エアコンが冷えなくなったらガス補充!かかる費用や料金も解説
当記事でご紹介している料金は目安になります。現場状況や作業内容によって変動しますので詳細はお問い合わせください。
エアコンが急に冷えなくなったとき、皆さんはどう対処しますか。本記事では「エアコンが冷えなくなった場合のガス補充の方法とそれにかかる費用について」をテーマに、エアコンのガス補充に関する必要な情報を詳しく解説します。
エアコンの冷却機能が低下する主要な原因はガスの不足です。これに伴うガス補充のプロセスや費用、自分でできるかどうかなど、具体的な疑問に答えていきます。
エアコンガスの役割
エアコンガスは、冷媒ガスとも呼ばれ、エアコンの性能に非常に重要な影響を与えます。このガスはエアコン本体と室外機の間の配管を通じて循環し、空気中の熱を効率的に移動させます。冷房時には室内の熱を外へ移動させ、暖房時には外の熱を室内に移動させることで、快適な室温を維持します。
かつてのエアコンで使用されていたフロンはオゾン層破壊に関与するため、現在は環境に優しい代替フロン(HFCやPFCなど)に移行しつつあります。これらの新しいガスは塩素を含まないため、オゾン層への悪影響が減少しています。
エアコンの冷却効率が低下したり、暖房が適切に機能しない場合、冷媒ガスの漏れが原因かもしれません。そのため、冷媒ガスは定期的に点検し、必要に応じて補充や交換を行うことが推奨されています。
ガス補充(チャージ)とは
ガス補充とは、エアコンが本来持つべき冷却性能を維持するために欠かせないメンテナンス作業です。エアコン内の冷媒ガスは、室内の空気を冷やすまたは暖める役割を担っています。理想的には、この冷媒ガスが漏れないで完全なサイクルで機能すべきですが、さまざまな原因でガス漏れが起こります。
エアコンから通常の温度の風が出たり、場合によってはエラーコードが表示されることもあります。これらはガス漏れの典型的な兆候で、このような状況ではガス補充が必要です。適切な量の冷媒ガスを補充することで、エアコンは効率を取り戻し、快適な室内環境を提供できます。
これにより、エアコンは最適な性能を発揮し、エネルギー効率も改善されるため、長期的には電力消費の削減にもつながります。
ガス補充(チャージ)の必要時期
エアコンのガス補充が必要なタイミングは、冷却や暖房機能が低下した時や異音、不快な臭いがする時です。これらの症状は、冷媒ガスの漏れが原因である可能性があります。通常、適切に使用しているエアコンではガスが切れることはありませんが、設置ミスや機器の故障でガス漏れが発生することがあります。
そのため、異常を感じた際は漏れの有無を確認し、必要に応じて専門技術者にガス補充を依頼することが重要です。定期的なメンテナンスでこれらのトラブルを防ぐことが可能です。
ガス漏れが起こる原因
エアコンが十分に冷やさないまたは暖房機能が低下している場合、多くの原因が考えられますが、特にガス漏れは深刻な問題です。エアコンのガス漏れが起こると、その効果は著しく低下し、快適な室内環境を損なう可能性があります。
この問題の解決策を見つける前に、ガス漏れが発生するさまざまな原因を理解することが重要です。
取り付け不良
エアコンを新設するとき、取り付け精度が非常に重要です。特に、ユニットの接続部分が適切に締め付けられていない、あるいはシーリング材が正しく使用されていない場合、冷媒ガスが漏れる可能性があります。
新しいエアコン設置後、冷却効果が感じられない場合、取り付け不備によるガス漏れの可能性が考えられます。この問題を早期に発見し、適切なメンテナンスや修理を行うことが重要です。
配管の経年劣化
配管の経年劣化はエアコンの性能低下の原因となることがあります。エアコンを長期間使用すると、配管の材質が劣化し、破裂や亀裂が生じやすくなります。この小さな破損が原因で、冷媒ガスが漏れ出す危険性が高まります。そのため、エアコンの効率を維持するためにも、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。
エアコンの不調や故障
エアコンの不調や故障時に配管問題だけでなく、エアコン本体の故障の可能性も考慮する必要があります。特に長く使われているエアコンは、経年劣化が原因で本体が故障し、冷媒ガスが漏れることがあります。異常な音や臭いがした場合、これを初期症状として、早急に専門家の点検を受けることが重要です。
ガス漏れは人体に影響があるか
エアコンからのガス漏れは、人体に直接的な悪影響はありません。エアコンで使用される冷媒ガスには毒性がないため、漏れてもすぐに健康被害が生じることはありません。
しかし、密閉された空間で長時間ガスにさらされ続けると、めまいや頭痛などの体調不良を引き起こす可能性があります。したがって、ガス漏れを発見したら速やかに対応することが重要です。
ガス漏れの確認方法
エアコンを使っていると、効率や冷却効果の低下を感じる場合があります。これはエアコンのガス漏れが原因かもしれません。家庭でできるガス漏れの確認方法と、漏れが疑われる場合の対処法について詳しく説明します。
エアコンのガス漏れを放置すると、エアコン本体の故障だけでなく、効率の悪化が電気代の増加につながるため、初期症状を見逃さないことが重要です。適切な時期にメンテナンスを行い、快適な室内環境を保つことが大切です。
室外機や熱交換器に霜がある
エアコンの細い配管や熱交換器に霜が見える場合、これは冷媒ガスの漏れが原因かもしれません。冷媒ガスが漏れると、その部分の温度が通常よりも大きく低下し、霜が形成されることがあります。このような状況を見た時は、専門の業者に診断と修理を速やかに依頼することが大切です。
送風口から風は出るが冷えてない
エアコンを使用しても部屋が冷えない、または温まらない場合、冷媒ガスの漏れが原因である可能性があります。エアコンの冷媒ガスが不足すると、冷却や暖房の効率が大幅に低下し、快適な室温を維持できません。
また、エアコンのフィルターがほこりで詰まっていると、性能が低下するため、定期的な清掃が重要です。フィルターを掃除しても改善が見られない場合は、専門業者に依頼し、冷媒ガスの点検、補充、漏れの修理を行うことをお勧めします。
ガス漏れ探知機で確認
ガス漏れを科学的に診断するためには、ガス漏れ探知機、別名リークテスターやリークディテクターの使用が効果的です。この装置は冷媒ガスの漏れを音やLEDライトで警告します。さらに、エアゾールタイプのガス漏れ検知スプレーも便利です。このスプレーは使用が簡単で、疑われる箇所に直接噴霧するだけで、泡の発生を確認できます。泡が出る場所がガス漏れの位置です。
これらのツールは工具店やオンラインストアで購入できますが、操作に自信がない場合は専門の技術者に依頼しましょう。より安全かつ正確なガス漏れの診断が可能です。
ガスの補充(チャージ)の費用相場
エアコンの冷媒ガスの補充は、効率的な冷却を保つために不可欠です。冷媒ガスが不足すると、エアコンの冷却効果が低下し、快適な室温を保てなくなることがあります。このような状態になった場合、業者に依頼するガス補充の費用は、一般的に12,000~25,000円程度です。
しかし、ガス補充の費用はエアコンのメーカーやモデル、使用されるガスの種類や補充量によって異なります。また、ガス補充作業に加えて、多くの場合必要となる真空引きの作業や古いガスの回収にかかる費用も別途発生します。真空引きは、エアコン内部の空気や湿気を取り除くことで、ガスの効果を最大限に引き出すために重要な工程です。
このため、全体の費用はガス補充の相場だけでなく、これら追加作業の費用も考慮する必要があります。エアコンのメンテナンスを検討している場合は、これらの情報を事前に業者から確認することが推奨されます。
料金が変わる条件
エアコンのガス補充料金は様々な要因で異なります。まず、エアコンが家庭用か業務用かにより必要なガスの種類が変わり、それに伴い費用も変動します。さらに、使用される冷媒ガスのタイプによっても料金が大きく影響を受け、環境に優しい新型ガスは通常高価ですが、持続可能で安全な選択肢です。
また、エアコンの設置場所の複雑性や地域による作業員の単価の違いも、最終的な補充料金に影響を与えます。
冷媒ガスの補充前には、既存のガスを適切に回収する作業が必要な場合があります。このガス回収も、回収する量によって必要な費用が変わります。これらの作業を行う際には、専門の技術者に依頼することで安全かつ効率的に進めることができ、エアコンを最適な状態で使用できます。
ガスチャージのメリット
エアコンは年間を通して快適な生活環境を提供するために欠かせない家電の一つです。特に日本のような四季がはっきりしている国では、夏の暑さと冬の寒さから私たちを守ってくれます。
しかし、使い続けているとエアコンの冷暖房効率が落ちることがあります。多くの場合、この効率の低下はエアコン内部のガス(冷媒)が減少していることが原因です。ここでは、エアコンのガスチャージがなぜ重要か、またそのメリットを具体的に紹介します。
買い換えるより安く済む
新しいエアコンの購入には、本体価格に加えて取り外しや設置、古いエアコンの処分費用が含まれ、合計で10万円から25万円程度かかります。しかし、エアコンのガスチャージや小規模な修理には数千円から1万円程度で済みます。
これにより、新品を購入する必要がなくなり、長期間エアコンを効果的に使用できます。特にガスチャージはエアコンの性能維持に必須で、費用対効果も高いため賢い選択です。このようにエアコンのメンテナンスは、新品を購入するよりも経済的で、資源を有効活用する手段です。
時間が掛からない
エアコンを交換すると、新機種の設置まで何日も待つ必要があります。夏の間エアコンが使えない日々は避けたいです。しかし、エアコンのガスチャージは思ったより手間がかかりません。
専門の技術者が訪問してからわずか2時間で作業を完了します。これなら、新しいエアコンを急いで選ぶよりも、早く快適な環境を取り戻せます。忙しい日常で短時間で済むメンテナンスは大きなメリットです。
ガスの補充(チャージ)をDIYする方法
エアコンの効果が低下する原因として、冷媒ガスの減少が考えられます。専門知識がないとガス補充時に重大な事故が起こるリスクがあり、通常はプロの業者に依頼することが安全です。しかし、DIYで挑戦する場合は、紹介するステップに従い、エアコンの取扱説明書を事前に確認し、適切な工具を用意することが重要です。
自分で安全にエアコンガスを補充するためには、エアコンの型番と必要な冷媒ガスの種類を正確に把握する必要があります。各エアコンには適切なガスの量と圧力が定められています。工具セット、ガスボンベ、マニホールドゲージを揃え、専門店やオンラインショップで購入できます。
作業を始める前に、保護メガネと耐油性手袋を装着し、換気を良くすることも忘れないでください。すべての接続部に漏れがないか確認した後、説明書に従ってゆっくりとガスを注入してください。異常な振動や音、ガスの漏れがある場合は直ちに作業を中止し、プロに相談することが賢明です。
これらの点に注意し、正確な手順で作業を行えば、自宅でエアコンガスを補充することも可能ですが、いつでも安全が最優先ですので、不安がある場合は専門業者に依頼することを強くお勧めします。
マニホールドを接続
エアコンメンテナンス時、マニホールドを用いて室外機と冷媒ガスボンベを正しく接続することは重要です。先に、マニホールドゲージをエアコンのサービスポートに接続し、接続口が確実に合っているか慎重にチェックしてください。
冷媒ガスの種類に応じて適切なマニホールドゲージを選択する必要がありますので、使用するガスの種類を事前に確認し、適合するマニホールドを使用してください。不適合な接続や誤った種類のマニホールドの使用は、ガス漏れを引き起こし、エアコンの正常な動作を阻害する原因となります。正しく接続することで、エアコンのガス補充が安全かつ効率的に行えます。
チャージングスケールにガスボンベを乗せる
エアコンの効率を保つためには、冷媒ガスの適切な補充が欠かせません。この作業にはチャージングスケールが必要です。冷媒ガスボンベをチャージングスケールに置きます。このスケールは、エアコンに補充するガスの量を正確に計測します。各エアコンのモデルに必要なガス量は異なるため、事前に取扱説明書を参照し、必要なガス量を確認してください。
ガスボンベをチャージングスケールに載せると、充填するガスの量に応じてボンベの重量が減少します。この重量の変化を監視しながら、正確なガス量をエアコンに補充します。
真空引きを行う
エアコンのメンテナンスで必須の「真空引き」は、エアコンのシステム内に残っている空気や水分を取り除く作業です。これを怠ると、補充する冷媒ガスの効果が低下し、エアコンが適切に機能しなくなる原因となります。具体的には、真空ポンプを使用してエアコンのシステム内部を推奨される低圧状態まで引き下げる必要があります。
まず、エアコンの室外機に真空ポンプを接続します。ポンプが稼働を始めた後、約15分間システム内を空にします。この間、真空ゲージを注意深く監視し、圧力が-0.1MPaに達するか確認します。この圧力に達したら、真空ポンプを停止し、さらに3分間ゲージの値が変化しないかを観察し、ガス漏れがないかをチェックします。ガス漏れがなければ、システムは正常に封印されていると判断でき、真空ポンプを室外機から取り外し、作業は完了です。
この過程を正確に実行することで、エアコンの冷却効率を最大限に高め、システムの耐久性も向上させることができます。真空引きはエアコンの性能を維持し、長期にわたって快適な空間を提供するために重要なステップです。この手順を怠ると、故障のリスクが高まり、最終的には修理費用も増加するため、定期的なメンテナンスをお勧めします。
エアコンガスの補充
真空引きが完了した後、エアコンの冷媒ガスを補充します。充填にはチャージングスケールを使用してガスの量を正確に測定することが重要です。冷媒ガスボンベをチャージングスケール上に設置し、このスケールの目盛りを見ながら慎重にバルブを開いてガスを投入します。指定された量のガスがシステムに注入されたら、マニホールドゲージを用いて圧力を監視し、ガスの充填状況をチェックします。
ガスの補充が完了したら、使用したマニホールドと冷媒ガスボンベのバルブを順番に閉めて、システムの密閉性を保ちます。その後、エアコンシステム全体のガス漏れがないかを再度チェックします。すべての接続部分がしっかりと閉じているか確認し、ガス漏れがないことを確かめることで、エアコンの安全性と効率性を高めることができます。
まとめ
エアコンを長期間快適に使用するためには、適切なメンテナンスが必要です。特に、エアコンの移設を行った際や、冷却効率が落ちたと感じた場合には、ガス補充が必要になることがあります。このガス補充は、エアコンの性能を復活させるために重要なプロセスです。
ガス補充を行う際は、専門的な知識と技術が必要なため、エアコン専門の業者に依頼することが最も安全で効果的です。自己流で行うと、エアコンを故障させるリスクもあり、最終的には高額な修理費用が発生する可能性があります。
また、ガス補充の費用は業者によって異なりますが、一般的には数千円から一万円程度が目安です。業者選びの際には、費用だけでなく、サービスの質や保証内容も確認することが重要です。
事前に業者としっかりとコミュニケーションを取り、費用や手続きの詳細を確認することで、エアコンの移設やガス補充の作業をスムーズに進めることができます。適切なケアとメンテナンスで、エアコンは長く快適な状態を維持し続けましょう。
※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。
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