アンテナとは?種類やブースターや分配機なども合わせて徹底解説!
「急にテレビの映りが悪くなった」「テレビが映らなくなった」などのトラブルで確認したいのが、アンテナの設置状況です。テレビやラジオを快適に使用するには、アンテナが正しく設置されていることが第一条件となります。
とはいえ、アンテナに関する知識がなければ、テレビの映りが悪いときにどう確認すればよいのかわからなくなってしまいます。
本記事では、アンテナの種類やブースター、分配機などの関連機器について詳しく解説します。テレビの映りが悪いときの確認場所も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
そもそもアンテナとは?
アンテナは『電波』を受信または送信するための装置で、主に通信や放送などの無線通信に利用されます。受信アンテナは周囲の電波を受信して情報に変換し、送信アンテナは電波を発信して情報を送ります。
テレビやラジオ、カーナビなど身近な機器にもアンテナは組み込まれており、外部からの電波を受信していることによって、画面が映ったり音が聞こえたりするのです。
アンテナは電波の送受信を役目としているため、アンテナがなければテレビもラジオも見たり聞いたりすることができなくなってしまいます。
ちなみに、英語でアンテナは「antenna」と書きます。カタカナでも読めるので、わかりやすいですね。
アンテナの種類
家庭で必要とされるアンテナの代表ともいえるのが、テレビです。2011年に従来のアナログ放送から地上デジタル放送へと移行し、今ではデジタル放送の電波が受信できなければテレビをみることができません。
ここではアンテナの種類について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
UHFアンテナ
UHFアンテナは地上デジタル放送を見るために欠かせないアンテナで、おもに「八木アンテナ」と「デザインアンテナ」の2種類にわけられます。家庭用のテレビアンテナ製造や販売をおこなっている有名企業には、「DXアンテナ株式会社」や「マスプロ電工」などがあります。
そもそもUHFは英語の「Ultra High Frequency」を略した言葉で、「極超短波」を意味するものです。具体的には波長が1m〜10cm、周波数が300MHz〜3GHz(地デジは470〜710MHz)の電波を指します。
テレビのチャンネルを変えると放送内容が変わるのは、470〜710MHzの電波をチャンネルごとに振り分けているためです。リモコン操作でボタンを押すと、そこに振り分けられた電波に切り替わるという仕組みで動いています。
【八木アンテナ】
八木アンテナは、屋根のうえに取り付けられている、魚の骨のような形をしたアンテナです。地デジアンテナが登場するはるか昔から使われてきたテレビアンテナで、現在でも多くの家に設定されています。
屋根という高い位置に設置できることで電波が届きやすいことや、規格が多いことがメリットですが、見た目があまり美しくない点はデメリットといえます。
【デザインアンテナ】
デザインアンテナは箱型のすっきりとした形のアンテナで、屋根ではなく外壁に設置します。メリットはデザイン性に優れ、天気による影響を受けづらいところで、屋根の構造により八木アンテナが設置できない家にも取り付け可能です。
費用は八木アンテナよりも高くなりますが、新築などで見た目の美しさを損ないたくない方に選ばれることも多いです。なお、デザインアンテナは、「フラットアンテナ」「平面アンテナ」と呼ばれることもあります。
ユニコーンアンテナ
ユニコーンアンテナは、円柱の形をした地デジアンテナです。2017年に誕生したユニコーンアンテナは、「地デジアンテナの第三世代」とも呼ばれる新しいアンテナです。
すっきりとしたシルエットで景観を損なうことがなく、風の影響をおさえた構造で屋根の上に設置することも可能です。ただ、八木アンテナと比べて受信感度が低く、地域によっては設置できない場合もあります。
室内アンテナ
室内に置くタイプの地デジアンテナです。設置のための工事などは不要で、テレビと接続するだけで地デジが見られるのが大きなメリット。小型で邪魔にならないコンパクトさも良いところですが、屋外に設置するタイプのテレビアンテナよりも性能が劣るため、電波の弱い地域では映らないこともあります。
衛星アンテナ
衛星アンテナは地デジアンテナとは異なる「3GHz〜30GHz」の電波を受信するテレビアンテナのことです。厳密には異なるアンテナですが、一般的には衛星アンテナを「パラボラアンテナ」と呼ぶこともあります。
衛星アンテナを設置するメリットは、「BS」や「CS」などの放送が見れること。また、宇宙からの電波を受信するため、周囲の影響を受けづらく安定しているのも特徴です。
デメリットとしては、地デジアンテナとは別に設置するため、費用や工事の手間がかかることが挙げられます。
アンテナブースターとは?
電気信号が弱くテレビの映りが不安定な場合、アンテナブースターという機器を設置します。
アンテナブースターはアンテナに集められた電波を増幅することによって、テレビを安定して映してくれるもので、「ブースターがなければテレビが映らない」などの状況で使用されます。
「家の立地条件」や「テレビアンテナの設置場所」などによって受信できる電波の状況は違うため、アンテナブースターが必要かどうかはご家庭によって異なります。
アンテナブースターが必要な場合は、次のような場所に設置するのが一般的です。
- 屋根裏
- 屋外アンテナの近く
- マルチメディアボックス
アンテナで受信した電波は、アンテナケーブルを伝ってテレビ本体に運ばれます。山間部などで電波が弱い地域や、高層ビルや地下室などの電波が入りづらい場所でも、アンテナブースターを使えば弱い電波を増幅できるので、テレビの映りがよくなります。
アンテナブースターはホームセンターなどで販売していますが、設置方法がわからない場合は専門業者に設置を依頼しましょう。
アンテナの分配機とは?
アンテナの分配機は、複数の機器に信号を分けるための装置です。「アンテナ分配器」または「アンテナスプリッター」と呼ばれることもあり、2台以上のテレビやレコーダーなど、1つのアンテナからの信号を均等に分配するために利用されます。
なお、似たようなものに「分波器」というものがありますが、こちらは地デジと衛星放送の2つのアンテナを同時に受信して、それぞれの信号を適切に送ってくれる装置となります。
ここでは、アンテナの分配機をつけるメリットとデメリットを紹介します。
メリット
分配機のもっとも大きなメリットは、受信した電波を分けられるところです。地デジと衛星放送の両方を見たい場合や、テレビを録画したい場合などは分配機が必要になります。
また、複数のアンテナを設置するよりも、1つのアンテナからの信号を分配する方がコストの削減にもつながります。とくに、屋外にアンテナを設置する場合、複数のアンテナを設置するとなれば費用がかさみますし、見た目にもゴチャついてしまいます。
用途や分配数によって分配機が選べるので、最適なものを選んで設置しておくと、費用をおさえることが可能になります。
デメリット
一方、分配機のデメリットは、1つから複数の機器に信号を分けることによって、電波が弱くなってしまうことです。アンテナ分配機を使用すると、信号が分配されるので、以前は問題なく見れたテレビの画像が劣化したり、ノイズが入ったりする可能性があります。
また、アンテナ線を延長すると、その分電波が弱くなってしまうこともデメリットといえます。ほかにも、アンテナ分配機には分配できる受信機器の数に制限があることや、分配機のタイプや性能によっては、複数の受信機器に対応できないことなどが挙げられます。
テレビの映りが悪いときに確認する場所
急にテレビの画像や音声が乱れて映りが悪くなると、視聴中にストレスを感じてしまいますよね。
テレビの写りが悪くなる原因は、本体機器のトラブルやアンテナトラブルなどいくつかあるため、原因となる場所を特定しなければなりません。
ここでは、テレビの映りが悪いときに確認しておきたい場所と確認方法を紹介します。
①テレビの周りを確認する
まずは、テレビに接続されているケーブルやコネクタが、正しく接続されているか確認しましょう。本体の後ろや横につながっているケーブルが抜けかけていないかなど、1つ1つ触っていきます。
テレビ本体の横側や上側に差し込まれている『B-CASカード』が抜けかけている可能性もあるので、カードを一度抜いて差し直しておきましょう。テレビの後ろや横はホコリが溜まりやすい場所でもあるので、確認しながら掃除するとよりよいです。
②アンテナレベルの強度を確認する
ケーブルなどに問題がなさそうであれば、アンテナレベルを調べてみましょう。アンテナレベルとは「電波の強さ」を表すもので、レベルが低い場合はテレビを表示するための基準に到達していないことになります。
アンテナレベルはリモコンの「設定」や「メニュー」ボタンから、「アンテナレベル」と表示されたところから調べられます。製造メーカーによって確認方法は異なりますので、取り扱い説明書やメーカーのHPなどからご確認ください。
もしアンテナレベルが十分あるのにテレビの映りが悪いのであれば、テレビ本体や分配機のトラブルなどが考えられます。逆にアンテナレベルが低ければ、テレビアンテナやケーブルに原因があるのかもしれません。
③アンテナを確認する
テレビアンテナが正しい向きを向いているか確認しましょう。とくに、アンテナが外部に設置されている場合、風や雨の影響を受けやすくなります。
台風や大雨でアンテナが倒れたり、向きが変わってしまったりすると、電波を受信できなくなってしまいます。また、アンテナの寿命は10年程度といわれているため、10年以上使っている場合は故障している可能性もあります。
室内の工事不要なアンテナの場合は新品と交換するだけで良いですが、屋外に設置されているアンテナに関しては、専門業者に依頼して直してもらいましょう。
④ブースターの設置状況を確認する
アンテナブースター(信号増幅器)を取り付けている場合は、正しく設置されているか確認しましょう。設置方法が間違っている場合や、経年劣化により故障している場合なども考えられます。
ブースターが劣化すると電気信号を送れなくなってしまうため、テレビの映りが悪くなります。ただ、ブースターの故障かどうかは素人には判断がつかないため、専門業者に調査を依頼してもらうことになります。
⑤他の機器や周辺の影響を確認する
アンテナやテレビの近くに他の電子機器がある場合、その影響を受けている可能性も考えられます。例えば強力な電磁波を発する電子機器が近くにあれば、電波障害となってテレビの映りに影響を与えることがあります。
また、家の近くに新しいビルやマンションが建てられたり、植物によって電波が妨害されたりと、周辺状況の変化によってもテレビの映りが悪くなることがあります。
もし家の中に複数のテレビがあれば、映りが悪くなったテレビが何台あるか確認してみましょう。他のテレビが映るのであれば、電波障害の可能性はありません。
また、マンションなどの集合住宅にお住いの場合は、他の住人もしくは管理会社に問い合わせてみてください。隣や上下のご家庭のテレビが映る場合も、電波障害の可能性は低いと考えられます。
アンテナ関連で困ったことがあればDENKI110にまでご相談ください!
テレビを映すためのアンテナは種類が多いため、確認してみてもどのアンテナか判断がつかない方も多いと思います。また、テレビアンテナは少しの角度の違いで電波を受信できなくなるため、知識がなければ正しく調節するのは困難です。
また、アンテナやケーブルの修理や設置には電気工事をともなうこともあり、工事内容によっては「電気工事士」の資格が必要になります。資格と知識がない状態で電気工事をおこなうのは大変危険なため、必ず専門業者に依頼しましょう。
『DENKI110』では、電気工事士の資格を持ったプロがアンテナのトラブルにも対応しております。調査から修理、取り付けなど一連の工事をおこなえる資格保有者が自宅にお伺いしますので、まずはお気軽にご相談ください。
※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。
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