エアコン専用回路ってなに?必要性から重要な注意点まで徹底解説!

エアコン
地球温暖化の影響もあり近年の日本の夏は、最高気温が35℃以上の猛暑日を記録する日も増えています。もはやエアコンなくしては、日本の夏を乗り切ることは困難だといえそうです。そんな過酷な夏をむかえる前に、エアコンがない部屋に、その設置を検討することもあるでしょう。 エアコンの新設を業者さんに依頼するとき、必ず聞かれるのは「専用コンセントがあるか?」ということです。もし、専用コンセントない場合は「設置作業自体ができない」と断られたり、専用コンセントの増設を勧められることになります。 なぜ、エアコンには専用コンセントが必要なのでしょうか?その必要性から注意点まで、詳しく解説させていただきます。
目次

エアコン専用回路とは?

エアコン専用回路は、そのエアコンのためだけに電源を供給するコンセントのことです。通常は、天井付近の高い位置の壁に設置されているので、見分けがつきやすいです。

専用コンセント

エアコンは、消費電力の大きい家電製品のひとつです。例えば、2021年モデルの「ダイキンエアコン Eシリーズ」の最大消費電力は、6畳用で1240W、8畳用で1250W、10畳用で1420W(すべて暖房運転時)となっています。住宅で使う一般コンセントは、100V/15Aであり1500Wまで使用できるので、一番消費電力の大きい10畳用のエアコンであってもコンセントの許容値を超えて使用することにはなりません。ただ、このコンセントに、ほかの家電製品をつないで併用すると、すぐに1500Wを超えてしまうのは想像に難しくないでしょう。
エアコンの専用回路(専用コンセント)
コンセントの許容値である15A(1500W)を超えて使用しても、すぐにトラブルとなり使えなくなることはありません。そのコンセントがつながっている分電盤のブレーカも20Aであることが多いので、容量的にも問題ないです。ただ、頻繁にブレーカが落ちてしまうような使い方は不便だといえます。さらに、コンセントの許容値である15Aを超え、ブレーカの許容値20A以下の電流値、(例えば18A程度)で長時間使用するのはおすすめできません。この場合は、コンセントが発熱し、そこから発火する可能性が生じてきます。 以上のことからエアコン専用コンセントは、分電盤からその回路専用に単独で配線されている必要があるのです。

必要な電圧について

日本の住宅で供給される電気の電圧は、一般的に100Vです。ただ、分電盤のメインブレーカの1次側に、赤、白、黒の3本が接続されているなら「単線3相式」の配電方式であり200Vが供給されています。回路の接続のしかたによっては200Vをコンセントに供給できます。 2021年モデルの「ダイキンエアコン Eシリーズ」では、供給電源も指定されており、6、8、10畳用は100V/15A、12畳用は100V/20A、14、18畳用は200V/20Aとなっています。対応する部屋の広さが大きくなるほど、たくさんの電気が必要になります。
単相100v、単相200vのコンセントの種類。
上図のようにコンセントの形状はそれぞれ異なるので、100V仕様のエアコンを200Vのコンセントにはさせませんし、その逆もできません。物理的にさせないようになっています。ただ、100V/15A仕様のエアコンを、容量的に余裕のある100V/20Aのコンセントにさすことは可能です。

電気工事で設置も可能

専用コンセントがない場合は、分電盤から単独で直接配線をしてコンセントを新設します。この工事には、分電盤にブレーカを追加する作業、分電盤からコンセントまでの配線作業、コンセントの設置作業、それぞれの結線作業、と電気工事士の資格が必要な作業が多いです。信頼のできる業者さんに依頼するようにしましょう。

専用回路はどうして必要?

エアコンの設置工事を依頼したとき「専用コンセントがないと作業できません」と断られてしまうのは、万一の事故のときに業者側の責任問題になるからです。万一の事故とは、発火による火災であることが多いです。

通常コンセントは使用できない

住宅のコンセントからエアコンに電源供給しようとした考えたとき、多くの場合は延長コードを利用するでしょう。延長コードにも、さまざまな種類がありますが「1500ワットまで」と記載のある延長コードならコンセントと同じ許容値であり、問題なさそうです。なにがいけないのでしょうか?
エアコンで通常の電源タップ(電源コンセント)は危険
まずは、ほかの家電製品との併用になるので、頻繁にブレーカが落ちることになり不便です。さらに、ブレーカが落ちる20A以下の許容値内の電流であっても、大きな電流は既存の配線やコンセントに負荷がかかります。15Aを超えるような電流であれば、コンセントや屋内配線の許容値を超えることにもなり、長時間の使用は発熱や発火の危険性が生じます。 また、延長コードに布団がかぶせられた状態なら、発熱しやすいといえるでしょう。それによりコードが溶けて火災に発展するかもしれません。 以上の理由からエアコンの電源供給に、通常のコンセントを利用するのはおすすめできません。

漏電やショートの可能性

エアコン専用コンセントであれば、アース付きのコンセントを新設できる場合が多いです。分電盤に接地工事が施されていれば、分電盤経由でアースに接地することができます。とくに200V仕様のエアコンは、電源プラグ自体がアースに接続される形になっているので、アース付きのコンセントを用意してもらいましょう。エアコンをアースに接地することで、漏電したときに検知したブレーカが自動で電気を遮断してくれます。雨で漏電しやすい室外機は冷媒配管で電気的に室内機とつながっているので、室外機が漏電した場合でも同じように電気は遮断されます。 また、エアコンが故障し内部でショートしたときも、専用回線なら単独でブレーカが落ちます。エアコンの故障がほかの家電製品に波及することが少ないです。

専用回路を新設するときの注意点は?

分電盤から直接引いてくる

専用回線を新設するときは、分電盤から単独で直接配線されます。ご自宅の分電盤にブレーカの空きスペースがないか確認しておきましょう。2次側にケーブルが接続されていないブレーカがあれば、そのスペースを利用できる場合もあります。
エアコンの専用回路を作る時は、分電盤から直接引く。
分電盤に空きスペースがない場合は、ブレーカボックスごと新規で追加するか、分電盤自体を交換する必要があります。その住宅にあと何年住むのか?なども検討したうえで、業者さんと相談するようにしましょう。

工事ができない場合

賃貸住宅などで専用コンセントがない場合は、管理会社に確認してみましょう。熱中症を防ぐためにも、エアコンは欠かせない家電製品なので、対応してくれるかもしれません。専用コンセントを用意してくれない場合は、窓に設置するタイプの「ウインドエアコン」を検討してみましょう。

専用回路を設置するなら専門業者に頼もう!

エアコンの電源を一般コンセントから供給すると、さまざまな不具合が発生する可能性があります。必ず、専用のコンセントを設けて、そこから電源を供給するようにしましょう。 また、専用コンセントの新設は作業内容からも、電気工事士の資格が必要です。信頼のできる業者さんに依頼することで、配線が目立たないように貫通箇所を工夫してくれたり、配線用のモールを使って見た目よく仕上げることも可能です。分電盤にブレーカの空きがない場合も、専用のブレーカボックスを新設することで費用を抑えることもできるでしょう。 『DENKI110』では、専用コンセントの新設や、エアコンの設置工事にも迅速に対応しております。資格を持った作業員が担当しますので、お気軽にご相談くださいませ。

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