暮らしの初めて物語: エレベーター

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今やお城にも装備されているエレベーター。高層の建物にはなくてはならない昇降装置ですが、その起源は一体いつなのでしょうか。今回はエレベーターの初めてに迫ります。

エレベーターの初めて

滑車とロープを使った上げ下ろしをエレベーターの起源とすると紀元前、古代ローマ時代にまで遡ります。考えたのは日本人にもおなじみのアルキメデス。紀元前236年のことと記されています。動力はもちろん人力で、用途も荷物用でした。

ローマ時代に入ると、ローマ皇帝ネロは、宮殿内に設置した人力エレベーターを使用していたほか、コロッセオには剣闘士と戦う猛獣を闘技場のあるフロアまで運ぶ人力エレベーターが用意されていたと言われています。

エレベーターの歴史

原始的なエレベーター
原始的なエレベーターは、箱型の乗り物に人が乗り込み、人力で麻のロープを手繰って上下移動するというもの。主に重い荷物を持ち上げるために使用されていたようです

以降、人力以外の動力が導入されるまでには、実に二千年以上もの時間が必要でした。ジェームス・ワットが1769年に発明した蒸気機関は、1835年エレベーターの動力となりました。こうしてエレベーターは飛躍的な進化をとげることになりますが、構造上危険と隣りあわせでもありました。

ロープが切れたり、外れたりする落下事故が多発したことから人員輸送用としては適していなかったエレベーターに、1852年ついに安全装置がとりつけられました。今もエレベーターメーカーの名前に残るE・G・オーチスによる逆転止め歯形による「落下防止装置」の発明です。1853年のニューヨーク万国博覧会に設置されたエレベーターにオーチス自らが乗り、多くの人の前でロープを切らせることで、その安全性を実証したのです。

安全装置の発明と並んで特筆すべきことは、カウンターウエイト方式の採用でしょう。釣合おもりとも呼ばれるこの方式は、エレベーターのかごとロープで結ばれた反対側におもりを吊るすことで、かごを効率よく昇降させるものです。この方式の登場により、高層ビルへの設置が可能になりました。また安全性能の飛躍的な向上ももたらします。カウンターウエイト方式の登場で、エレベーターの事故が激減することになったのです。

国内でのエレベーターは、1842年(天保13年)に水戸藩主徳川斎昭によって水戸偕楽園の休憩所「好文亭」に設置された、食事などを運ぶつるべ式の運搬機が日本初とされています。徳川斉昭公自らが設計したものと言われています。

1890年には浅草に12階建ての凌雲閣(通称浅草十二階)という、当時としてはモダンな高層建築物が建築され、その内部に日本初の電動式乗用エレベーターが設置されました。残念ながら関東大震災により凌雲閣は崩壊(八階より上が壊れ死者も10人以上)し解体されましたが、その後エレベーターは日本国内で広く普及していくことになります。まさに東京スカイツリーの元祖と言ってもいいですね。

浅草の凌雲閣"
日本初の電動式乗用エレベーターが設置された浅草の凌雲閣

エレベーターの現在

東京スカイツリーに4基ある東芝エレベータ株式会社製のエレベーター
東京スカイツリーに4基ある東芝エレベータ株式会社製のエレベーターは春夏秋冬の意匠が施されています。こちらは冬(都鳥の空)を表現した内装

20世紀になるとアメリカ合衆国の高層ビル建設ラッシュなどもあり、エレベーター産業は活況を呈しました。戦後は緊急停止ボタンや、故障の際にオペレーターと電話が繋がる緊急電話が採用されました。20世紀末からはコンピューター統合制御装置やLED、集積回路、スマートシステムが普及し現在に至ります。