シーリングライトと照明器具の選び方まで徹底解説!
一般家庭でもっとも普及している照明器具がシーリング照明(シーリングライト)です。天井に取り付けることで部屋全体を明るくできるため、メイン照明として用いられます。
少し前までは白色で円盤形をしたシーリング照明が定番でしたが、最近はデザイン性の高いおしゃれ照明も増えており、インテリアの一つとして活用されることも多いです。
この記事では、シーリング照明について以下の内容を解説していきます。
- 照明器具の重要性
- シーリング照明の基本知識
- シーリング照明の選び方
- 照明器具の定期的なメンテナンス方法
シーリング照明を取り付けるとどんなメリットがあるのか、機能的な疑問も一挙に解決していきましょう。
生活に必須の照明!その重要性とシーリング照明の特徴を解説
まずは、照明器具を部屋に取り付けることの重要性を解説します。それを踏まえ、シーリング照明の特徴も併せてご紹介していきます。
照明器具の重要性
一般家庭やオフィス、商業ビル、学校など、どんな建物においても室内を明るく照らす「照明器具」は必須です。照明の光がなければ、私たちの生活は快適とはいいがたいでしょう。生活に必須といえる照明器具、その重要性は大きく二つに分けられます。
1.空間の雰囲気への影響
◆心地よい雰囲気の演出
照明は空間に心地よさやアンビエンス(臨場感や良好な環境)をもたらしてくれます。暖色系の穏やかな光であればリラックスした雰囲気を醸し出せますし、寒色系のクリアな光であれば活気溢れる雰囲気を作り出せます。
◆デザインとアクセント
照明器具のデザインや配置は、部屋全体のデザインの重要なアクセントになります。従来の蛍光灯は古めかしく、モダンな室内空間には似つかわしくないこともあるでしょう。シャンデリアやペンダントライトなどのおしゃれ照明に替われば、空間に独自のスタイルが加わることがあります。
◆色温度の影響
色温度の違いによって、温かみのある空間やクールな空間を創造できます。色温度は「K(ケルビン)」の単位で表され、数値に比例して赤みを帯びた光(暖色系)になります。数値の高い暖色系(電球色)はくつろぎ感を、数値の低い寒色系(昼白色)は活気を提供してくれます。
2.機能性への影響
◆タスク照明への重要性
照明器具は作業スペースでの視覚的なサポートを提供してくれます。適切なタスク照明があることで、仕事や調理などの活動がスムーズかつ効率的に行えるのです。古くは卓上ライトがタスク照明に該当しますが、近年では吊り下げタイプや天井設置タイプの商品も普及しています。
◆セキュリティと安全性
明るい照明は部屋全体を均等に照らし、障害物や危険を見つけるのに役立ちます。暗い場所を明るく照らすことで、転倒や事故のリスクを低減させられるのです。
◆調光機能の柔軟性
調光機能を備えた照明器具は、様々な活動や状況に応じて明るさを調整できるなど柔軟性をもちます。調光とは、照明の強さ(明るさ)を段階的に調節できる機能のことです。調光機能があれば、リビングでのくつろぎの時間から、仕事に集中する時間まで1台の照明で対応可能です。
シーリング照明の特徴的な役割
照明器具の中でも、シーリング照明の特徴的な役割をご紹介します。
1.全体を均等に照らす効果
◆均一な光の分布
シーリング照明は天井に取り付けられ、部屋全体を均等に照らすことができるものです。これにより、広い範囲で一貫した明るさを実現し、全体の視覚的な調和を生み出します。
2.スペースセービング
◆天井に取り付けられるデザイン
シーリング照明は天井に直接取り付けられるため、床や壁のスペースを取らず、室内のレイアウトを最適化できます。特に低い天井の部屋や狭いスペースに適した照明です。天井の低い部屋では、ペンダントライトのような高さのある照明だと人や家具にぶつかってしまうことがあります。そのため、シーリング照明の方が適している場合があるのです。
3.シンプルで洗練された外観
◆ミニマリストデザイン
シーリング照明は一般的にシンプルで洗練されたデザインが多く、モダンなインテリアに特に適しています。無駄な装飾がないことで、空間に清潔感をもたらします。天井と一体化するようなフラットさがあるため、視覚的にも邪魔になりません。
4.様々なデザインとスタイル
◆豊富なバリエーション
シーリング照明には様々なデザインやスタイルがあります。モダン、クラシック、エコフレンドリーなど、インテリアに合わせて選択できるのが特徴です。従来のシーリング照明は乳白色のプラスチック製品が主流でしたが、近年はリネン(布)製のシェードが付いたものや木目調、カラーバリエーションのある商品も人気です。
5.シーリング照明のエネルギー効率
◆LEDテクノロジーの活用
近年のシーリング照明はLEDテクノロジーを使用しており、省エネルギーかつ長寿命な照明効果を提供します。LEDを採用したシーリング照明は「LEDシーリングライト」「LED照明器具」などと呼ばれ、環境への貢献とランニングコストの低減に寄与することで注目されています。
シーリング照明(シーリングライト)の基本知識
シーリング照明(シーリングライト)とは、天井に直接据え付けるタイプの照明器具のことで、別名「天井付け照明」と呼ばれることもあります。広い範囲をまんべんなく照らせるのが最大の特徴です。
LEDライトとの違いは? LEDライトはLEDを採用した照明器具の総称で、電球を交換できるタイプの照明も含まれます。それに対し、シーリング照明はLEDライトと照明器具本体が一体になっており、電球のみの交換ができません。 |
それでは、シーリング照明について詳しくご紹介していきます。
1.主要な役割と機能
シーリング照明の主な役割と機能についてです。
1.1.全体の照明
シーリング照明の主要な役割は、部屋全体を均等に照らすことです。天井に取り付けられるため、広範囲な光を提供し、一般的に主照明として使用されます。一般家庭の寝室や子供部屋などでは、特別な用途が必要ない限り、シーリング照明1台で部屋の照明機能が必要十分なケースがほとんどです。
1.2.均一な光の分布
部屋全体に均一な光を分布させることで、視覚的な調和を生み出し、影を最小限に抑えます。これにより、空間全体が明るくなり、開放感が増します。部屋にシーリング照明がなく補助照明のみしかない場合、空間全体が暗く閉鎖感のある雰囲気になってしまうでしょう。
1.3.アクセントの提供
特定のデザインやスタイルのシーリング照明は、アクセントや装飾としての役割を果たし、空間に個性を与えます。例えば、シェード部分が花柄のシーリング照明などは、部屋を華やかにしてくれるでしょう。
2.部屋の種類別の用途
シーリング照明は、リビング以外にもさまざまな部屋に用いられています。部屋の種類別に用途をご紹介します。
2.1.リビングルーム
リビングルームでは、くつろぎの空間を作り出すためにシーリング照明が利用されます。デザインによっては、リビングの中心に配置されることがあります。これにより、広いリビングも均一に照らせるため、家族全員が快適に過ごせるのです。また、他の照明器具に比べてコンパクトなため、室内の圧迫感が少なく、空間を広く見せてくれます。
2.2.寝室
寝室では、シーリング照明が全体を柔らかく照らし、リラックス作用を提供します。特に、調光機能があると、就寝前や目覚めの時間に適した明るさに調整できます。「何時間後に消灯(点灯)」などのタイマー機能もあると便利です。
2.3.キッチン
キッチンでは、作業スペース全体に均等な光を提供し、料理や調理作業をサポートしてくれます。明るい光が食材や作業スペースを鮮明に照らしてくれるため、料理をキレイに見せる効果も期待できます。
2.4.バスルーム
バスルームでは、シーリング照明が天井の中心に配置されるのが一般的で、均一な明るさを提供します。シャワーの水や湿気に耐えられるような防水仕様のものもあるので安心です。畳数によりますが、一般的な住宅では、リビングよりもバスルームの方が小さいサイズの照明が取り付けられます。
3.主要な部品と構造
シーリング照明の主要な部品と構造について解説します。
3.1.シェード
「シェード(shade)」は日本語で「日陰」「かさ」を意味します。シェードは光を拡散し、直接眩しい光を避けるための役割を果たすものです。異なる素材やデザインのシェードがさまざまなスタイルのシーリング照明で使用されます。
3.2.フィクスチャ
フィクスチャはシーリング照明を天井に固定するための取り付け部分であり、照明器具の傾き・落下などを防ぎ安定させるのに必要な部品です。一般的には、金属やプラスチックなどの素材でできています。
3.3.ブラケット
シーリング照明を天井に取り付ける際の支持部分であり、固定するための重要な部品です。ブラケットの設計によって、シーリング照明の形状や傾斜が異なります。ブラケットのある照明はブラケットライトと呼ばれることがあります。
3.4.電球および光源
シーリング照明には様々な種類の電球や光源が使用されます。LED、蛍光灯、ハロゲンなどがあり、エネルギー効率や明るさの選択肢が広がります。主流となっているLEDシーリングライトは、光源であるLEDが照明内部に組み込まれているものがほとんどです。
3.5.リモコン・スイッチ
一部のシーリング照明には調光機能が備わっており、光の明るさを調整できます。シーリング照明の調光機能は、壁の調光スイッチもしくはリモコンで操作するのが一般的です。活動や雰囲気に合わせて照明の使い勝手を向上させてくれます。
中には調色機能(色温度を変える機能)を備えている製品もあり、リモコン操作で調光調色ができるため非常に便利です。
シーリング照明の選び方のポイント
シーリング照明を選ぶ時、インテリアとの調和やデザインの好みは大切です。しかし、それ以外にも選び方のポイントがあり、快適に過ごすためには欠かせない要素となります。ここでは、シーリング照明の選び方のポイントを3つの視点からご紹介します。
4.1.用途と場所に合わせた選定
シーリング照明を取り付ける場所、またどんな用途で使用するのかを考慮して選ぶことが大切です。
リビング
◆一般照明とアクセント照明の両方を考慮
リビングでは、一般照明が与えるくつろぎの場としての明るさだけでなく、アクセントやデコレーションを引き立てるためのアクセント照明も考慮します。
一般照明は主に空間全体を照らす用途で用いられますが、アクセント照明はあえて一部分のみを照らし、インテリアなどを綺麗に見せるために用いられます。アクセント照明としては、ペンダントライトやスポットライトが適しています。
◆調光機能の有無
従来、リビングは単に家族が集まってリラックスしたりテレビを見たりする場所でした。しかし、最近はリビングを多目的に使用する家庭が増えています。
映画鑑賞やパーティなど、異なるシーンに合わせて明るさを調整できる調光機能があると便利でしょう。
寝室
◆柔らかな光と調光機能
寝室では、時間帯によって求められる光の強さや色温度が異なります。特に、柔らかな光は就寝前のくつろぎ感を生むため重要です。調光機能や調色機能があると、就寝前や目覚めの時間にも適した光を作り出せます。
◆壁取り付け型のオプション
シーリング照明だけでなく、寝室の壁に取り付ける補助照明のオプションも検討します。壁面照明としては、ブラケットライトやウォールランプなどが挙げられます。
キッチン
◆均等な光と色温度
料理や調理作業のために均等な光が必要です。光が一部分にしか当たらないと、調理器具で怪我をする恐れがあります。色温度も重要で、明るくクリアな昼白色は作業スペースを鮮明に照らすのに役立ちます。
ただし、間取りがLDKの場合は、全体の天井照明を昼白色にしてしまうと、リラックス空間として機能しないことがあるでしょう。こういった場合、シーンに応じて光の強さや色温度が変えられるよう調光調色機能のある照明を選ぶのがおすすめです。
◆防水仕様の検討
キッチンは水回りの設備ですので、防水仕様のシーリング照明を選ぶと良いでしょう。最近では、パナソニックなどの有名メーカーからも防湿・防水型のLED照明が販売されています。
4.2.光の色温度の重要性
シーリング照明を選ぶ時、場所や用途と同時に考慮したいのが光の色温度です。色温度の効果を理解することが照明選びのポイントです。
暖かい光(2,700K~3,000K)
一般的には「電球色」と呼ばれます。寝室やリビングなどくつろぎの場に適している色温度です。暖色系の光は心地よさを感じさせ、リラックスした雰囲気を生み出します。
自然に近い光(4,000K~5,000K)
一般的には「昼白色」と呼ばれます。キッチンや作業スペースに適している色温度です。明るく鮮明な昼白色の光は視覚的なクリアネスを提供し、作業の効率を向上させます。
冷たい光(6,000K以上)
一般的には「昼光色」と呼ばれます。青みがかった色合いで集中力を高める効果があるため、細かい作業や明るい空間が必要な場所に適しています。しかし、寝室やリビングなどのくつろぎの場では避けた方が良いです。
4.3.サイズと配置
シーリング照明のような天井照明は、広い場所にも適応できるようサイズが大きいものも多いです。サイズや配置を誤ると、部屋の美観を損ねたり家具とぶつかったりすることがあるため注意が必要です。
部屋の広さに合わせたサイズ
広いリビングや大きな寝室では、大きめのシーリング照明が適しています。逆に、狭い空間ではコンパクトなデザインが適しています。悪い例として、トイレや洗面所にリビング用の照明を設置してしまい圧迫感を生じる、と言ったことが挙げられます。
天井の高さに注意
天井が低い場合は、シーリング照明の高さに気を付けてください。天井が高い場合は、吊り下げ式のデザインやペンダントライトなども検討しましょう。
配置のバランス
シーリング照明の配置は、部屋のバランスを考慮して行います。部屋の中心に配置することが一般的ですが、家具やインテリアとの調和も重要です。
これらのポイントを考慮することで、各部屋に最適なシーリング照明を選ぶことができます。
照明器具の定期的なメンテナンス方法
照明器具は定期的にメンテナンスすることで長く使用できます。メンテナンスを怠ると、照明の性能や寿命に悪影響を及ぼすことがあるため、お手入れはきちんと行いましょう。
ここでは、照明器具の主なメンテナンス方法をご紹介します。
2.1.清掃
定期的にシーリング照明を清掃します。ほこりや汚れがたまると光の効果が低下しやすくなります。ほこりや汚れが取り除かれると、明るさが復活することがあるため、性能が低下したと思った時は一度掃除してみると良いです。
ランプやシェードは取り外して、柔らかい布で拭いたり、洗浄したりすることができます。ただし、必ず電源を切ってから作業を行ってください。シーリング照明のカバーは、ほとんどが水洗い可能ですが、取扱説明書に従いましょう。
2.2.球の交換
照明器具に使用されている電球やLEDランプには寿命があります。定期的に点灯状態を確認し、切れている場合は新しいものに交換します。
古いランプは専用の廃棄方法に従って処分してください。環境に配慮して廃棄することが重要です。
2.3.配線の点検
電源が安全に繋がっているか、配線に断線や損傷がないかを定期的に点検します。特に照明器具が露出している場合は注意が必要です。配線にトラブルがある場合、漏電や感電等の原因となり大変危険です。すみやかに電気工事の専門業者に相談してください。
2.4.フィクスチャの確認
フィクスチャや取り付け部分が緩んでいないか、しっかりと取り付けられているかを確認します。揺れや不安定さがあれば、すぐに修理する必要があります。
シーリング照明の不具合事例や原因はこちらの記事をご参考になさってください。
シーリング照明の取り付けや配線工事はDENKI110にご相談ください
天井照明でもっともメジャーといえるのがシーリング照明です。しかしながら、その役割や機能は普段あまり意識していない人も多いと思います。
故障して買い替えが必要になった、あるいは別の照明器具から交換したいと考えた時に初めて興味を持つこともあるでしょう。この記事を参考に、シーリング照明の役割や機能、選び方について詳しくなっていただければと思います。
シーリング照明の新規取り付けや配線工事には電気工事士の資格が必要です。ご用の際はDENKI110までお気軽にご相談ください。
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