「引越しをするのでエアコンを移設したい」というケースはよくあります。
同時に、引越しの際にエアコンを移設するか買い替えるかで迷われる方も非常に多いです。
引越し先にエアコンがない場合、
移設するか新品エアコンを購入するかのいずれかを選択しなければならないでしょう。エアコンがない部屋でエアコン工事を行う時は、壁に配管穴を開ける必要があるため、工事の手間もかかります。
引越しのタイミングでエアコン取り付け工事を行うのであれば、余裕をもってスケジュールを組みましょう。
今回は、エアコンを引越し先に取り付けする方法と手順を、実際の事例(三菱MSZ-GV2221-Wの取り付け工事)をもとにご紹介していきます。
エアコンの取り付けをお願いしたい
本日お引越しをされるというお客様から、
エアコンの取り付けをお願いしたいというご依頼をいただきました。
引越し業者の手配は済んでいるものの、エアコンの移設までは対応しておらず、エアコンが使用できなくて困っているとのことです。荷物の移動はすでに完了しており、取り付けるエアコンは引越し先にありました。(エアコンの取り外しはお客様の方で済ませたそうです。)
暑くて引越しの作業に集中できないとのことでしたので、近くのスタッフがすぐに現地に駆け付けました。
エアコンの移設のために現地調査を行いました
さっそく、お客様のご自宅にお伺いし、エアコンの確認と現地調査を行いました。
取付けるエアコンは
三菱の「MSZ-GV2221-W」です。引越し前に購入したばかりとのことで、箱に入った状態で部屋に置かれていました。
現地調査では、主に
エアコン取付けの周辺環境を見ます。室内機、室外機の設置場所や配管パイプの長さなどをチェックし、標準工事(基本的な工事)のみでよいかを判断します。
配管パイプが4m以上、化粧カバーを取り付ける、高所での作業を伴う…など特別な作業が必要な場合は、
追加工事として別途費用が発生します。
今回の事例では、室外機を1階に置き、室内機は2階に取り付けたため、約6mの配管が必要でした。
エアコン「MSZ-GV2221-W」を取り付け
ここでは、実際にエアコンの取付工事を行う方法と手順を「MSZ-GV2221-W」の事例で解説します。
エアコン設置~エアコン取付までの手順
1.据付板を固定する
まず、壁の中の構造体を探し、
固定用ネジを使用して壁に据付板を取り付けます。
据付板の左側は壁から135㎜以上、右側は壁から155㎜以上離して取り付けます。
2.エアコンの配管パイプ用の穴を開ける
室内機と室外機を繋ぐ配管パイプを通すために、壁に穴を開けます。
据付板の線にスケールを合わせ、
コアドリルという工具を用いて穴開けします。
3.室内機の取り付け
室内機のコーナー部品を取り外し、電線固定具を取り付けます。そして、赤・白・黒3つの電線の端末を加工し、端子台に差し込みます。
配管曲げ作業を行い、冷媒配管・ドレンホースをまとめて
配管テープで巻き、壁穴用スリーブに差し込みながら据付板に室内機を取り付けます。
4.配管とドレンホースの接続
室外機を外に設置し、ドレン配管に勾配をつけて配管し、水を流して排水を確認します。商品のドレンホースと延長ドレンホースを
テープでしっかりと接続することが大切です。
次に、配管パイプを切断して
フレア加工(配管の先をラッパ状に広げる作業)を行います。フレアツールを使ってフレアナットを取り付け、室内機と室外機の配管パイプを接続します。
この時、接続部分が緩いと冷媒ガス漏れに繋がるため、
トルクレンチなどでしっかりと締めるようにします。
5.真空引きを行う
2方弁と3方弁を全開にし。、3方弁のサービスポート、チャージバルブ、チャージホース、マニホールドバルブ、真空ポンプをそれぞれ接続します。
マニホールドバルブのハンドルを全開にし、真空ポンプの運転を開始します。
連成計のゲージが-0.1MPaになったら、チャージバルブを締めて
真空引きを15分程度行います。
ハンドルを全閉にし、チャージホースを緩めて真空ポンプの運転を止めます。
3分間針の戻りがないことを確認し、チャージバルブを戻し、2方弁と3方弁の弁棒を六角レンチで反時計回りに回し、チャージバブルを外します。
サービスポートのキャップと2方弁と3方弁のバルブを締めたら、冷媒ガスの充填が完了します。
6.エアコンの試運転
施行前
↓
施工後
内外接続電源の接続を行い、電源プラグを差し込み、
応急運転スイッチを押します。
30分間エアコンの試運転を行い、問題がなければ設置工事は完了です。
三菱エアコン「MSZ-GV2221-W」の特徴
- 耐塩害仕様の霧ヶ峰シリーズのルームエアコン
- 0.5時間刻みで最大12時間後まで設定できるタイマー機能
- 最大電流値を約25%抑えて運転する「ピークカット」機能
- エアコン内部を乾燥させてカビを防止する「内部クリーン運転」
- 帯電ミクロフィルター(PM2.5対応)やプラチナアレル除菌空清フィルターの別売部品が取付け可能
- 省エネ基準達成率100%(目標年度2010)
エアコンの移設をするメリット・デメリット
引越しなどでエアコンの移設を行う場合のメリットやデメリットを解説します。
エアコン移設のメリット
エアコンを買い換えずに移設する場合、
エアコン本体の費用が不要なため、購入価格の分工事費が安く抑えられます。
エアコンを買い換えた時は古いエアコンの廃棄についても考えなければならず、多くのケースで処分料金がかかります。しかし、
移設であれば処分料金は要りません。
そのため、
比較的新しいエアコンの場合は移設した方がメリットは大きいと言えるでしょう。例えば、今回の事例でご紹介した三菱の「MSZ-GV2221-W」は2021年製ですので、移設した方がコストが抑えられます。
エアコン移設のデメリット
エアコン移設で失敗するケースもあります。特に多いのが、
購入から10年経過した古いエアコンです。
せっかく移設しても
すぐに故障する可能性があるため、短期間のうちに新規取り付け工事が必要になることがあります。
しかも、古いエアコンは修理のための部品がメーカーにもないため、部品の交換で対応できない恐れがあるのです。
それに対し、最新機種のエアコンは
省エネ性に優れており、電気代も安いです。
万が一修理が必要になっても、メーカーから部品を取り寄せることができます。
以上のことから、10年以上経過したエアコンは買い替えをおすすめします。
参考記事『エアコンごと引っ越しってできる?移設するためのメリットやデメリット解説!』
エアコンの移設や取り付けはプロに任せましょう
今回は、三菱のエアコン「MSZ-GV2221-W」の取り付け工事の事例を元に、
引越しに伴うエアコン工事の方法や手順をご紹介しました。
こちらのエアコンは比較的新しいため、引越し先への移設ということになりましたが、10年以上前の古いエアコンは交換した方が工事料金が安くなる可能性があります。
もし、移設にするか買い替えするかで迷った場合は、
DENKI110にお気軽にご相談ください。
引越しサービス業者さんでは、エアコンの取り外しや取り付けは基本的に行っていません。エアコン取り付けでは電気工事を行うため、DIYでの作業は避けてください。
電気工事士の資格をもたない人が作業すると、法律で罰せられます。
エアコンの移設や取り付けは取り付け業者に任せるのがベストです。業者選びに困った時は、DENKI110にご依頼いただければ迅速に対応いたします!
参考サイト: DENKI110(電気工事) ※ページ内に記載されている金額は一例です。対応業者や対応箇所の状況によって実際の金額が異なる場合があります。
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