない場合は、冷媒ガスが不足している可能性があります。
冷媒ガスを充填することで改善できますが、原因によっては配管の破損や接続箇所の不備を修理する必要があります。
参考記事:
エアコンの寿命は何年?壊れる前に確認する方法を教えます!
DENKI110はエアコン取り付け工事に対応しています
今回は、
エアコンを「RAS-R22Z」から「AC-22NFT」に交換取付した事例などをご紹介しました。
エアコンは長期間使用していると何かしら不具合が生じてくるでしょう。エアコンが必要な時期に故障してしまうと慌ててしまうため、シーズンオフに点検や買い替えを行うことをおすすめします。
DENKI110では、
エアコン設置工事やエアコン修理、エアコン取り外しなどさまざまなサービスを提供しています。
エアコンに関するお困りごとがございましたら、何なりとお申し付けください。
参考サイト: DENKI110(電気工事) ※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。
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