暮らしの初めて物語: 温水洗浄便座

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家電修理

温水洗浄便座とは洋風便器に設置して温水によって肛門を洗浄する機能を持った便座のことをいいます。商標の普通名称化により「ウォシュレット」や「シャワートイレ」などと呼ばれることがほとんどですが、ウォシュレットはTOTO、シャワートイレはINAX(LIXIL)の商標。パナソニックや東芝(東芝ライフスタイル)では別の名称で販売されています。現在の一般家庭への普及率は80%に達するとも言われています。

温水洗浄便座の初めて

もともと海外ではビデの一種として扱われ、「combined toilets」または「bidet attachments」などと呼ばれ、便器の横に併設されていることが多かったようです。そのビデをノズルの形で便器と一体化し、さらに電気制御式としたものが、アメリカで医療・福祉施設向けに開発され、痔の治療などに使われていました。

温水洗浄便座の歴史

国産初の温水洗浄便座の付いた洋風便器「サニタリーナ61」
国産初の温水洗浄便座の付いた洋風便器「サニタリーナ61」伊奈製陶(現INAX【LIXIL】)

ただ初期のこれらの商品は温水の温度調節が難しかったことから温水で火傷を負う利用者もいたほか、価格も高く普及には程遠かったそうです。さらに当時はまだ和風便器も多く採用され上、下水道の普及も進んでいなかったのも一因といえるでしょう。

1980年、TOTOは独自に開発を進め「ウォシュレット」の名称で新たな温水洗浄便座を発売。1982年には当時人気の戸川純を起用したCMで、「おしりだって、洗ってほしい。」のキャッチコピーによって一気に知名度を高めます。伊奈製陶以外にも松下電工(現パナソニック)なども参入、各メーカーがしのぎを削るようになります。

1990年代には日本の新築住宅の多くで温水洗浄便座が採用されるようになり、さらにオフィスビルや商業施設、ホテルといったパブリック用途にも採用が広がっていき、現在に至ります。

海外では日本ほど普及が進みませんでした。主な理由としては硬水と軟水の違い(ヨーロッパでは、水道水が石灰分を含んだ硬水で、含まれている石灰分が内部で凝固し、ポンプが故障したりノズルが詰まる)、日本のように清潔な水を使えないため病気などの危険性があるなどです。トイレにそもそもコンセントがないという構造も影響していると言われています。

それでも来日したタレントなどには好評だったようで、マドンナが2005年に来日した時、「ウォシュレットに会いに来たわ」とコメントしたのは有名です。日本に来た外国人がその快適さを体験することで、SNSなどを通じて発信し、そのまま購入する人もいるようです。一度でもあの快感?に慣れてしまったら、温水洗浄のないトイレではできませんよね…。

今ではほとんどの賃貸マンションに温水洗浄便座が装備されています
今ではほとんどの賃貸マンションに温水洗浄便座が装備されています。お部屋選びの優先順位でトイレなどの水回りが高い方も多いのでは

温水洗浄便座の現在

2019年2月に発売されたTOTOの最上級モデル(60万くらい!)ネオレストNX
2019年2月に発売されたTOTOの最上級モデル(60万くらい!)ネオレストNX。同社HPにあるイメージ画像ですが、もうトイレとは言えませんね

今では自動洗浄機能などさらにパワーアップした製品が多数出ています。ライバルとなる中国メーカー製温水洗浄便座なども発売されているようですが、中国人も日本製の方に信頼を寄せているのがSNSなどでも伺えます。海外の硬水にも対応したタイプ(定期的にクエン酸洗浄するそう)などもあり、日の丸家電はまだまだ元気のようです。